更新日: 2024.09.14 贈与
実家暮らしの娘に「月10万円」も家に入れてもらっています。貯金して老後に返す予定ですが税金はかかってしまうのでしょうか?
その際に、実家に生活費としてお金をわたす方もいますが、親としては、もし余裕があれば、老後に受け取ったお金を少しでも子どもに返すことを考えるかもしれません。そこで本記事では、家族間での贈与や税金について見ていきましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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子どもからの生活費を受け取ったら贈与税の対象になる?
実家暮らしの娘から、月10万ほど受け取ったとしています。この場合の税金について、見ていきましょう。
贈与税は、年間110万円までが非課税です。この金額を超えると税金を納める必要が出てきます。つまり月10万円を実家に入れると120万になり贈与税の対象になり得ます。しかし例外として、夫婦や親子、兄弟から生活費・教育費に充てるもので通常必要とされるものであれば非課税と認められます。この生活費とは、その人にとって通常の日常生活に必要なものをいいます。
そのため月10万、年間120万を生活費として実家に納めた場合でも贈与税の対象とみなされない可能性が高いです。
ただし、生活費という名目で実家にお金を納めた場合でも、それを預金したり、株式や不動産の購入に充てたりすると、贈与税がかかりますので注意が必要です。
老後にお金を返す場合、娘名義の口座なら税金はかからない?
前述のように、子どもにお金を返すために貯金してしまうと贈与税が発生しますが、できれば税金は払いたくないものです。今回のように娘名義の口座にお金を返す場合は、税金が発生するのでしょうか。その点について、解説します。
結論からいうと、娘名義の口座に貯金していたとしても贈与とみなされる場合があります。「名義預金」とよばれ、代表的なものは夫から受け取った生活費をへそくりした場合や、祖父母が孫名義で貯金した場合などです。
税法においては、「実質的に誰の財産で、誰から誰に動いているか」という考え方になるため、直接、子どもの口座に返すとしても贈与税が発生しますので注意しましょう。
税金を支払わず子どもに返すには
税金対策をしつつ、子どもにお金を返すのであれば贈与税の110万円の非課税枠内で返していくのがよいでしょう。ただし、毎年決まったお金を返すと定期贈与とみなされ課税される場合があるので注意しましょう。
ほかにも、相続時精算課税制度を利用することを検討しましょう。ただし、相続時精算課税制度は複雑な制度なので、必ず専門家に相談してから贈与を開始しましょう。
すぐに子どもが大きな金額のお金が必要ないのであれば、相続まで待つのも手段になり得ます。相続税は、基礎控除額が3000万円+(600万×法定相続人の数)と贈与税に比べると非課税枠が大きいです。両親が亡くなるまで大きなお金が必要ないのであれば、税金面では有利といえます。
お金が動くときには税金がかかる場合が多いですが、可能なかぎり納めたくないものです。非課税枠を把握すれば、税金の支払いを抑えることができることを覚えておくとよいでしょう。
出典
国税庁 No.4402 贈与税がかかる場合
国税庁 No.4405 贈与税がかからない場合
国税庁 No.4103 相続時精算課税の選択
国税庁 No.4102 相続税がかかる場合
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー