亡くなった父の金庫から「100万円」が!→「遺書」がない場合、「相続」はどのように行われる? 相続人の決まり方や「遺産分割協議」はどうなる?
配信日: 2025.06.17

そこ今回は、遺言書がない場合の相続方法や法定相続人の決まり方、遺産分割協議の進め方などついて解説します。

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遺言書がない場合の相続の基本ルール
遺産の分配は、遺言書の内容にしたがって進められることが原則です。被相続人が遺言書を作成していない場合には、まずは相続人間で具体的に誰が何を相続するかを遺産分割協議で決める必要があります。
遺産分割協議の進め方
遺産分割協議では、誰がどの遺産を受け取るかを相続人全員で決定します。協議は原則、全員の合意が必要で一人でも反対すると分割できません。
協議がまとまったら、遺産分割協議書を作成して全員が署名・捺印します。この書面は各財産の名義変更手続き時に必要となる重要な書類です。協議がまとまらない場合は、弁護士などの専門家に調整を依頼するケースも出てくるでしょう。
なお国税庁によると、相続税の申告は「相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内」に行う必要があります。
法定相続人の順位と割合
民法では配偶者は常に相続人となり、そのほかの相続人の法定相続順位は次の通りです。
・第1順位:子ども(子どもがすでに亡くなっている場合には子どもの子どもや孫)
・第2順位:直系尊属(父母や祖父母)
・第3順位:兄弟姉妹(兄弟姉妹すでに亡くなっている場合には兄弟姉妹の子ども)
また、相続人が複数人いる場合の法定相続の割合は次の通りです。
・配偶者と子:配偶者2分の1、子ども(複数人いるときは全員で)2分の1
・配偶者と直系尊属:配偶者3分の2、直系尊属(2人以上いるときは全員で)3分の1
・配偶者と兄弟姉妹:配偶者4分の3、兄弟姉妹(2人以上のときは全員で)4分の1
相続税の計算方法
相続が発生しても必ずしも相続税が発生するとは限りません。相続税には基礎控除額があり、国税庁によると次の式で計算されます。
・相続税の基礎控除額:3000万円+(600万円×法定相続人の数)
相続人が配偶者と子ども2人の計3人の場合を上記計算式に当てはめると基礎控除は4800万円です。相続する遺産の合計が4800万円以下であれば相続税は発生しません。
遺産分割協議で相続割合を決める
遺言書がない場合、相続人全員で遺産分割について話し合う必要があり、これを遺産分割協議といいます。遺産分割協議がスムーズに進めば問題ありませんが、相続人間で意見が対立すると話し合いに時間がかかる可能性も考えられます。
なお、相続が発生しても必ずしも相続税が発生するとは限りません。相続税には基礎控除額があり、それ以下であれば相続税は発生しないとされているためです。
今回ご紹介した基礎控除額の計算方法を基に、ご自身のケースで相続税が発生するかどうかを把握しておくと思わぬトラブルや納税リスクを避けられることもあるでしょう。相続が発生する前の資産の把握など家族との情報共有をしておくと安心です。
出典
国税庁 B1-2 相続税の申告手続
国税庁 No.4132 相続人の範囲と法定相続分
国税庁 No.4152 相続税の計算
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー