更新日: 2024.01.28 贈与
いつ死ぬかわからないため孫に多くの「お小遣い」を渡してあげたいです。いくらまでなら「贈与税」がかからないですか?
本記事では、祖父母から孫へお小遣いを渡した際に、贈与税が課せられるケースと、課せられないための方法を紹介します。また、孫が受け取ったお小遣いを有効的に使えるように、お金の教育にも触れていきます。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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孫へのお小遣いは年間110万円以下なら贈与税がかからない
贈与税がかかるのは、1月1日~12月31日までの1年間に、1人で受け取った贈与額から、基礎控除額の110万円を差し引いた残りの金額に対してです。そのため、祖父母から孫にお小遣いを渡していたとしても、年間110万円以下であれば、贈与税はかかりません。
年間110万円以上でも贈与税がかからないケース
原則、年間110万円以上の贈与には税金が課せられます。祖父母から18歳未満の孫へお小遣いを渡す場合に該当するのは、一般贈与です。税率と控除額は以下のとおりです。
課税価格(基礎控除後) | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
200万円以下 | 10% | ― |
300万円以下 | 15% | 10万円 |
400万円以下 | 20% | 25万円 |
600万円以下 | 30% | 65万円 |
1000万円以下 | 40% | 125万円 |
1500万円以下 | 45% | 175万円 |
3000万円以下 | 50% | 250万円 |
3000万円超 | 55% | 400万円 |
※参考リンクを基に筆者が作成
しかし、一定の条件を満たすと、年間110万円以上でも贈与税がかかりません。例えば、扶養義務者から生活費や教育費に充てるために受け取った財産です。生活費とは、受取人である孫が通常の日常生活に必要な費用を指します。治療費や養育費そのほか、子育てに関する費用も該当します。教育費とは学費や教材費、文具費などです。
そのため、祖父母が孫の学費や教材費、文具を購入する資金としてお小遣いを渡している場合は、年間110万円以上でも贈与税がかかりません。
祖父母が渡したお小遣いを孫がうまく活用するために
ここでは、祖父母から孫へ渡したお小遣いを、孫自身が有意義に使えるようにするためのポイントを紹介します。子どもが金銭感覚を養うためには、親も協力してお金の勉強をする必要があります。
お小遣い帳をつける
お金を有効活用できるようにするためには、子ども自身にお小遣い帳を記帳する習慣をつけてもらいましょう。
子どもにお金の価値や重要性を気づかせるには、お金の流れを見せることが大切です。お小遣い帳をつけると、自分が何にいくら使ったのかを振り返れます。また、お金が足りなくなったときに、何に無駄遣いしてしまったのかを、自分で気づくことが可能です。
両親が家計簿をつけるタイミングで一緒に作業をすると、子どももまねして実行しやすく、習慣づけができるでしょう。まずは、お小遣い帳でお金の流れを知る方法が身に付きます。
電子マネーの利用方法を教える
近年、現金だけではなく、電子マネーの利用も当たり前の時代です。そのため、自分のお金の流れを把握できるようになり始めたら、電子マネーの使い方もレクチャーしましょう。早いうちから、お金の流れの把握と一緒に、電子マネーの適切な使い方を身に付けておけば、使い過ぎも防げます。
現金とは異なり、形がない電子マネーはお金を使っている感覚が湧きにくく、大人でもつい使いすぎてしまうことがあるでしょう。最初は交通費のみに使用するとか、習い事の日のジュース代だけに使うなどのルールを決めて、管理の仕方を学んでいきます。
祖父母から孫へのお小遣いは年間110万円以下に
祖父母から孫へ、お小遣いを渡す際に注意したいことが贈与税です。お小遣いを渡していても、年間110万円以下であれば、贈与税は課せられません。しかし、年間110万円を超えてしまうと贈与税が課せられるため、注意しましょう。
また、年間110万円を超えている場合でも、贈与の目的が生活費や教育費に充てるためであれば、贈与税の支払い義務はありません。祖父母から孫へ渡したお小遣いを有意義に使ってもらうためにも、両親や祖父母は、子どもが小さいうちからお金の教育をすることが大切です。
出典
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)
No.4405 贈与税がかからない場合
No.4402 贈与税がかかる場合
No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー