いざというとき慌てない! 入院したときの医療保険の給付金請求、どうすればいいか説明できますか?
配信日: 2018.07.19 更新日: 2019.01.11
加入したらまずは安心ですが、手続きのことも知っておくと、より安心です。
Text:宮﨑真紀子(みやざき まきこ)
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士
大阪府出身。同志社大学経済学部卒業後、5年間繊維メーカーに勤務。
その後、派遣社員として数社の金融機関を経てFPとして独立。
大きな心配事はもちろん、ちょっとした不安でも「お金」に関することは相談しづらい・・・。
そんな時気軽に相談できる存在でありたい~というポリシーのもと、
個別相談・セミナー講師・執筆活動を展開中。
新聞・テレビ等のメディアにもフィールドを広げている。
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入院給付金の手続きは意外とシンプル
Sさんは毎年人間ドックを受診していましたが、血液検査の結果が「要観察」になっていたので、定期的に血液検査を受けていました。
その数値が上昇してきたので、医師から精密検査を勧められ、3日間の検査入院をすることになりました。
<入院給付金の手続き>
1)入院給付金の受取りに必要な書類を、加入している保険会社に請求。
2)「給付金等請求書」が送られてきますので、保険加入者が記入。
3)「入院期間が記載された領収書(コピー)」を添付して返送。
これで完了です。事前に書類を取り寄せておくと、よりスムーズに給付金を受け取ることができます。
入院前に書類を請求しておくと安心
Sさんは精密検査の結果、ガンが見つかり手術することになりました。Sさんが加入している医療保険の内容は図表のとおりです。
今回の入院は13日間で手術を伴います。「入院給付金」「手術給付金」と特約の「がん診断給付金」の請求も必要です。これらの請求には、医療機関で所定の診断書に記入してもらう必要があります。
時間がかかることがあるので、事前に保険会社に書類を請求しておくことをお勧めします。
また、作成してもらうには費用が掛かります。病院によって金額は異なりますが、目安は1通5000〜1万円です。
複数の保険会社に加入している場合は複数の診断書が必要になりますが、「弊社所定の書式と同一内容の場合、ほかの保険会社や医療機関所定の診断書等で代替いただけます(コピーのご提出も承ります)」という会社もあります。事前に書類をよく確認することで、費用の節約ができる場合もあります。
<手術給付金・がん診断給付金の手続き>
1)と2)は<入院給付金の手続き>と同じ。
3)「入院・手術証明書(診断書)」を医療機関で記入してもらう。
4)「給付金等請求書」「入院・手術証明書(診断書)」を返送。
これで完了です。
Sさんの場合は最初の検査入院の時、まさか自分がガンにかかっていると思っていなかったため、早々に入院給付金の請求をしました。検査の結果ガンに罹患(りかん)していることが発覚して治療したので、2回目の請求になりました。
何度も手続きをするのが面倒なら、1回で済ませることもできます。またSさんの1回目は診断書が不要でしたが、診断書の必要な給付金を請求する場合は、まとめて請求することで発行手数料の節約をすることになります。
逆に入院が長引いた場合、途中で給付金の請求をすることもできます。入院中は何かと出費がかさみますので、早く給付金を受け取りたい場合も多々あります。
例えば、1回の入院であっても請求書は月末締めで発行されますので、請求書ごとに給付金の請求をする方法を考えてみてはいかがでしょう。
入院や手術が決まったら、保険会社のコールセンターに連絡し、加入内容の確認と書類請求をして準備しておくことが大切です。保険会社に書類を送付すれば、数日後には給付金を受け取ることができます。
Text:宮﨑 真紀子(みやざき まきこ)
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士