更新日: 2023.03.01 その他保険

退職日を月末以外にすると「4万円」社会保険料が節約になる!? 退職後、扶養に入る場合は要チェック!

退職日を月末以外にすると「4万円」社会保険料が節約になる!? 退職後、扶養に入る場合は要チェック!
勤めていた会社を辞めた場合、社会保険に関しては任意継続または国民健康保険と国民年金に加入することになりますが、家族の扶養に入る場合には自身で負担する必要はなくなります。
 
退職日は月末にすることが多く、退職月に最後の社会保険料を支払い、退職月の翌月から扶養に入る流れが一般的です。しかし、実は退職日を月末の前日にすると、退職月の社会保険料を支払わなくてよいことをご存じでしょうか。
 
本記事では、退職日を調整することで社会保険料を節約する方法を解説します。

執筆者:八木友之()

社会保険料は退職日の翌日の月まで発生する

社会保険料は、被保険者資格を喪失した日の属する月の前月分まで発生します。喪失した日とは「退職日の翌日」を指していることから、月末退職であれば退職月分まで社会保険料が発生することになります。例えば、1月31日付で退職した場合には、これまでの給与と同様に1月分の給与から社会保険料が天引きされて支払われます。
 

退職日を月末の前日にすると社会保険料は天引きされない

退職日を月末の前日にした場合は、社会保険の被保険者資格を喪失した日は月末となり、退職月の社会保険料は発生しません。最後に受け取る給与から社会保険料は天引きされず、手取りが増えることになります。
 
「中途半端な退職日を会社にいいにくい」と感じるかもしれませんが、社会保険料は労使折半です。会社としても1ヶ月分の社会保険料負担がなくなるということであり、月末より1日早く退職したところで大きなマイナス点はないと考えられます。一度相談してみてもよいのではないでしょうか。
 

基本的に負担が軽くなるのは扶養に入る場合

退職後に自身で社会保険に加入しなければならない場合には、月末退職にした方が金銭的負担は少ないケースが多いでしょう。退職後すぐに就職が決まっている場合以外は、社会保険の任意継続または国民健康保険と国民年金に加入しなければならないため、全額が自己負担になるからです。
 
むしろ、退職日は「月初」にした方が、月末退職より1ヶ月長く労使折半で社会保険料を支払うことができるため、お得になるのではないでしょうか。社会保険料の負担が少なくなるのは、あくまでも社会保険に加入している家族の扶養に入る場合である点に注意しましょう。
 

支払わずに済む社会保険料の金額とは

それでは、退職日を月末から1日前倒しすることで節約できる1ヶ月分の社会保険料の金額を見てみましょう。保険料額表は東京都のものを使用します。
 
図表1


 
全国健康保険協会 令和4年度保険料額表(令和4年3月分から) を基に筆者作成
 
例えば、月給30万円の人は毎月給与から健康保険料(介護保険料を含む)1万7175円、厚生年金保険料2万7450円、合計4万4625円が天引きされています。退職日を月末の前日にした場合には、退職後に受け取る最後の給与の手取り額は、この4万4625円分多くなります。
 

まとめ

社会保険料は退職日の翌日が属する月の前月分まで天引きされるため、月末の前日を退職日にすることで、退職月分の社会保険料は発生しなくなります。退職後に社会保険に加入している家族の扶養に入る場合は、最後に受け取る給与手取りを増やせます。「切りのよい月末!」と退職日を決めるのではなく、社会保険料の面からも慎重に検討してみてはいかがでしょうか。
 

出典

日本年金機構 退職した従業員の保険料の徴収
全国健康保険協会 令和4年度保険料額表(令和4年3月分から)
 
※ 2023/3/2 記事を一部、修正いたしました。
 
執筆者:佐々木咲
2級FP技能士

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