毎年「100万円」くれていた祖父が亡くなった場合、「法改正で税金がかかる」って本当ですか?「年110万円」以内に抑えていたのになぜでしょうか…?

配信日: 2024.01.26

この記事は約 3 分で読めます。
毎年「100万円」くれていた祖父が亡くなった場合、「法改正で税金がかかる」って本当ですか?「年110万円」以内に抑えていたのになぜでしょうか…?
現金をはじめとする財産を受け取った場合に注意したいのが「贈与税」です。贈与税は税率が高いため、財産を受け取ったとしても損をしてしまう可能性があります。ただ、贈与税には基礎控除があるので、受け取り方や受け取る金額を考えることで税金がかからないようにすることができます。
 
しかし、2024年1月から贈与税の税制改正が施行され、思わぬことで税金がかかってしまう可能性が出てきました。そこで本記事では、これまでの贈与税について解説するとともに、2024年からの税制改正の注意点について紹介していきます。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

日々の生活における、お金にまつわる消費者の疑問や不安に対する解決策や知識、金融業界の最新トレンドを、解りやすく毎日配信しております。お金に関するコンシェルジェを目指し、快適で、より良い生活のアイディアを提供します。

毎年100万円を受け取る場合は税金がかかる可能性も

個人から財産を贈与された場合、受け取った人には贈与税がかかる可能性があります。贈与税には110万円の基礎控除があり、その年の1月1日から12月31日までの1年間で受け取った財産が110万円までであれば贈与税はかかりません。110万円を超えた場合は、超えた部分について贈与税が発生します。
 
このことから、「年に100万円を祖父から受け取っていた場合」には基礎控除の110万円未満なので贈与税はかからないことになります。
 
しかし、毎年100万円を受け取る場合は注意が必要です。年間100万円を受け取る贈与契約を毎年結ぶ場合は問題ありませんが、10年の間に毎年100万円ずつ贈与する契約を結んでいると定期金給付契約とみなされてしまい、贈与税を支払わなければいけません。
 
受け取り方や受け取る金額によっては税金がかかってしまう可能性があるので、財産を受け取る場合はじゅうぶんに注意するようにしてください。
 

これまでの贈与と相続

また、贈与は相続にも関わってくる場合があります。それは贈与者(贈与をする人、もしくはした人)が亡くなった場合です。贈与者が亡くなると相続となりますが、相続の開始前に贈与された財産がある場合は贈与された際の価額が相続財産に加算されるのです。
 
2023年までは相続開始の前から3年以内の贈与された財産が相続税の対象となっていました。例えば、3年の間に祖父から100万円ずつ贈与を受けていた場合、贈与税はかかりませんが祖父が亡くなってしまうと亡くなる前の3年間に贈与された300万円が相続財産とみなされてしまうということです。
 

2024年からは3年から7年に延長!

2024年1月から贈与税と相続税について税制改正が施行されました。この改正によって前述の相続開始前に贈与された財産が相続財産に加算される期間が、3年から7年に延長されます。
 
これまで相続財産に加算されなかった期間も対象になるので、贈与税としては税金がかからなかった場合でも相続税がかかる可能性があり注意が必要です。7年前までさかのぼって財産を確認することになるため、生前贈与をしにくくなったといえます。
 
しかし、今回の改正では延長された4年間については総額で100万円までは加算の対象にならないようになっています。総額100万円を超えた部分については相続財産に加算されることを覚えておきましょう。
 

現行と何が変わったのかを確認するようにしましょう

相続税がかからないように、財産を生前に贈与することは税金対策として有効でしたが、今後は難しくなることが予想されます。また、110万円の基礎控除を考えて財産を受け取っていたとしても相続税が思わぬ形でかかる可能性が出てきました。
 
法改正は不利益になる場合もあるので、現行と何が変わったのかを確認するようにしましょう。
 

出典

国税庁 No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
国税庁 No.4402 贈与税がかかる場合
国税庁 令和5年度相続税及び贈与税の税制改正のあらまし
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

0
役に立った
役に立った
0
学びがある
学びがある
0
面白い
面白い
PR
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集