更新日: 2019.08.31 その他保険
「死亡定期保険」ってどんなもの?何のために入るもの?
今回からは、それぞれの保険商品の特徴を理解し、何のために、何をどのように組み立てていけばいいか、というイメージをつかんでいただければと思います。
このため、難しい表現はなるべくせず、簡単な言い回しをしていくことをご了承ください。
執筆者:重定賢治(しげさだ けんじ)
ファイナンシャル・プランナー(CFP)
明治大学法学部法律学科を卒業後、金融機関にて資産運用業務に従事。
ファイナンシャル・プランナー(FP)の上級資格である「CFP®資格」を取得後、2007年に開業。
子育て世帯や退職準備世帯を中心に「暮らしとお金」の相談業務を行う。
また、全国商工会連合会の「エキスパートバンク」にCFP®資格保持者として登録。
法人向け福利厚生制度「ワーク・ライフ・バランス相談室」を提案し、企業にお勤めの役員・従業員が抱えている「暮らしとお金」についてのお悩み相談も行う。
2017年、独立行政法人日本学生支援機構の「スカラシップ・アドバイザー」に認定され、高等学校やPTA向けに奨学金のセミナー・相談会を通じ、国の事業として教育の格差など社会問題の解決にも取り組む。
https://fpofficekaientai.wixsite.com/fp-office-kaientai
死亡保険の種類とは?
まずは「死亡保険」から見ていきます。単に死亡保険といっても、いくつか種類があるため順番に見ていきます。
定期保険
初めに「定期保険」です。保障図で示すと、このようなイメージになります。
保険期間があらかじめ定められている死亡保険を、「定期保険」といいます。厳密にいうと定期死亡保険ですが、満期のある死亡保険をいうときは、一般的に定期保険という言葉が使われるようになっているため、混乱しないようにしましょう。
保障内容としては、被保険者が死亡・高度障害になった場合に、受取人に死亡・高度障害保険金が支払われます。例えば、夫が亡くなったら、奥さんが死亡保険金を受け取るといった内容です。
定期死亡保険に入る目的とは?
定期保険に入る際は、お葬式代やお墓代の準備、遺族の生活保障の2つが主な目的になってきます。保険期間が10年間などと決まっているため、本来、どのライフステージで定期保険を活用するかがポイントになります。
例えば、ライフステージが子育て期のご家庭で考えてみます。独身期から夫が終身(保障が一生涯続く)の死亡保険(死亡保険金200万円)に入っていて、遺族の生活保障として、子どもが独立するまでの間は必要保障額が2000万円と考えたご家庭を想定します。
このケースでは、保障図は次のようなイメージになるでしょうか。
それまで入っていた終身保険(死亡保険金200万円)に加え、必要保障額である2000万円から200万円を差し引いた死亡保険金1800万円の定期保険に加入するといったイメージです。
通常、定期保険は10年定期(10年で満期を迎える)です。問題になるのは、満期を迎えてもなお、子育てをしている場合です。
子どもが独立していないと保障を継続する必要があり、更新時に保険料が上がってしまいます。本来なら、このとき必要保障額を再計算して、準備すべき保険金額を算出したうえで更新する必要があります。しかし、この作業が一般の方には難しく、面倒くさい作業でもあるため、つい、それまでと同じ保険金額で更新してしまいがちです。結果的に、保険料がかなり高くなり、家計の負担が増加します。
そのため、子育て期では定期保険で組み立てるよりも、収入保障保険を活用するご家庭が増えているのが実情です。
このことからいえるのは、必ずしも定期保険自体が良くないというのではなく、使い勝手と家計の負担が加入者のニーズに合わなくなってきたということです。
つまるところ、保険は、ライフステージと目的に合った形で、保障と家計のバランスを整えることが重要です。何らか目的のために、さらに、特に保障を手厚くしたいという場合は、定期保険を活用することも考えられます。
深く書いていくとややこしくなるので、定期保険についてはここら辺で控えますが、次回は、同じ死亡保険の中でも「終身保険」について見ていきたいと思います。
執筆者:重定賢治
ファイナンシャル・プランナー(CFP)