所有している不動産によって違う? 相続税の試算と不動産の評価

配信日: 2019.04.08 更新日: 2020.04.06

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所有している不動産によって違う? 相続税の試算と不動産の評価
相続税の試算では、不動産の割合が高い人が多いようです。不動産の評価がどうなるかによって、相続税が大きく変わることを意味しています。まずは自分で、自宅の土地と建物を別々に試算してみましょう!
 
岡田文徳

執筆者:岡田文徳(おかだふみのり)

認知症大家対策アドバイザー

人生100年時代を生き抜くために大家さんの認知症対策と不動産賃貸経営のサポートを行なっている。

祖父が認知症になり、お金が下ろせない、賃貸業はストップ、収益の出ない物件を買わされそうになる。

祖父の死後、両親と認知症対策を行い、自ら賃貸経営ノウハウや人脈を構築し、日々改善している。

現在は、大家さん向けにセミナーやコンサルティングを行なっています。

相続税を試算するときに自宅の土地はいくらで評価されるのか?

まず、相続税を試算するときは、資産と負債を合わせて、評価額を試算することになります。
 
金銭や預金は、そのままの金額で評価されます。一方で、不動産の場合は、特殊な計算方法になります。特に、土地の評価額を試算する場合には、土地の状況に応じて、計算方法が異なります。
 
自宅の場合は、「路線価×敷地面積=評価額」によって、目安の金額を試算することができます。路線価は、自宅の住所から調べることが可能です。路線価を確認するには、「路線価図」を用います。図をみると、それぞれの路線(道路)に数字が記載されています。
 
例えば、「360D」と表記されている場合、この路線(道路)に面する土地は、1平方メートルあたり360×1000円=36万円と評価されていることになります。さらに敷地面積をかければ、自宅の土地全体での評価額を算出できます。
 

変形している土地の評価額はどうなるのだろうか?

自宅の土地が、長方形や正方形でないこともあるでしょう。おそらく、ほとんどの場合、長方形や正方形ではないはずです。この場合、土地の評価額はどのようになるでしょうか?
 
自宅をお持ちであるということは、毎年固定資産税を支払っているはずです。固定資産税納税通知書というものが必ず送られてきます。納税金額しか見たことがない方が多いと思いますが、この書類の中に土地の評価額が記載されています。
 
「課税標準額」と記載されている欄の数字が、土地の価格を表しています。ただし、この金額がそのまま相続税を試算するときの土地の評価額になるわけではありません。
 
次に示す式で計算することが可能です。
 
「固定資産税の課税標準額÷0.7×0.8=相続税における土地の評価額」
 
変形している土地においても、相続税を試算する際の評価額をおおよそ試算することができます。
 
ただし、自宅の場合には、「小規模宅地等の特例」を使うことによって、相続税を試算する際の評価額が下がり、相続税を抑えられる場合があります。詳しくは、税理士にお聞きください。
 

自宅の建物部分は、どのような評価額になるのだろうか?

自宅の建物部分は、建物の相続税の対象となりますので、評価額を試算しておく必要があります。
 
建物の場合も土地の場合と同様に、毎年固定資産税を支払っているはずです。固定資産税納税通知書に「課税標準額」と記載されている欄の数字が建物の価格を表しています。
 
建物の場合の相続税を試算する際の評価額は、土地の場合と異なります。固定資産税納税通知書に記載されている「課税標準額」とほぼ同様であるということです。今まで納税金額しか見ていなかった書類には、非常に重要な情報が記載されていたということです。
 
まとめると、
・固定資産税納税通知書の「課税標準額」を確認する。
・自宅の土地について、相続税を試算する際の評価額を試算してみる。
・土地と同様に建物においても、試算してみる。
・土地については、小規模宅地等の特例が使えるか確認する。

 
出典
国税庁 No.4602 土地家屋の評価
 
執筆者:岡田文徳(おかだふみのり)
認知症大家対策アドバイザー
 

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