更新日: 2024.01.20 贈与

高校生の息子の貯金箱に「100万円」が!「お年玉で貯めた」と誇らしげですが、親としては「税金」が心配です。いくらかかるでしょうか…?

高校生の息子の貯金箱に「100万円」が!「お年玉で貯めた」と誇らしげですが、親としては「税金」が心配です。いくらかかるでしょうか…?
子どもにとってお正月にもらえるお年玉は特別なお小遣いですよね。18歳になった息子が見せてきた貯金箱には100万円が。小学生の頃から10年間で貯めたと誇らしげですが、親としては贈与税などがかからないのか心配です。
 
本記事では、10年間で貯めた100万円に贈与税がかかるのかや、どのような基準で課税されるのかを解説します。

100万円のお年玉には贈与税がかかる?

結論からいうと、10年間で貯めたお年玉100万円に贈与税は課税されません。通常、誰かから現金や財産を贈られた場合は、贈与税を支払わなければなりません。この税金は、受け取った贈与が一定の額を超えた場合にのみ発生します。
 

贈与税がかかるのは年間110万円を超えてから

贈与税がかかるのは、1年間で受け取った金額が110万円を超えた場合です。
 
例えば1人の人から1万円ずつ、10人にお年玉をもらうと年間10万円です。それを10年間貯めると100万円になりますが、これは贈与税がかかる基準である110万円以下であり、期間も10年間の合算であることから相続税の対象となりません。
 

そもそもお年玉に贈与税はかからない

お年玉は、人からお金をもらうという性質から贈与税の対象となります。
 
しかし国税庁は「個人から受ける香典、花輪代、年末年始の贈答、祝物について、社会通念上相当と認められるものについては、贈与税を課税しないことに取り扱う」と示し、例外として非課税の扱いとしています。
 
したがってお年玉は年末年始の贈答にあたるため、課税対象とならないのです。ここで気になるのが「社会通念上相当と認められるもの」という基準ですが、どこまでが社会通念上相当となるのか、明確には示されていません。
 
個々の経済状況や、あげる人と受け取る人との関係性などを含め、一般的に常識と考えられる金額を個々に判断する必要があるかと思います。迷った場合は税務署に相談することをおすすめします。
 
本事案については、少額のお年玉であることに加え、年間110万円を超えていないため、贈与税はかからないと考えて問題ありません。
 

贈与税がかかるケース

10年間でお年玉を貯金箱に100万円貯めていた場合には贈与税はかかりませんが、他の条件が加わると、贈与税の対象になる場合があります。
 

お年玉と合算すると年間110万円を超える場合

お年玉以外にもらった金額と合わせると110万を超えた場合、贈与税がかかる可能性があります。
 
例えば、18歳の時にもらったお年玉が10万円で、さらに成人のお祝いとして父母から18歳にちなんで180万円、祖父母から100万円の高級時計をもらった場合、その年の合算金額は290万円です。
 
成人祝いは先述した国税庁が非課税とする条件の「祝物」にあたりますが、祝い金の280万円という金額がこの家庭の状況を考慮した結果「社会通念上相当」と判断されない可能性があります。
 
その場合、年間110万円を超えるため、図表1のとおり贈与税が課されます。
 
図表1
 

 
国税庁 贈与税の速算表【特例贈与財産用】
 

●290万円-110万円(基礎控除)=180万円
●180万円×10%(税率)=18万円

 

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まとめ

子どもが10年間かけて貯金箱に貯めた100万円には原則として贈与税はかかりません。お年玉は国税庁が非課税と定めている年末年始の贈答にあたるほか、贈与税の課税条件である年間110万円にも届いていないからです。
 
しかし、お年玉以外の贈り物を合算して年間110万円を超えた場合には課税される可能性があります。せっかく子どもが貯めたお金から、税金を支払うことは気の毒ですので、しっかり贈与税の知識をつけておくことが望ましいでしょう。
 

出典

国税庁 財産をもらったとき

国税庁 No.4402 贈与税がかかる場合

国税庁 第21条の2《贈与税の課税価格》関係

 
執筆者:渡邉志帆
FP2級

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