更新日: 2019.06.28 医療保険

特定の疾患にかかったら保険料が要らなくなる「保険料免除特約」ってなに?

特定の疾患にかかったら保険料が要らなくなる「保険料免除特約」ってなに?
保険に加入した場合、保障を継続するためには、保険料を払い込み満了まで継続して支払わなければなりません。
 
しかし、ガンや重大な病気、障害状態や介護状態になってしまったときなど、これまでと同程度の収入を得ることが難しくなると、保険料を支払い続けることが厳しい状況になることもあり得ます。
 
そのような事態になった場合に、以後の保険料を不要にしてくれる「保険料払込免除特約」(保険会社によって名称が違います)について解説します。
 
金澤佳也

執筆者:金澤佳也(かなざわ けいや)

2級ファイナンシャル・プランニング技能士、AFP、2級DCプランナー
宅地建物取引士、証券外務員1種、2種メンタルヘルスマネジメント検定

「安心して100年暮らせる」ためのアドバイス。
社会保障制度を踏まえたうえでiDeCo、NISA、保険の使い方のアドバイスを得意とする。

保険料払込免除特約とは?

一般的な保険では、まず契約時にこの特約を付けるか付けないかを選択します。そして、付けた場合、「ガン」「脳卒中」「心筋梗塞」になった際に、それ以後の保険料が免除となります。
 
保険料免除特約を付加すると保険料の計算が変わるため、その他の特約を中途付加できなくなったり、払込免除特約のみを外したりすることができない場合があります。その点には注意が必要です。
 
保険会社によっては、「障害状態」や「介護状態」も免除の条件にしている会社や、「脳卒中」や「心筋梗塞」では対象となる症状の幅が狭いため、「脳血管疾患」「心疾患」までを対象としているところもあります。これらについて分析していきます。
 
(1)ガン
ガンの場合は、「診断確定」となった場合に保険料免除となることが多いようです。ただし、ガン関連の保障は責任開始日から90日間の待期期間が付いていることがほとんどですので、その期間内に検査をしてガンが発見された場合は対象外となります。
 
また、「悪性新生物」と呼ばれるガンのみが対象で、「上皮内新生物」や「皮膚の悪性黒色腫以外の皮膚ガン」は対象外であるなど、一口にガンといってもすべてが対象とはならないことが多い点は注意が必要です。
 
(2)脳卒中
脳卒中の場合は「くも膜下出血」「脳出血」「脳梗塞」と症状が限定されている場合が多いです。保険会社によっては「脳血管疾患」も加え、幅を広くしている場合もあります。
 
また、ガンとは違い、症状の診断が保険料免除の要件ではなく、「所定の手術」「連続20日間の入院」「60日以上の後遺症」といったいくつかの条件を組み合わせることが多くあります。
 
(3)心筋梗塞
心筋梗塞の場合も「急性心筋梗塞」「再発性心筋梗塞」に限定されている場合が多いです。こちらも「心疾患」を加え、幅を広くしている会社もあります。その場合は、心疾患の中で数の多い「不整脈」なども対象になるようです。
 
また、保険料の免除要件は脳卒中の場合と似ており、「所定の手術」「連続20日間の入院」「60日以上の労働制限」といったいくつかの条件の組み合わせになります。
 
(4)障害状態
上記3つより実施している保険会社は少ないですが、所定の障害状態で保険料免除となるものもあります。この場合の障害とは、国民年金法の障害等級1級や2級など、会社によって条件が異なりますが、一般的に国民年金の障害等級は認定が厳しいと言われています。
 
(5)介護状態
介護状態での保険料免除も、実施している保険会社は少ないです。この場合は「約款所定の介護状態」が180日以上継続といった条件が多いようです。また、介護状態も約款を読み解く必要があります。
 

保険料免除があると助かるかもしれません。

上記の条件に該当する可能性は少ないかもしれません。しかし、保険の本質とはある事象が起こり、それに対応するときの金銭的保障を用意するものです。
 
働けなくなるリスクを保険料免除によってリスクヘッジすると考えれば、非常に有効であると言えます。皆さんもご自分の保険に、保険料免除特約が付いているか確認してみてはいかがでしょうか?
 
執筆者:金澤佳也(かなざわ けいや)
トラスト 代表取締役
2級ファイナンシャル・プランニング技能士、AFP、2級DCプランナー
宅地建物取引士、証券外務員1種、2種メンタルヘルスマネジメント検定
 

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