更新日: 2024.09.13 贈与
子どもの1人暮らし費用に「300万円」を、子ども名義の通帳に貯めました。そのまま渡すと「税金がかかる」って本当ですか? 非課税にはできないのでしょうか?
しかし、通帳をそのまま子どもに渡すと税金がかかってしまう恐れがあるため、注意が必要です。思わぬところで税金がかかってしまうともったいないので、注意点を理解しておくとよいでしょう。
そこで本記事では、子ども名義の通帳を渡す際の注意点について解説していきます。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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子ども名義の通帳だったとしても贈与にあたる場合がある
個人から財産を受け取った際にかかる税金が贈与税です。受け取った財産の金額によって税率が決まり、一般的に10%以上かかってしまいます。受け取った財産の10%も税金を支払わなければいけないので、できれば税金がかからずに財産を受け取りたいと思う人は多いでしょう。
もっとも、贈与税には控除があるので受け取った財産が控除内であれば、税金を支払う必要はありません。贈与税の基礎控除は年間110万円です。1月1日から12月31日までの1年間に受け取った財産が対象となっています。
事例の場合は「300万円が貯まっている子ども名義の通帳」を渡すことが贈与にあたるのかが問題です。贈与にあたるのであれば基礎控除の110万円を差し引いた190万円が贈与税の対象となります。
名義が子どもになっている通帳を渡しているだけなので、贈与にあたらないように思う人は多いでしょう。しかし、親のお金を受け取っているので「個人から財産を受け取った」と考えられます。そのため、事例の場合は贈与にあたり贈与税がかかる可能性があります。
贈与税の対象とならない場合
事例では贈与税の対象となる可能性がありますが、贈与税がかからない場合があります。まず考えられるのが年間110万円以下で子ども名義の通帳に入金し、その都度贈与の契約書を作成する方法です。
贈与は年間110万円以下であれば贈与税がかかりません。しかし、毎年定期的に贈与をしていると「数年間にわたり毎年一定額の贈与をする」といった定期贈与にあたるとみなされる場合があります。
例えば、毎年50万円を10年にわたって贈与する、といった契約です。この場合は、1年間の贈与は110万円以下ですが、「10年間にわたって贈与を受ける契約」となるので500万円が贈与されたことになります。
このことから、毎年贈与契約を結び、契約書を作成することが重要です。定期贈与にあたらないことを証明できるので、基礎控除内であれば贈与税の対象となりません。
また、両親や兄弟姉妹、夫婦といった扶養親族から受け取った生活費や教育費に充てるための必要な財産であれば贈与税はかかりません。この場合の注意点としては、あくまで日常に必要な費用であることです。生活費や教育費以外の目的で使用した場合は贈与税の対象となる可能性があります。例えば、余ったお金を貯蓄したり、遊ぶお金として使用したりした場合です。
受け取り方や使い方を理解しておきましょう
贈与は子どもにとって助けになるものですが、受け取り方や受け取った後の使い方によって税金がかかる場合があります。そのため、贈与税の対象とならない受け取り方や使い方を理解することが大切です。
財産を子どもに渡す場合は、親と子どもで贈与について理解を深めることをおすすめします。
出典
国税庁 No.4402 贈与税がかかる場合
国税庁 No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
国税庁 No.4402 贈与税がかかる場合
国税庁 No.4405 贈与税がかからない場合
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー