更新日: 2019.01.10 損害保険

皆さん、ご存知ですか? 火災保険がカバーする範囲 その1

執筆者 : 浦上登

皆さん、ご存知ですか? 火災保険がカバーする範囲 その1
持ち家の方も、借家の方も、火災保険に入っているかと思います。
 
持ち家の方は、住宅ローンを借りている銀行から、火災保険への加入を義務付けられます。
 
借家の方も、貸主から借家人賠償責任保険への加入を要求されるため、自分が所有する家財に対する火災保険にも入ることになっているはずです。
 
これだけ皆さんが入られている火災保険ですが、もしかして、火災保険がカバーするのは火災のリスクだけだと思っていませんか?
 
範囲を限定しないでオールリスク方式で掛ければ、火災保険のカバー範囲はかなり広いのです。これについて順を追って説明したいと思います。
 
浦上登

Text:浦上登(うらかみ のぼる)

サマーアロー・コンサルティング代表 CFP ファイナンシャルプランナー

東京の築地生まれ。魚市場や築地本願寺のある下町で育つ。
 
早稲田大学卒業後、大手メーカーに勤務、海外向けプラント輸出ビジネスに携わる。今までに訪れた国は35か国を超える。その後、保険代理店に勤め、ファイナンシャル・プランナーの資格を取得。
 
現在、サマーアロー・コンサルティングの代表、駒沢女子大学特別招聘講師。CFP資格認定者。証券外務員第一種。FPとして種々の相談業務を行うとともに、いくつかのセミナー、講演を行う。
 
趣味は、映画鑑賞、サッカー、旅行。映画鑑賞のジャンルは何でもありで、最近はアクションもの、推理ものに熱中している。

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火災保険は風水災・雪災のリスクもカバーする

最近、異常気象の影響もあって、豪雨や季節外れの台風の被害が、テレビや新聞の報道をにぎわしています。特に今年7月初めの西日本豪雨は数十年に一度の災害と言われ、西日本全体にわたり大きな被害をもたらしました。
 
風水災・雪災による被害は、火災保険でカバーされます。
 
例えば、台風で家の屋根が飛んだ、豪雨による洪水で床上浸水した、雪でカーポートが壊れた、雨どいが落ちた、などという被害が発生していますが、これらはすべて火災保険でカバーすることができます。
 
風災には台風だけでなく、竜巻も含まれます。水災への補償は、床上浸水の場合、もしくは損害率が30%以上の場合等、限定がつくことが多いようです。
 
水災へのカバーは戸建て住宅、とくにゼロメーター地帯に住んでいられる方には必須ですが、高層マンションの上層階に住んでいる方には不要です。
 
この場合は、必要に応じて水災を保険のカバー範囲に入れるか否かを選択すればよいのです。雪災は豪雪地帯だけでなく都会でも起こりうる災害になってきました。
 
これら自然災害の増加を受けて保険会社は2019年から火災保険の保険料値上げを検討しているようです。入るなら今のうちかもしれません。
 

落雷の被害もカバーされる。

火災保険は落雷の被害もカバーします。雷が家に落ちて、家が燃えたり、家の壁に穴が開いたりすれば、その損害は火災保険で支払われることになります。
 
雷が家に落ちることなんて滅多にないじゃないかと思われるかもしれません。
 
でも、よくある被害として、落雷による異常電流で、エアコン、テレビやコンピュータ等の電化製品が壊れることがあります。エアコンが1台壊れれば、その取り換え費用は10-20万円になりますから、馬鹿にはなりません。
 
これも火災保険でカバーされます。
 

泥棒が入ったら?

家に泥棒が入った場合、その損害も火災保険でカバーされます。
 
泥棒に入られた場合の被害は何でしょうか? 泥棒が忍び込むために玄関のドアを壊したり、窓ガラスを割ったりする建物の破損や貴重品や家具等の盗難による損害です。原則すべてがカバーされます。
 
建物の破損に関する損害は、火災保険で修理費用が支払われ、家具の盗難ではその価値に応じた費用が支払われます。
 
ただし、注意事項をいくつかあげておきます。
 
まず、貴重品や家具等、動産の被害をカバーするためには、建物の火災保険だけでなく、家財の火災保険に加入しておくことが必要です。
 
火災保険は建物に関する保険と家財に関する保険に分かれているので、その両方に加入する必要があるという訳です。
 
貴重品盗難の被害をカバーするには、さらに2つの注意事項があります。
 
1.現金等、預貯金証書も補償の対象となりますが、限度額が設定されており、保険会社によって異なります。現金・小切手等現金相当物は20万円まで、預貯金証書は200万円までというのが一般的なようです。
 
預貯金証書の盗難による損害をカバーするためには、
(1)保険契約者または被保険者が、預貯金先宛てに盗難の被害届を出すこと
(2)盗難に遭った預貯金証書により、預貯金口座から現金が引き出されたこと
 
 上記の両方を満たす必要があります。
 
2. 宝石などの貴金属類や骨とう品などは「家財」に入らないことが多いので、「明記物件」として追加保険料を払って保険に加える必要があります。
 
それ以外にも火災保険でカバーされるリスクはありますが、それらは次回その2で説明することにしたいと思います。
 
Text:浦上 登(うらかみ のぼる)
CFP ファイナンシャルプランナー

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