更新日: 2024.01.13 贈与
祖母からもらったお年玉「10万円」は税金の対象になる?銀行やタンス預金なら申告しなくてもバレない?
少額のお年玉なら問題ありませんが、贈与税の対象になるほどの金額の場合は、銀行に預けたとしてもタンス預金だったとしても、隠し通せません。
今回は、贈与税の対象になる基準や、なぜ銀行預金やタンス預金でも課税対象はばれるのかについてご紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
日々の生活における、お金にまつわる消費者の疑問や不安に対する解決策や知識、金融業界の最新トレンドを、解りやすく毎日配信しております。お金に関するコンシェルジェを目指し、快適で、より良い生活のアイディアを提供します。
贈与税の対象は?
国税庁によると、贈与税の対象となるのは贈与された金額が110万円を超えた場合です。財産が対象なので、贈られたものが現金でなかったとしても、110万円を超える金額だと対象になります。
なお、贈与税の有無は1年間のうちに受け取った金額で判断されます。例えば、1回に贈与として受け取る額が10万円であっても、毎月10万円を受け取っている場合は110万円を超えるため、贈与税の対象です。
ただし、お年玉の場合は少し条件が異なります。お年玉など年末年始の贈答は、110万円以下ではなく「社会通念上相当と認められるもの」の範囲であれば、贈与税はかかりません。つまり、一般的に見て高額でなければお年玉は対象外です。
しかし、「お年玉として200万円もらった」などは高額とみなされ、贈与税の対象となる可能性もあります。
タンス預金も銀行に預けたお金も課税対象はばれる
もらったお金を自宅のタンスに保管する「タンス預金」や、銀行に預けたとしても課税対象となるお金はばれます。これは、国がKSKシステムを採用しているためです。税金の申告漏れや、意図的に申告しないことは延滞税などが課せられるおそれもあるので、必ず申告しましょう。
KSKシステムとは
KSKシステムとは「国税総合管理システム」の略称で、国民の納税状況などを一括管理しているシステムです。
財務省によると、KSKシステムの目的は
「全国の国税局と税務署をネットワークで結び、申告・納税の事績や各種の情報を入力することにより、国税債権などを一元的に管理するとともに、これらを分析して税務調査や滞納整理に活用するなど、地域や税目を越えた情報の一元的な管理により、税務行政の根幹となる各種事務処理の高度化・効率化を図るため」
出典:財務省 国税総合管理(KSK)システムの概要
とされています。
つまり、国民の税の情報を一括管理、分析し、業務の効率化を図るためのシステムです。
KSKシステムではe-taxなどでの申告状況と、給与などを支払った事業者が提出する法定調書などもまとめて管理しているため、納税額と法定調書の額に差があれば分かるとされています。そのため、タンス預金や銀行預金でも、申告漏れがあればばれる可能性が高くなります。
隠そうとしてもばれるので贈与税の申告は忘れてはいけない
お年玉や1年間にもらった贈与が基準を超えていれば、贈与税の対象です。もし対象にもかかわらず、銀行に預けたりタンス預金をしたりして隠しても、KSKシステムなどによりばれることになります。税金を申告しないと延滞税なども課せられる可能性があるので、必ず申告しましょう。
出典
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)
No.4402 贈与税がかかる場合
No.4405 贈与税がかからない場合
財務省 国税総合管理(KSK)システムの概要
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー