更新日: 2019.07.03 その他保険

将来の生活の不安を解消?個人年金保険のメリット・デメリット

将来の生活の不安を解消?個人年金保険のメリット・デメリット
若者を含む、現役世代の方々の悩みの種の一つ、それは「将来の生活に対する不安」ではないでしょうか。厚生労働省の発表によると、標準的な夫婦(※1)の年金受給金額は“22万1277円”(基礎年金+厚生年金の合計額)と公表されています(※2)。
 
これを年収に換算すると265万円という数字になりますが、同じく厚生労働省が発表した【賃金構造基本統計調査】によると、平成29年度の一般労働者の賃金は“304万3000円”という結果が出ています(※3)。
 
このことから試算すると、ほとんどの世帯で「働いていた時より生活水準が下がる、または貯金を取り崩して生計を立てる」という予測が立つと思われます。
 
では一体どうすればよいか。近年、公的年金を補完する存在として、保険会社から【個人年金保険】なるものが販売されており、【定額型】と【変動型】の2種類があります。
 
はたしてそれぞれの商品には、皆様にとってどのようなメリット、デメリットが存在するのかをここでは紹介させていただきます。
 
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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定額型の良い部分・悪い部分

ここでは【個人年金保険・定額型】の良い部分と悪い部分をそれぞれ分けてお話しさせていただきます。【個人年金保険・定額型】とは、契約時に年金額が確定していることを指します。
 
■良い部分
始めに定額型のメリットとしては、低金利のこの時代に、預貯金で積み立てを行うことと比較すると、個人年金保険の方が将来的に受け取れる金額は増える可能性があります。
 
ご自身が指定する口座から自動引き落としされるので、給与等の余ったお金を回すのではなく、半ば強制的に将来に向けて投資を行えますので、投資に対して重い腰をあげるのには適している商品だと言えます。
 
また預貯金と比較して、途中解約のハードルが高いことから、確実に老後の資金を準備することができます。この商品には節税効果も付随します。生命保険料控除とは別で、個人年金保険料の控除を受けることができます。
 
これにより個人年金を活用して、所得税と住民税の課税対象となる所得から差し引くことができ、結果的に節税に繋がります。
 
■悪い部分
デメリットとしては、やはり途中解約などにおいては元本割れが発生してしまう点です。途中解約することは可能ですが、それまでに支払った保険料より目減りしてしまう点は悪い点として挙げられます。
 
また商品の性質上、払込期間が長期に亘る商品です。そのため定期的に金額を入れていくため、緊急を要する、まとまった資金が必要な際は、どうしても流動性に欠けてしまいます。
 

変額型の良い部分・悪い部分

ここでは【個人年金保険・変動型】の良い部分と悪い部分についてお話しさせていただきます。【個人年金保険・変動型】とは、将来の年金額が、運用実績によって変動することを指しています。
 
■良い部分
一番の大きなメリットは、運用実績によっては、支払った保険料を上回る年金の受け取りが可能になるということが言えるでしょう。もちろんこれにはリスクが伴いますが、あらかじめ決められた金額であった定額型とは対照的な商品で、投資としての側面が大きい商品と言えます。
 
また、税制面でもメリットを享受できます。変動型の商品は、ご自身で投資先を選択します。その際にかかる運用収益に対する課税が発生しないため、金融商品としての複利効果を発揮するため、長期運用に適しています。
 
■悪い部分
最もデメリットとなるのは、期間内の運用実績が悪いと、将来受け取れる金額が元本割れを起こし、その分年金額(または解約返戻金)が減ってしまうということです。
 
商品によっては、最低保証をしてくれる商品もありますが、あくまで今回は、「老後資金と節税」についてお話しさせていただいていますので、老後資金に余裕がある場合を除いては、節税効果よりデメリットの割合の方が大きくなってしまいます。
 

まとめ

今回は個人年金保険について書かせていただきましたが、この商品だけが公的年金を補うものでありません。大きなリターン期待するのではなく、税制面の優遇を活用して、将来安泰に暮らせるお金を作ることを目標に商品選びをしていただけたらと思います。
 
(※1)標準的な夫婦とは、厚生年金において、夫の平均的収入が42万8000円で40年間就業しており、妻がその期間専業主婦であった世帯が年金を受け取る場合の給付水準になります。
 
出典
(※2)厚生労働省 平成30年度の年金額改定についてお知らせします
(※3)厚生労働省 平成29年賃金構造基本統計調査の概況
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
 

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