更新日: 2024.01.10 贈与

成人式で娘に「100万円」の振り袖を贈りました。「前撮り写真」や、成人式当日の「メイク代」を合わせると150万円になります。この場合でも贈与税はかかりますか? お祝いなら大丈夫でしょうか?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

成人式で娘に「100万円」の振り袖を贈りました。「前撮り写真」や、成人式当日の「メイク代」を合わせると150万円になります。この場合でも贈与税はかかりますか? お祝いなら大丈夫でしょうか?
1月は成人の日があり、成人式でお祝いする家庭も多いと思います。成人式という晴れ舞台のために振り袖や成人式に関わる費用を親が負担したいと考えている人も多いでしょう。
 
振り袖は高いと100万円を超えるものもあり、前撮り写真や成人式当日のメイク代などで多くの費用がかかる可能性があります。しかし、これらの費用については贈与になってしまう可能性があり、親として費用の負担を躊躇(ちゅうちょ)してしまう人や不安を感じている人もいるのではないでしょうか?
 
そこで本記事では、成人式にかかった費用を親が負担した場合に贈与税がかかってしまうのかについて解説していきます。贈与については改正された点もあるので、こちらについても紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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贈与税がかかるのはどのような場合?

個人から財産を贈与される場合に一定の金額を超えてしまうと贈与税がかかります。贈与税は暦年贈与と相続時精算課税の2種類の課税方法があり、暦年贈与を選択した場合は基礎控除の110万円を超えた場合に贈与税がかかる仕組みです。
 
そのため、110万円超える財産を贈与してしまうと家族であっても贈与税がかかってしまいます。
 

親が成人式の費用を負担した場合は贈与にあたる?

親が成人式の費用として150万円を全額負担した場合も基礎控除の110万円を差し引いた40万円が贈与税の課税対象となります。
 
しかし、贈与税の対象とならない財産もあります。個人から贈与される香典や見舞金、祝物などの財産で社会通念上相当と認められるものです。そのため、成人式の費用の負担として150万円が社会通念上相当と言えるものであれば贈与税の課税対象にならないことになります。
 
振り袖は購入すると10万から80万円ほどが相場と言われているため振り袖をプレゼントする際に100万がかかることは社会通念上相当と言えます。本事例ではそもそも贈与の対象にはならないと言えるでしょう。
 
それでは仮に現金100万円を渡し、前撮り写真やメイク代の費用50万円を負担した場合はどうなるのでしょうか? この場合、100万円を渡しただけであれば基礎控除の110万円未満なので課税対象になりません。
 
しかし、前撮り写真や成人式当日のメイク代で50万円が別途かかっています。この費用が社会通念上相当と認められれば、課税対象にならないと言えそうです。
 
例えば、スタジオアリスでは振り袖は持参し、撮影料だけでなく着付けやヘアセット、メイクまでしてもらえるプランだと4万円から5万円となっています。値段はヘアセットやアルバム作成代などによって幅がありますが、前撮り写真やメイク代だけで50万円かかることは社会通念上相当とは考えにくいでしょう。
 

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2024年から贈与について変更点も

2024年1月からは贈与について改正があります。これまでは暦年贈与によって贈与された財産については、「亡くなった日から3年前までのものは相続財産に加算される」ことになっていました。しかし、この年数が7年に延長されます。つまり、「亡くなった日から7年前までの生前贈与された財産が相続財産に加算される」ということです。
 
相続税がかからないように基礎控除の110万円以内で贈与していたとしても、2024年1月からは相続財産の対象となってしまう可能性があります。思わぬところで税金がかかってしまうこともあるので、この機会に覚えておいてください。
 

これまで通りではいかないことも考えられるので注意しましょう

贈与は贈与税がかかる可能性があるので、財産を渡す場合は家族であっても注意が必要です。特に2024年からは改正があったので、これまで通りの贈与ではトラブルになってしまうことも考えられます。家族間であっても慎重になって贈与するようにしてください。
 

出典

国税庁 No.4402 贈与税がかかる場合
国税庁 No.4405 贈与税がかからない場合
国税庁 令和5年度 相続税及び贈与税の税制改正のあらまし
 
※2024/1/11 記事を一部修正いたしました。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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