更新日: 2019.07.07 贈与

可愛いけど要注意? 孫と祖父母とお金の話

執筆者 : 下中英恵

可愛いけど要注意? 孫と祖父母とお金の話
共働きのご家庭が増えたことなどにより、子どものお世話をおじいちゃんおばあちゃんに手伝ってもらっているご家庭は、多くいらっしゃいます。父親と母親だけではなく、祖父母にも協力してもらえることは、子育て世代にとって、大変ありがたいことですね。
 
しかし、経済的にも祖父母に頼りすぎてしまうと、後々トラブルになってしまうケースもありますよ。今回は、孫と祖父母の間で確認しておきたい、お金のアレコレについて、詳しくみていきましょう。
 

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下中英恵

執筆者:下中英恵(したなかはなえ)

1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者

“東京都出身。2008年慶應義塾大学商学部卒業後、三菱UFJメリルリンチPB証券株式会社に入社。

富裕層向け資産運用業務に従事した後、米国ボストンにおいて、ファイナンシャルプランナーとして活動。現在は日本東京において、資産運用・保険・税制等、多様なテーマについて、金融記事の執筆活動を行っています
http://fp.shitanaka.com/”

祖父母と孫の関係

第一生命経済研究所が行った調査(※1)によると、孫の母親の依頼で、孫の面倒をみた経験がある人は、祖父のうち59.8%、祖母のうち73.0%となっています。特に、孫と同居している場合や、30分未満に近居する祖父母の場合、面倒をみたことがある方は、8割を超えています。
 
少子化で子どもの人数が減少していることにより、孫一人一人をおじいちゃんおばあちゃんがかわいがってくれるケースが増えてきているようです。また、医療の発達などにより、平均寿命が延び、仕事をリタイアした後も、元気に暮らしている高齢者の方が増えてきています。
 
近くに住んでいる場合はもちろんですが、多少の距離があっても、孫の父親や母親からヘルプがあれば、祖父母が孫に会いに行き、積極的に関わっているご家庭が多いという現状があるようです。
 

お金でトラブルになったことはある?

一方で、祖父母と、孫の父親母親間で、金銭的にトラブルになったり、祖父母が孫にお金を使いすぎてしまうというケースも発生しています。
 
最近では「孫疲れ」という言葉まであるように、息子や娘の家族との関係に悩んでいる祖父母世代の方がいらっしゃいます。これは、孫の父親や母親が、祖父母の生活や経済状況に配慮せず、軽い気持ちで、孫のお世話を頼んでしまっていることが大きな原因です。
 
孫の面倒をおじいちゃんやおばあちゃんに頼む場合は、自分の親だからと甘えずに、まずは感謝の気持ちを伝えることが重要です。金銭的なトラブルを避けるためには、孫の食事代やおやつ代として、お金を渡すことを提案してみてはいかがでしょうか。
 
もし、おじいちゃんおばあちゃんにお金を断られる場合は、誕生日の際に食事に招待したり、一緒に温泉旅行に連れて行ってあげたりと、別の形で、感謝を伝えることが大切ですね。
 

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贈与税の非課税制度

最後に、祖父母と孫において、知っておきたい税金の制度についてご紹介します。一般的に、祖父母から孫に多額のお金を生前贈与すると、「贈与税」がかかります。しかし、自分のお金を孫の教育資金などに役立ててほしいと考えている祖父母の方もいらっしゃるかもしれません。
 
そのような場合は、「祖父母などから教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税非課税制度」を活用するようにしてみましょう。
 
これは、平成25年4月1日から令和3年3月31日までの間に、30歳未満の方(主に孫など)が、教育資金に充てるため、直系尊属(主に祖父母など)からお金を受け取った場合、1500万円までについては、贈与税が非課税となる制度です。
 
この制度を利用する場合は、銀行などの金融機関において、所定の手続きを行う必要があります。
 
非課税制度について、より詳しく知りたいという方は、国税庁のホームページ(※2)をチェックしてみてくださいね。令和3年までの期間限定の制度なので、最近孫が生まれたご家庭などでは、ぜひ一度検討してみましょう。
 
いかがだったでしょうか。自分の孫のことを大切に思い、健やかに幸せに育ってほしいと考えるおじいちゃんおばあちゃんは大勢いらっしゃいます。
 
今回の記事をきっかけにして、経済的にも精神的にも、適切な距離を保ちながら良い関係を築けるように、孫と祖父母のあり方について、ぜひ見直してみましょう。
 
出典
(※1)株式会社第一生命経済研究所 「祖父母による孫育て支援の実態と意識」
(※2)国税庁 「祖父母などから教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度のあらまし」
 
執筆者:下中英恵(したなかはなえ)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者