そこで本記事では、不妊治療にまつわる金銭的負担や、公的保険の対象となる不妊治療についてご紹介します。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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不妊治療に負担を感じる方は82.7%
医療法人浅田レディースクリニックが2022年3月に発表した、「不妊治療の金銭面負担に関する意識調査」(調査対象:全国の20~40代男女300名:各年代 50名)によると、不妊治療を受けた方の82.7%が金銭的な課題に直面していました。具体的には、検査費や診察・内診費について、7割以上の方が負担に感じています。
直接的にかかる費用としては、採卵費などのほうが高いのですが、通院頻度が想定よりも多いために、これらの費目での負担感が強まっていると考えられます。
金銭負担が治療方針にも影響
想定したよりも金銭的負担が重いと、不妊治療の方針にも影響を与えます。
金銭的な負担が解消されなければ、不妊治療を断念・中断せざるを得なくなったり、治療そのものが遅れてしまったりすることもあるでしょう。同調査によると、実際に影響が出たと感じた方は49%おり、その影響は無視できるものではありません。
しかし令和4年4月より、不妊治療にも公的保険が適用されるようになりました。
公的保険の対象となる不妊治療の種類
公的保険が適用となる場合、医療機関や薬局窓口での負担は治療費の3割です。以下に該当する基本的な治療は、すべて保険適用となります。
●一般不妊治療:タイミング法、人工授精
●生殖補助医療:採卵・採精、体外受精・顕微授精、受精卵・胚培養、胚凍結保存、胚移植
適用要件については、令和3年度以前の助成金と同様、以下の制限があります。
●初めての治療開始時点で40歳未満の女性:通算6回まで(1子ごとに)
●初めての治療開始時点で40歳以上43歳未満の女性:通算3回まで(1子ごとに)
保険診療下で行った治療のみをカウントするため、保険適用前からの治療は回数に含みません。
高額療養費制度により負担を軽減できる
公的負担の適用を受けても治療費が高額になるときには、高額療養費制度を利用できます。
支払った医療費がひと月の上限額を超えると超過分が支給されるため、不妊治療の負担を軽減できるでしょう。上限額は年収により異なり、所得区分ごとに次のように定められています。
●年収約1160万円~:25万2600円+(医療費-84万2000円)×1%
●年収約770万~約1160万円:16万7400円+(医療費-55万8000円)×1%
●年収約370万~約770万円:8万100円+(医療費-26万7000円)×1%
●~年収約370万円:5万7600円
●住民税非課税者:3万5400円
例えば、年収350万円の方(上限額5万7600円)が窓口でひと月に8万円を支払った場合、差額の2万2400円が支給されます。
高額療養費制度の手続きや支給までの流れは、加入先の保険組合へご確認ください。
まとめ
公的保険の対象となる不妊治療の種類や、利用できる制度について紹介しました。
高額療養費制度なども活用すれば、治療にかかる負担を軽減できる可能性があります。治療が終われば子どもの教育費などにもお金がかかるようになるため、不妊治療を行うときから無理のない資金計画を立てることが大切です。
出典
医療法人浅田レディースクリニック 不妊治療の金銭面負担に関する意識調査(PR TIMES)
厚生労働省 高額療養費制度を利用される皆さまへ
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部