更新日: 2024.09.06 贈与
両親が孫の高校費用「200万円」を援助してくれることに! 高額なので「税金」がかかるのではないか不安なのですが、“非課税”で受け取る方法はあるのでしょうか…?
今回は人から贈与を受けた際にかかる税金「贈与税」について解説するとともに、税金がかからずに教育資金を受け取る方法を解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
年間110万円を超える場合には贈与税が課税される
贈与税とは、個人から財産を得たときに発生する税金です。贈与税の課税方法は「暦年課税」と「相続時精算課税」の2種類ありますが、「相続時精算課税」は一定の要件を満たした場合のみ選択できるとされているため、基本的に「暦年課税」が適用されます。
暦年課税とは、その年の1月1日から12月31日までの1年間に贈与を受けた財産の合計額から110万円を差し引いた残りの額に対して課税される方式です。したがって、1年間に贈与を受けた財産の合計額が110万円以下なら、暦年課税による贈与税はかかりません。しかし今回のように200万円を受け取った場合は、基礎控除110万円を除く90万円に対して贈与税の課税対象となります。
税金がかからないようにするための方法とは?
もし110万円を超えた金額を教育資金として受け取った場合、課税対象とならずにうまく全額活用する方法はないかと考える人もいるかもしれません。その場合は「教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税制度」の活用を検討してみましょう。
この制度は「30歳未満の人に対して送る教育資金が1500万円までなら非課税になる」という制度です。使用用途は以下のようなものが認められています。
・学校などに対して支払わる入学金や授業料、保育料などの学校関係の支出
・学用品購入や修学旅行費
・学習塾やスポーツなどの施設使用料や教養向上
・通学定期券代、留学の渡航費
学校以外での教育の場における費用も対象となります。例えば高校の授業費100万円、修学旅行費50万円、通学定期券代3万円、学習塾の授業料40万円、制服などの学用品購入7万円といった用途に使うのであれば、贈与税がかからないのです。
教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税制度を利用する際の流れとは?
教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税制度を利用する際の流れは以下の通りです。
・教育資金非課税報告書を提出し、銀行で教育資金口座を開設
・贈与されたお金を教育資金口座に預け入れる
・学校機関などに教育資金を支払ったら1年以内にその領収書を金融機関に提出
・支払った分の教育資金を同口座から引き出せる
金融機関との契約が必要で、まず自分で支払い後に領収書を提出してから資金を引き出すことになるなど、手続きが面倒ではありますが、子どものために親など直系尊属から受け取ったお祝い金を全額有効に使えます。
または教育費を引き出して支払ったのち、支払い翌年の3月15日までに領収書を金融機関に提出するという方法もあります。ぜひ税制で優遇されているこの制度を活用してみましょう。
節税するなら「教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税制度」を活用しよう
今回は贈与税と教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税制度について解説しました。祖父母から高額の教育資金の援助をもらった場合、課税対象となることなく全額を教育資金に充てたいと思う人は多いでしょう。
その際には「教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税制度」を活用することで、全額を利用することができます。銀行との契約が必要で、手続きを手間に感じる可能性はありますが、ぜひ活用を検討してみましょう。
出典
国税庁 No.4402 贈与税がかかる場合
国税庁 No.4510 直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税
国税庁 祖父母などから教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度のあらまし
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー