公開日: 2019.06.30 相続

空き家を相続したら、どうする? 空き家の実態と相続後の対応

親が亡くなったことで空き家を相続したという人は多いのではないでしょうか?
 
国土交通省「平成26年空家実態調査」によれば、住宅を取得した経緯について、「相続した」が52.3%と半数以上を占め、「新築した・新築を購入した」が23.4%、「中古住宅を購入した」が16.8%という結果となっています。空き家を持っていると、さまざまなリスクが発生します。
 
例えば、空き家から失火した、不審者がいつの間にか住みついた、空き家にある樹木の枝が伸びて隣家に迷惑をかける、など。さらに、固定資産税などの維持コストも発生してしまいます。
 
したがって空き家については、なるべく早く処分するか、賃貸などに活用するかを決断し、実行した方がよいのです。
 
今回は、空き家の実態を振り返り、空き家を相続した場合、どうしたらよいかについて考えたいと思います。
 

空き家の実態

■空き家は20年で約1.5倍に増えている
少子高齢化や人口減少、既存の住宅・建築物の老朽化などにより、空き家が年々増加しています。平成30年の総務省の調査によれば、住宅の総数6242万戸のうち、空き家は846万戸。全国の総住宅数の13.6%が空き家になっており、過去最高の空き家率となっています。この数字は、およそ7軒に1軒が空き家という計算になります。
 
■空き家率がもっとも高いのは山梨県
空き家率を都道府県別で見ると、もっとも高いのが山梨県で、21.3%。これは、5軒に1軒以上が空き家ということになります。次いで、和歌山県が20.3%、長野県が19.5%、徳島県が19.4%、高知県および鹿児島県が18.9%と続きます。
 
空き家率がもっとも低いのは、埼玉県および沖縄県で10.2%。次いで、東京で10.6%、神奈川が10.7%となっています。低いと言っても、10軒に1軒が空き家になっていますので、自分の家の周りに何件も空き家が見られる状況です。
 
■増え続ける空き家
野村総合研究所では、今後も世帯数の減少と総住宅数の増加に伴って、2033年の空き家数は約1955万戸に増加し、空き家率が27.3%まで上昇する見通しを公表しています。
 
2018年の空き家率の約1.6倍以上の数字が予想されており、4軒に1軒以上が空き家になる試算です。地域によっては、自分の自宅や実家の両隣が空き家になる時代がやってくるかもしれません。
 

空き家を相続したらやること

■売却をする
日本は新築志向が強いため中古住宅の流通量が少なく、思ったような価格では、そう簡単に売却ができない状況があります。また、古い建物を解体して更地として売却するには解体費用も必要になりますし、費用をかけても買い手がなかなか見つからないこともあります。
 
したがって、売却をする際には、プロに相談するのもひとつの手です。特に、空き家の売却実績のある不動産会社に相談するのがよいでしょう。
 
■賃貸住宅として活用する
相続した実家などは、そのままでは賃貸にできないケースが多くあります。
 
まず、空き家に残してある家財や荷物の片付け、廃棄、さらにリフォームをする場合は、その費用が発生します。そして、入居してもらうための費用や、貸主としての責任と義務が発生します。また、空室が続けば、維持費用を自分で工面しなければなりません。
 
賃貸をするには、賃貸料の収入だけでなく、費用やリスクなどを総合的に考える必要があります。
 
■自分で住む
自分で住む場合でも、家財や荷物の廃棄費用や自分たちのライフスタイルにあったリフォーム費用も必要でしょうし、引っ越しとなれば引っ越し費用も発生します。現在住んでいる家の処分や、新しく住む場所の交通の便、病院、スーパーが近くにあるかなど、暮らしやすさも考える必要があります。
 
上記のいずれのケースでも、空き家の処分や活用の知見を持った、地方自治体が運営する空き家バンク、不動産会社などに早めに相談することをおすすめします。
 
つい億劫になりそのままにしていると、失火や伸びた樹木の枝などで隣家に迷惑をかけるだけでなく、その処置工数と費用が発生してしまいます。早めの行動を心がけましょう。
 
出典:国土交通省「平成26年空家実態調査 集計結果報告書P.53」
総務省統計局「平成30年住宅・土地統計調査 調査の結果」
野村総合研究所「2030年の住宅市場と課題」
 
執筆者:堀江佳久(ほりえ よしひさ)
ファイナンシャル・プランナー



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