更新日: 2019.06.13 贈与

住宅購入資金に思わぬ税金が?税務トラブル事例

執筆者 : 新美昌也

住宅購入資金に思わぬ税金が?税務トラブル事例
親から資金の援助を受けたり、夫婦で資金を出し合ったりして、住宅購入資金を準備するケースがあります。このようなケースで贈与税が課される場合があり、思わぬ税負担が生じます。住宅購入資金にまつわる税務トラブル事例の代表的なものについて解説します。
 

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新美昌也

執筆者:新美昌也(にいみ まさや)

ファイナンシャル・プランナー。

ライフプラン・キャッシュフロー分析に基づいた家計相談を得意とする。法人営業をしていた経験から経営者からの相談が多い。教育資金、住宅購入、年金、資産運用、保険、離婚のお金などをテーマとしたセミナーや個別相談も多数実施している。教育資金をテーマにした講演は延べ800校以上の高校で実施。
また、保険や介護のお金に詳しいファイナンシャル・プランナーとしてテレビや新聞、雑誌の取材にも多数協力している。共著に「これで安心!入院・介護のお金」(技術評論社)がある。
http://fp-trc.com/

親から住宅購入資金を借り入れる場合の注意点

親から資金援助を受けることができれば、住宅ローンを少なくできますし、あるいはワンランク上の住宅を購入することも可能になります。親から住宅購入資金を受けるパターンとして、親からの「借り入れ」や「贈与」、「共有」があります。
 
「借り入れ」のメリットとしては、必ずしも土地や建物を担保に入れる必要もなく、金利や返済期間などの条件を自由に決められるなどの点が挙げられます。親としても、老後の資金を失わずに済みます。
 
一方、借り入れ条件を比較的、自由に設定できることから、金利をゼロとするとか、返済について「あるとき払いの催促なし」などとしてしまうと、たとえ借用証書を作ったとしても贈与とみなされる可能性があります。
 
借用書の内容を妥当なものとすることはもちろん、銀行振り込みなどを利用して、返済の証拠を残すことが大切です。
 

親から住宅購入資金の贈与を受ける場合の注意点

親から「贈与」を受けるメリットとしては、「借り入れ」と異なり、返済の義務がない点です。自分の親から住宅資金の贈与を受けた場合、「住宅取得等資金の贈与税の非課税の特例」を利用すれば、まとまったお金の援助を非課税で親から受けることができます。
 
住宅取得の契約年月によって非課税の限度額が異なりますが、たとえば、2019年4月から2020年3月までに一般住宅を取得する場合の非課税限度額は受贈者1人につき700万円(消費税8%)または2,500万円(消費税10%)です。
 
この特例を受けるためには、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までの間に、非課税の特例の適用を受ける旨を記載した贈与税の申告書に計算明細書、戸籍の謄本、登記事項証明書、新築や取得の契約書の写しなどの書類を添付して納税地の税務署に提出する必要があります。
 
住宅取得等資金が非課税となる金額以下の場合でも申告が不要になるわけではありませんので注意しましょう。
 
また、特例を受けるには、さまざまな条件がありますので国税庁のHPなどで確認してください。たとえば、贈与をする人は直系尊属でなければなりません。配偶者の親は直系尊属には含まれませんので、配偶者の親から住宅資金等の贈与を受けても非課税の特例は受けられません。
 
対象となる家屋の床面積は登記簿上50㎡以上240㎡以下、かつ50%以上が居住用のものでなければなりませんが、業者のパンフレットなどに記載されている床面積は通常、登記簿上の床面積ではありませんので、契約前に登記簿上の床面積を確認しておくことが大切です。
 
なお、非課税限度額を超えた金額の贈与を受ける場合は、限度額を超えた額に対して、贈与税の基礎控除(110万円)又は相続時精算課税の特別控除額(2,500万円)を活用することが可能です。
 

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住宅を共有する場合の注意点

親と自分とで資金を出し合って住宅を購入する場合、あるいは、夫婦で資金を出し合って住宅を購入する場合、資金負担に応じた持ち分割合で登記しないと贈与税がかかることがあります。
 
たとえば、夫名義の預貯金から600万円、妻名義の預貯金から400万円、夫名義の住宅ローン3,000万円を組んで4,000万円の住宅を購入したとしましょう。この場合、資金の負担割合は、夫が10分の9、妻が10分の1になりますので、この割合で登記すれば贈与税の問題は生じません。
 
なお、それぞれの持ち分に応じて不動産取得税や固定資産税、都市計画税などの負担が生じます。相続の場合には亡くなった方の持ち分が相続されることになります。
 
※掲載している情報内容に関しては万全を期していますが、その内容の正確性および安全性を保証するものではありません。必ず、事前に税理士などの専門家にご確認の上、実行してください。
 
当情報に基づいて被ったいかなる損害につきましても、情報提供者は一切の責任を負いかねますのでご了承ください。
 
執筆者:新美昌也(にいみ まさや)
ファイナンシャル・プランナー
 

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