最終更新日: 2019.01.10 公開日: 2018.05.29
保険

自転車賠償保障の加入義務化! 自転車保険への加入は必要か(後編)

自転車運転者が加害者になる、自転車事故による賠償責任の高額化を背景に、自転車による事故の割合が高い都道府県などでは、自転車の利用者などに損害賠償保険への加入を義務付け、あるいは推奨する自転車条例を制定する動きが広がっています。
 
これをチャンスと捉えて、保険会社や共済では自転車保険を販売していますが、本当に、自転車保険に加入する必要があるのでしょうか。

新美昌也

Text:

Text:新美昌也(にいみ まさや)

ファイナンシャル・プランナー。

ライフプラン・キャッシュフロー分析に基づいた家計相談を得意とする。法人営業をしていた経験から経営者からの相談が多い。教育資金、住宅購入、年金、資産運用、保険、離婚のお金などをテーマとしたセミナーや個別相談も多数実施している。教育資金をテーマにした講演は延べ800校以上の高校で実施。
また、保険や介護のお金に詳しいファイナンシャル・プランナーとしてテレビや新聞、雑誌の取材にも多数協力している。共著に「これで安心!入院・介護のお金」(技術評論社)がある。
http://fp-trc.com/

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新美昌也

執筆者:

Text:新美昌也(にいみ まさや)

ファイナンシャル・プランナー。

ライフプラン・キャッシュフロー分析に基づいた家計相談を得意とする。法人営業をしていた経験から経営者からの相談が多い。教育資金、住宅購入、年金、資産運用、保険、離婚のお金などをテーマとしたセミナーや個別相談も多数実施している。教育資金をテーマにした講演は延べ800校以上の高校で実施。
また、保険や介護のお金に詳しいファイナンシャル・プランナーとしてテレビや新聞、雑誌の取材にも多数協力している。共著に「これで安心!入院・介護のお金」(技術評論社)がある。
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自転車保険とは

保険会社や共済が販売している自転車保険は、基本的に被害者への損害を賠償する保険(個人賠償責保険)と、自分のケガや死亡に備える保険(交通傷害保険)のパック商品になっています。
 
さらに、一般的な補償のほか、示談交渉サービス、ロードサービスがついたものもあります。
 

個人賠償責任保険とは

自転車事故で加害者になった場合、自転車保険に加入していなくても、個人賠償責任保険に加入していれば賠償責任は果たせます。
 
個人賠償責任保険は、自転車搭乗中に限らず日常生活の中で他人に対してケガをさせたり、人のモノを壊してしまったりして法律上の損害賠償義務を負う場合に保険金が支払われます。最近は、示談交渉サービス付きのものが主流になりつつあります。
 
火災保険や自動車保険、傷害保険などの特約として加入するのが一般的です。自転車保険への加入を検討する前に、現在加入している火災保険などの補償内容を確認しましょう。
 
契約者本人だけではなく、家族も含めて補償されるのが特長です。一般的には、本人、配偶者、同居の親族、生計を1にする別居の未婚の子(仕送りを受けている学生など)が補償の対象となっています。
 
補償額は裁判例を参考にすると1億円あればよいでしょう。
 
なお、個人賠償責任保険は、クレジットカードのサービスとして付いている場合がありますので確認してみましょう。
 

TSマーク付帯保険

TSマークは、自転車安全整備店において自転車の点検整備を行い、その自転車が安全な「普通自転車」であることを自転車安全整備士が点検確認し、その証しとして貼るシール(点検整備済証)のことです。青色TSマークと赤色TSマークがあり、補償内容が異なります。
 
このTSマーク付帯保険には、傷害保険と賠償責任保険があり、赤色TS付帯保険マークのみ被害者見舞金が付いています。補償期間は1年です。
 
賠償責任保険の補償限度額は、赤色TSマーク付帯保険が1億円(平成29年10月1日以降貼付のTSマークより)、青色TSマーク付帯保険が1000万円です。加入するのであれば、赤色TSマーク付帯保険にしましょう。
 
傷害補償・被害者見舞金は入院15日以上で、それぞれ一律10万円、死亡・重度後遺症(1~4級)一律100万円となっています。
 
赤色TSマーク付帯保険の場合、賠償責任補償の支払条件は「TSマークが貼付された自転車に搭乗中の人が、第三者に死亡または重度後遺障害(1~7級)を負わせたことにより、法律上の損害賠償責任を負担した場合」となっています。
 
「自転車に搭乗中」「重度後遺症」と、保険会社の個人賠償責任保険に比べ限定的ですので注意しましょう。
 
一方TSマーク付帯保険は、TSマークを貼付した自転車が対象ですので、この自転車に搭乗中であれば、本人だけでなく家族や友人、従業員なども対象となります。
 
しかし、本人であっても、TSマークが貼付されていない自転車搭乗中の事故は補償の対象となりませんので注意しましょう。
 

自転車保険の傷害補償は必要?

自転車事故で加害者になる場合よりも被害者になるケースが多いですが、自転車事故で被害者になった場合、医療保険や傷害保険などに加入していれば、これらでカバーできますので、自転車保険の傷害補償の必要性は高くありません。
 
また、公的医療保険には高額療養費制度がありますので、医療費の経済的負担は軽減できます。
 

自転車保険は必要?

自転車条例で、義務付け、推奨しているのは、自転車事故の相手方の損害を賠償する保険です。他人に損害を与えた場合の賠償責任を果たすだけなら、必ずしも自転車保険に加入する必要はないでしょう。
 
なぜなら、意識していないかもしれませんが、個人賠償責任保険に加入しているケースがあるからです。
 
したがって、まずは個人賠償責任保険に加入しているか確認しましょう。加入していない場合には、自転車保険よりも個人賠償責任保険に加入したほうがよいでしょう。
 
また、自転車事故で自分がケガなどをした場合は、傷害保険や医療保険などに加入していればこれらで補償されますので、自転車保険へ加入する必要はないでしょう。
 
なお、自転車で遠距離通勤や通学をしている場合や、サイクリングが趣味で遠出する機会が多い人は、ロードサービス付きの自転車保険は検討する価値があるかもしれません。
 
Text:新美 昌也(にいみ まさや)
ファイナンシャル・プランナー。

   

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