公的な介護保険だけじゃ不十分?生命保険会社の介護保険の必要性とは
配信日: 2018.01.21 更新日: 2019.01.11
Text:松浦建二(まつうら けんじ)
CFP(R)認定者
1級ファイナンシャル・プランニング技能士
1990年青山学院大学卒。大手住宅メーカーから外資系生命保険会社に転職し、個人の生命保険を活用したリスク対策や資産形成、相続対策、法人の税対策、事業保障対策等のコンサルティング営業を経験。2002年からファイナンシャルプランナーとして主に個人のライフプラン、生命保険設計、住宅購入総合サポート等の相談業務を行っている他、FPに関する講演や執筆等も行っている。青山学院大学非常勤講師。
http://www.ifp.cc/
私的な介護保険は公的な介護保険を補完するもの
生命保険会社等の介護保険は公的な介護保険とは違い、加入したい人だけが加入する保険商品です。もし介護が必要な状態になったら、公的な介護保険のお世話になるわけですが、介護保険で介護サービスを利用するときは、1割または2割の利用者負担が必要です。そして、利用できるサービスには上限があり、超えた額は全額利用者負担となります。
負担額が高額になったときは、高額介護サービス費によって一定額以上の負担をしなくて済む制度もあります。ただ、それでも経済的な不安がなくなるわけではなく、自助努力であらかじめまとまった額の貯金もしておきたいところです。私的な介護保険は貯金に代わる手段ともいえ、月々保険料を払っておくことで、介護へ備えることができます。
主な保障は介護一時金と介護年金
私的な介護保険にある主な保障は、介護一時金と介護年金です。ともに保険会社が定める介護状態になったときに受け取れる給付金で、介護一時金は1回のみ受け取れ、介護年金は介護状態が続く限り毎年受け取れます。受け取れる回数に制限がある場合もあります。
保険会社が定める介護状態は介護保険によって異なり、公的介護保険制度に連動させて要介護2以上や3以上等と、認定された場合に給付金を受け取れる介護保険もあれば、保険会社が細かく定めた介護状態になったら、給付金を受け取れる介護保険もあります。
要介護2以上と要介護3以上では認定される確率が違うので、認定されやすい要介護2以上に設定されている介護保険のほうが給付金を受け取りやすいです。その代わり保険料は要介護2以上のほうが高くなります。
介護保険に限らず、保険はないよりあったほうがよく、保障は小さいより大きいほうが安心できます。しかし安心に比例して、負担する保険料は増していきます。介護に備えるのに私的な介護保険へ加入しなければならないということはなく、ほかにも手段はいろいろあります。
ただ、介護への備えは万全を期したいもの。そのために私的な介護保険を活用するのがベストだと思える人は、介護保険を活用して介護に備えてみてはいかがでしょう。
※介護保険の内容は商品ごとに異なり、記載内容とは異なる場合もあります。詳細については、必ず保険会社や保険代理店に確認するようにしてください。
Text:松浦建二 CFP®認定者、1級ファイナンシャル・プランニング技能士
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