更新日: 2019.07.03 相続税

【相談実例】「相続が不安。ライフプランを考えたい」(3)

執筆者 : 宮﨑真紀子

【相談実例】「相続が不安。ライフプランを考えたい」(3)
「65歳からのライフプラン」の3回目です。ライフプランやキャッシュフロー表、さらには資産一覧表を作成することで、これまで漠然としていたシニアライフがイメージしやすくなったと思います。この先大丈夫? という不安を、ある程度は払しょく出来たのではないでしょうか。
 
今回と次回のテーマは、その先にある相続問題です。人生が長くなったのだから今考えなくても良いのでは? という方も、“備えあれば憂いなし”ということで、知っておくと安心です。
 

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宮﨑真紀子

執筆者:宮﨑真紀子(みやざき まきこ)

ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士

大阪府出身。同志社大学経済学部卒業後、5年間繊維メーカーに勤務。
その後、派遣社員として数社の金融機関を経てFPとして独立。
大きな心配事はもちろん、ちょっとした不安でも「お金」に関することは相談しづらい・・・。
そんな時気軽に相談できる存在でありたい~というポリシーのもと、
個別相談・セミナー講師・執筆活動を展開中。
新聞・テレビ等のメディアにもフィールドを広げている。
ライフプランに応じた家計のスリム化・健全化を通じて、夢を形にするお手伝いを目指しています。

少子化で相続人の数も減少

基礎控除額の引き下げが行われて以来、相続税を気にしている人は多いです。5,000万円+1,000万円×法定相続人の人数であったものが、3,000万円+600万円×法定相続人の人数になったのですから無理はありません。
 
妻と子供2人の計3人が法定相続人の場合、4,800万円が基礎控除額となります。特に首都圏では地価が上がっています。「このエリアに持ち家がある人は相続税が心配」といった雑誌の特集もありました。今後対象者は増えると考えられます。というのも少子化が進み“ひとりっ子”も多く、法定相続人の人数は少なくなっています。
 
“相続財産に占める不動産の割合が多くて相続税を払えない”という理由で、不動産を売却することになった例は多いです。リバースモーゲージやリースバックなど、不動産を利用して自宅に住み続ける制度もありますが、早い段階で相続が発生した時の準備をしておくと、相続税対策の選択肢を増やすことができます。
 

自宅の評価額はいくら?

Sさん(58歳)は夫(65歳)と息子(26歳、会社員)の三人暮らしです。ご夫婦の老後の資金計画は目途がついたので、相続に関することも知りたいとのご相談がありました。
 
まず確認したいのは、不動産の評価額です。Sさんは築26年のマンションに住んでいます。今後もずっと住み続けるかどうかは分かりませんが、実勢価格とも固定資産税評価額とも違うと聞いているので、相続税評価額の算出方法を知っておきたいとのことでした。
 
【不動産の相続税評価額の算出方法】
 宅地:相続財産評価額の算出は国税庁のホームページにある路線価で評価します。
     国税庁 財産評価基準書
     例えば300Dとあるのは、300千円つまり30万円です。(Dは借地権割合)
    評価額=正面路線価×奥行価格補正率×面積
    普通住宅地区における奥行18mの場合、奥行価格補正率は1.00です。
    路線価30万円なら マンションの場合は
    30×1.00×マンション全体の敷地面積×持分比率 となります。
 建物:評価額=建物の固定資産税評価額
    固定資産税の納付書類で確認することができます。
 
宅地の評価に関しては、Sさんの場合、現在居住していて330平方メートルまでなので、小規模宅地の減額を受けることができます。減額率は80%ですので、大幅に評価を下げることになります。この減額を受けるには、相続税の申告書を提出する必要があります。
 
また、将来Sさん夫婦が亡くなり、マンションを引き継ぐ時に息子さんが別居していたとしても、要件を満たせば減額の適用が受けられる場合がありますので、制度の確認をお勧めします。
 
土地の評価については、もうひとつ補足しておきたいことがあります。路線価を用いて評価額を算出する方法については上記のとおりですが、実際の土地は、面積は同じでも形状は色々です。整った土地でない場合は、算式に「不整形地補正率などの各種画地補正率」を加味して求めます。
 
実際に相続が発生した時は、相続に詳しい税理士に相談することをお勧めします。
 
【ワンポイントアドバイス】
相続制度見直しの民法改正で「配偶者の居住権」が認められるようになりました。相続はいつ起こるか分かりません。「現行の制度はどうなっているのか」関心を持つことは大事だと思います。
 
執筆者:宮﨑真紀子(みやざき まきこ)
相続診断士
 

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