親からの仕送りで生活している大学生です。私にも「贈与税」はかかりますか?

配信日: 2025.06.14

この記事は約 4 分で読めます。
親からの仕送りで生活している大学生です。私にも「贈与税」はかかりますか?
親からの仕送りで生活している大学生がSNSなどを見て、「これって贈与税の対象になるの?」と疑問に思うことがあるようです。親からの仕送りという形でお金を受け取っている場合、それはどう扱われるのでしょうか?
 
この記事では贈与税の仕組みと、仕送りが課税対象となるケースについて解説します。
柘植輝

行政書士

2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。
広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

贈与税の基本的な仕組み

贈与税とは、個人間で財産を受け取った場合に課される税金です。ただし、年間110万円までは「基礎控除の範囲内」として非課税となっており、そこを超える贈与が対象となります。
 
そして、それは親から子どもへの財産移転も例外ではありません。特に親から子への贈与は、相続税の課税を防ぐために意図的になされるケースもあるため、近年は税務署も注視しているようです。
 
なお、ここでいう「基礎控除の額」は1回あたりの贈与ではなく、年間での合計額です。複数回に分けて贈与を受けても、1年間(1月1日~12月31日)で贈与を受けた合計金額が110万円を超える場合、超えた分に対して贈与税が課されます。
 

親からの仕送りが贈与税の対象とならない場合・なる場合

親からの仕送りも、法律上は「贈与」に該当します。しかし、すべての仕送りが課税対象となるわけではなく、その用途や金額によって扱いが異なります。
 
今回のケースでいうと、例えばその仕送りが家賃や学費、光熱費など、学生生活を送るために必要な費用であれば「扶養義務に基づくもの」として贈与税の対象となりません。
 
ただし、そういった名目で仕送りがなされたとしても、その額が一般的に比して過大だと判断されれば贈与税が課税されてしまいます。
 
例えば、生活費が13万円であるにもかかわらず、生活費として40万円もの額が毎月贈与されている場合や、学費が100万円であるにもかかわらず200万円も贈与されている場合は、贈与税が課税される対象となる可能性が高いです。
 
とはいえ、基本的に学生生活を送る上で必要な金額であれば贈与税はかからず、多くの学生は年間110万円以上の仕送りを受けても贈与税が生じることはないので、安心してください。
 

もし課税対象となる場合はどうすればよい?

もし、贈与税が発生する場合はどうすればよいのでしょうか。
 
その場合は、翌年2月1日から3月15日までの間に前年に贈与を受けた額で贈与税を計算し、申告・納税しなければなりません。仮に学生生活に必要なお金以外で、年間500万円の贈与を20歳の方が両親から受け取った場合、贈与税の額は48万5000円となります。
 
贈与税の申告と納税は、原則として贈与を受けた方の住所地を管轄する税務署宛てに行います。令和6年に受けた贈与の場合、令和7年2月3日から3月17日までに行うこととなります。
 
その際は国税庁の「確定申告書等作成コーナー」というWEBサイト上で行うことがおすすめです。本来であれば、確定申告の際は紙の申告書に記載し、自分自身で税額を計算しなければなりません。
 
しかし「確定申告書等作成コーナー」では、画面に表示される案内に沿って入力をするだけで、自動的に税額の計算と申告まで行うことができます。
 
また、電子納税を活用することで、自宅にいながらそのまま納税まで完了することもでき、非常に便利で間違う可能性の少ない方法です。詳細については国税庁のホームページを参考にしてください。
 

まとめ

親からの仕送りは、基本的に生活費や学費として使われる場合、贈与税の課税対象外となります。
 
そのため、税金について気にする必要はないでしょう。しかし、過剰な金額や目的外の使用があると、その額のうち年間で110万円を超える部分については、贈与税が発生する可能性があるため、注意が必要です。
 
もし、仕送りが贈与税に該当しないか不安なのであれば、仕送りの使い道や金額について親と話し合い、必要に応じて税務署や税理士などの専門家に相談してみてください。
 
執筆者 : 柘植輝
行政書士

  • line
  • hatebu
【PR】
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集