更新日: 2024.09.27 相続税
38歳で「持ち家」取得済み、実家は築40年の地方の戸建てです。母が亡くなったら「家」を相続しなければいけないのでしょうか? 正直“相続税”がもったいないと感じてしまいます
本記事では、家や土地の相続を受ける場合にかかる費用について解説します。費用負担を回避するための方法も紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
相続税とは何か?
相続税とは、亡くなった本人が持っている財産を相続するときに、受け取る相続人が支払う税金です。現金や預貯金だけでなく、土地や建物などの不動産も相続財産になります。
相続税の計算は、はじめに相続財産の総額を算出し、法定相続分によって相続人それぞれに割り振った相続税額を計算したのち、控除額を差し引いて求めます。
子どものみの相続は相続人の負担が大きい
そもそも相続税は大きな金額となることが多いですが、片方の親が既に亡くなっていて、子どものみで相続する場合は特に負担が大きくなるため注意が必要です。主な理由を3つ紹介します。
基礎控除が減る
基礎控除とは、相続財産の総額から一律3000万円と600万円×相続人数で算出される額を差し引く控除です。亡くなった人に配偶者がいない場合は、相続を受ける人が1人減り、600万円課税される相続財産の総額が増えます。
配偶者の軽減が適用されない
配偶者には、上限1億6000万円まで非課税になる税額軽減措置があります。子どもだけの相続の場合は、この税額軽減措置が使えず、相続税の負担が大きくなります。
小規模宅地等の特例が使えない場合がある
小規模宅地等の特例とは、亡くなった人が居住していた土地を相続する場合、配偶者や子どもが一緒に住んでいる、または相続開始前の3年間に借家住まいであった場合に、土地の評価額が80%減となり、相続財産の額を抑えられる制度です。
しかし、子どもが既に持ち家を取得して、相続開始前の3年間持ち家に住んでいた場合は、この制度を利用できません。
家を相続すると相続税以外にも費用がかかる
家を相続すると先ほど紹介した相続税の負担だけでなく、ほかにも費用がかかります。主に下記の2つがあげられます。
固定資産税
固定資産税は、土地や建物などの資産価格に応じて市町村が課税する税金です。毎年1月1日時点の所有者に対して課税されるため、相続によって土地や建物を取得した場合は、固定資産税を納める必要があります。
維持費
空き家のままで放置すると老朽化による倒壊リスクなどが考えられるため、定期的にメンテナンス費用がかかってきます。また、万が一火事の火元になった場合、損害賠償を求められる可能性を考慮し、火災保険に加入する必要も出てきます。
住む予定のない家の費用負担を避けるための方法
家を相続すると一定の費用がかかることが分かりました。このような費用負担を回避するための対処法をみてみましょう。
相続放棄を選択する
相続放棄とは、相続の権利を放棄して相続人から外れることです。相続人全員の合意がなくても、手続きをすれば本人の意思で決めることが可能ですが、家以外にも相続財産がある場合は、本来相続できる財産も全て受け取れなくなることに注意が必要です。
ほかの親族に相続してもらう
遺産分割協議で相談して、家の相続を別の相続人に任せる方法です。相続人それぞれの考えもあるので、合意に至らないリスクがあります。早めに相続財産を把握して協議を開始した方が良いでしょう。
相続後に売却する
家や土地に資産価値がある場合、相続した後に売却するという方法が考えられます。売却すれば固定資産税や維持費はかかりませんが、人気のないエリアの場合は売れるまで時間がかかることもあり得ます。
生前に売却する
亡くなる前に家を売って現金化しておくことで、固定資産税や維持費などが不要になり、資産価値が分かりやすくなり、遺産分割協議も行いやすくなるでしょう。一方、慣れ親しんだ家を売却する親の心情のフォローや、売却後の居住先の確保など、いろいろな面からケアが必要な方法です。
家の資産価値を把握して事前に対応を考えよう
両親ともに亡くなった場合、実家である建物や土地は相続財産として子どもに相続されます。相続税がかかるだけでなく、固定資産税や維持費などのコストもかかるため、住む予定がない場合は相続財産の資産価値を把握して、早めに対応を検討しておきましょう。
出典
東京都主税局 固定資産税・都市計画税(土地・家屋)
総務省 固定資産税
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー