更新日: 2024.01.10 贈与

義理の実家が太く、「お年玉」を毎年100万円くれます。子どもの口座に入れて貯めていますが、贈与時に税金がかかってしまいますか?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

義理の実家が太く、「お年玉」を毎年100万円くれます。子どもの口座に入れて貯めていますが、贈与時に税金がかかってしまいますか?
お正月の恒例ともいえるお年玉ですが、毎年100万円といった高額な金額を渡してくれる親族もいることでしょう。しかし、子どもの将来のために口座へ入金した場合、贈与時に税金がかかるのかが気になるところです。
 
本記事では、贈与税の定義をはじめ、お年玉は贈与税の課税対象と見なされるのかとか、贈与税の課税対象となる金額などを解説します。せっかくのお年玉を有効活用するためにも、ぜひ参考にしてみてください。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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贈与税とは?

贈与税とは、個人からの贈与によって財産を受け取った際にかかる税金です。財産を贈与する側が贈与者、財産を受け取る側が受贈者となり、財産を贈る側と受け取る側の間で合意がなければ、贈与は成立しません。なお贈与税は、1月1日〜12月31日の間に一定額以上の贈与を受けた場合に発生します。納付義務者は受贈者で、申告や納付が漏れると脱税扱いになる可能性も高い点に注意しましょう。
 
なお贈与税は、個人間の贈与に対して発生する税金です。法人からの贈与は、贈与税ではなく所得税がかかります。
 

通常の金額のお年玉であれば贈与税はかからない

「個人から受ける香典、花輪代、年末年始の贈答、祝物または見舞いなどのための金品で、社会通念上相当と認められる」ものであれば贈与税は非課税扱いです。贈与税がかからない財産として、国税庁の「タックスアンサー(よくある税の質問)No.4405 贈与税がかからない場合」でも、その旨を伝えています。
 
社会通念上とは「一般的な常識の範囲内」を意味しますが、具体的な金額の基準は定めていません。お年玉を贈る側が高収入で多額の財産を保有していて、お年玉が100万円の場合などは、個別に判断される可能性が高いです。
 
100万円のお年玉が社会通念上相当と見なされるかどうかとか、贈与には当てはまらないのかなどの判断に迷ったら、税務署に相談したほうが確実性は高いでしょう。
 

現金以外の取得財産も贈与に含まれる

贈与税の課税対象となる財産は、現金だけではありません。預金や株式といった金融商品をはじめ、ゴルフ会員権、自動車、生命保険や損害保険の満期保険金、土地や建物などの不動産といった取得財産も贈与に含まれます。お年玉以外に財産の取得が発生している場合は、それらの金額にも注意してください。
 

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年間110万円以下の贈与なら非課税扱い

贈与として取得した財産が1年間(1月1日〜12月31日)で110万円を超えなければ、贈与税はかかりません。贈与税の基礎控除額が110万円と定められており、取得財産から110万円を差し引いた金額が課税対象になるからです。
 
お年玉の金額が義理の実家から100万円、そのほかの親戚から10万円で、合計110万円ならば非課税になります。そのほかにもらったお年玉を合算して120万円となれば、贈与税の課税対象になると考えればよいでしょう。
 
しかし、すでに説明したとおり、お年玉は贈与税がかからないとされる「年末年始の贈答」に含まれます。贈与税が非課税扱いになる可能性は高いですが、もらうお年玉の金額がどれくらいになるのかは正しく把握しておいてください。
 

直系尊属から200万円以下の贈与を受けた場合の税率は10%

直系尊属から200万円以下の贈与を受けた場合の税率は、表1のとおり10%です。例えば取得した財産が200万円だった場合、基礎控除の110万円を差し引いた90万円に対して9万円の税金がかかります。
 
【表1】

基礎控除後の課税価格 税率 控除額
200万円以下 10%
400万円以下 15% 10万円
600万円以下 20% 30万円
1000万円以下 30% 90万円
1500万円以下 40% 190万円
3000万円以下 45% 265万円
4500万円以下 50% 415万円
4500万円超 55% 640万円

国税庁「タックスアンサー(よくある税の質問)No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)」より筆者作成
 

贈与税がかかる条件を理解してお年玉を適切に管理しよう

お正月の楽しみでもあるお年玉に贈与税がかかるとなると「子どものために使えるお金である」といううれしい気持ちから一転して、不安になるでしょう。ただし、お年玉は贈与税がかからない「年末年始の贈答」に含まれますし、社会通念上相当と認められることで非課税扱いになります。子どもの口座に入れておいても、贈与税の課税対象にはならない可能性は高いですが、判断が困難な場合は、速やかに税務署へ相談するなどの対応をとってください。
 

出典

国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)No.4402 贈与税がかかる場合 

No.4405 贈与税がかからない場合
No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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