最終更新日: 2019.01.10 公開日: 2018.05.26
保険

賃貸契約をするときに、すすめられる「火災保険」 加入する必要はあるの?

新社会人になって、初めてひとり暮らしを始めた人も多いと思います。
 
通常、マンションやアパートを借りるときに、勧められるままに火災保険などに加入していると思いますが、なぜ保険に加入しなければならないのかわからない人も多いと思います。
 
あるいは、入るのは当たり前だと思い、疑問すら抱かないかもしれません。
 
賃貸契約をするときに、なぜ、火災保険などにも加入しなければいけないのか解説します。
新美昌也

Text:

Text:新美昌也(にいみ まさや)

ファイナンシャル・プランナー。

ライフプラン・キャッシュフロー分析に基づいた家計相談を得意とする。法人営業をしていた経験から経営者からの相談が多い。教育資金、住宅購入、年金、資産運用、保険、離婚のお金などをテーマとしたセミナーや個別相談も多数実施している。教育資金をテーマにした講演は延べ800校以上の高校で実施。
また、保険や介護のお金に詳しいファイナンシャル・プランナーとしてテレビや新聞、雑誌の取材にも多数協力している。共著に「これで安心!入院・介護のお金」(技術評論社)がある。
http://fp-trc.com/

詳細はこちら
新美昌也

執筆者:

Text:新美昌也(にいみ まさや)

ファイナンシャル・プランナー。

ライフプラン・キャッシュフロー分析に基づいた家計相談を得意とする。法人営業をしていた経験から経営者からの相談が多い。教育資金、住宅購入、年金、資産運用、保険、離婚のお金などをテーマとしたセミナーや個別相談も多数実施している。教育資金をテーマにした講演は延べ800校以上の高校で実施。
また、保険や介護のお金に詳しいファイナンシャル・プランナーとしてテレビや新聞、雑誌の取材にも多数協力している。共著に「これで安心!入院・介護のお金」(技術評論社)がある。
http://fp-trc.com/

詳細はこちら

火災保険とは?

火災保険は、火災や落雷、爆発、風災、雪災などによって建物や家財に損害を被った場合に補償される損害保険です。火災保険では、建物と家財を分けて契約することになっています。
 
アパートなどの借家に住む人は、家財のみ契約することとなります。 建物は大家さんが加入します。
 
なお、家財を契約するとき、高額な貴金属や美術品などを保険会社に知らせないと、保険金が支払われない場合もありますので、注意が必要です。借主が火災保険に加入するのは、火災等によって家財に損害を被った場合に備えるためです。
 

失火の場合、不法行為責任は負わない

自分の不注意で火事になり、自分の居室と両隣の居室が焼けてしまった場合、大家さんや両隣の人から損害賠償を請求される可能性があります。
 
法律上、損害賠償には不法行為に基づく損害賠償と、債務不履行(契約違反)に基づく損害賠償があります。
 
まず、不法行為に基づく損害賠償について見てみましょう。
 
自分と、両隣の人とは何ら契約関係がないので、両隣の人からは不法行為に基づく損害賠償を請求される可能性があります(民法709条)。
 
民法709条では、「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う」と定めています。
 
火災を発生させた借主は、自分の不注意で(「過失によって」)、両隣の人(「他人」)の居室内の財産など(「他人の権利」)を侵害して損害を与えたので、不法行為に基づく損害賠償責任を負うのが原則です。
 
しかし民法709条には、明治時代にできた「失火責任法」という特例があり、通常の過失では不法行為の適用を認めず、失火者に「重大な過失」がある場合に限って責任を負うとされています。
 
つまり、自分の不注意で火事になり、自分の居室と両隣の居室が焼けてしまった場合、その不注意が「重大な過失」でない限り、借主が両隣の人に賠償責任を負う必要はありません。
 
アパートなどでは、人はもらい火に備えて自分で火災保険(家財)に加入しておく必要があります。
 

失火責任法の「重大な過失」とは?

それでは、どのような場合に「重大な過失」が認められるのか、裁判例を参考に見ていきましょう。
 
「天ぷら油の入った鍋をガステーブルにかけたまま、台所を離れて油に引火した」「石油ストーブの横に揮発性・引火性の高いガソリンを、ふたのない容器に入れていたが、その容器が倒れて引火した」「電気ストーブをつけたまま近くで寝て掛布団に着火した」などが考えられます。
 
ただし、これらに該当しても実際「重大な過失」に認定されるかはケース・バイ・ケースです。
 

失火でも、債務不履行に基づく損害賠償責任は免れない

次に大家さんとの関係を見てみましょう。自分の不注意で火事になり、自分の居室と両隣の居室が焼けてしまった場合、不法行為に該当すると同時に、債務不履行(契約違反)にも該当します。
 
大家さんと借家人との間には賃貸借契約が成立していますので、借主には善管注意義務があり、借主の不注意や管理・使用方法の悪さなどが原因で、部屋を汚したり壊したりすれば、債務不履行(善管注意義務違反)として大家さんから損害賠償を請求されることがあります。
 
すでに解説したように、借主に「重大な過失」がなければ、不法行為に基づく損害賠償請求はできません。
 
しかし、「重大な過失」の有無にかかわらず、借主は債務不履行責任に基づく損害賠償を大家さんから請求される可能性がありますので、保険で備えておくことが必要です。
 

大家さんからの損害賠償請求に備えるには

大家さんからの損害賠償請求に備える損害保険に、借家人賠償責任保険があります。通常、借主の加入する火災保険にセットされています。
 
借家人賠償責任保険(借家人賠償責任補償)は、借りている戸室が火災等の事故により損壊した場合、大家さんに対して負担する法律上の損害賠償金を支払う保険です。
 
このような場合、個人賠償責任特約では保険金支払の対象になりませんので注意しましょう。
 
また、大家さんとの賃貸借契約に基づいて借主が修理した費用を補償するものに「修理費用補償」もあります。
 
Text:新美 昌也(にいみ まさや)
ファイナンシャル・プランナー。

   

【PR】あなたの不安をFPに無料相談してみませんか?



▲PAGETOP