更新日: 2024.01.05 その他相続

「実家が空き家なのでどうにかしなきゃ」と親族で話題になります。解体費用の補助金や助成金はありますか?

「実家が空き家なのでどうにかしなきゃ」と親族で話題になります。解体費用の補助金や助成金はありますか?
ニュースなどで大きく取り上げられる「空き家問題」ですが、実際にこの問題に直面している方も多いのではないでしょうか。近年、日本では空き家が増え続けていると言われており、空き家を放置すると数多くの悪影響が生じてしまいます。
 
そこで本記事では、空き家問題とは何か、空き家を解体する場合は自治体の補助金や助成が受けられるのかについて解説します。空き家の解体を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

日々の生活における、お金にまつわる消費者の疑問や不安に対する解決策や知識、金融業界の最新トレンドを、解りやすく毎日配信しております。お金に関するコンシェルジェを目指し、快適で、より良い生活のアイディアを提供します。

空き家問題とは

近年増え続ける空き家問題ですが、空き家をそのままにしておくと不法投棄や放火、倒壊など数多くの悪影響が生じます。

●空き家所有者の問題
●高齢化社会問題

そこでまず本項では、空き家問題の2つのポイントである所有者問題と高齢化社会問題について解説します。将来相続する実家が空き家になる可能性がある方は、ぜひ参考にしてみてください。
 

空き家所有者の問題

空き家問題の多くは所有者ではなく、近隣住民側の視点でクレームとなっていることがほとんどです。しかし、所有者自身も空き家の管理や活用方法について悩んでいます。空き家所有者の抱える問題の一例を紹介します。

●高齢の親が老人ホームへ入居しているが、最後は自宅で迎えたいと希望している
●思い出が詰まっているので解体したくない・売りたくない
●誰が実家を相続するか、兄弟・親戚間でもめている
●所有者が認知症を患っており、自宅をどうするか判断ができない

上記で挙げたような問題を抱えている場合、簡単に自宅を売却・解体するといった判断は難しいと言えるでしょう。
 

高齢化社会問題

空き家が発生する理由の1つに、自宅の所有者が高齢になり老人ホームや子どもの家に転居することが挙げられます。今後、団塊世代を含めた高齢者が自宅を離れ、空き家もどんどんと増える可能性が高くなるでしょう。
 
高齢の所有者が自宅を長期間空ける場合は、今後自宅をどのように活用するのか、売却や解体をするのかについてしっかりと話し合う必要があるでしょう。
 

空き家解体の補助金

空き家の解体には解体費用がかかるため、費用負担が家計を圧迫する、お金を出したくないなどの理由でためらう方も多いでしょう。
 
そこで本項では、空き家解体の補助金制度を3つ紹介します。お住まいの地域の自治体を確認して利用できる補助金制度はないか、ぜひ一度確認してみてください。
 

危険廃屋解体撤去補助金

「危険廃屋解体撤去補助金」は鹿児島県曽於市の制度であり、市民の安心安全と良好な景観の促進、地域の活性化を図るための補助金制度です。補助の条件は主に次のとおりです。

●所有者が居住・使用していない家屋
●工事経費30万円以上
●市内の解体業者等が行う工事

対象となる工事費の30%が補助され、100万円以上200万円以下の上限は35万円、200万円以上は40万円です。
 

空き家解体補助金

「空き家解体補助金」は埼玉県秩父市の制度であり、危険な空き家を解体することで、敷地の有効活用を促進するための補助金制度です。補助の対象となる空き家の条件は主に次のとおりです。

●空家特措法による特定空家の勧告を受けていない住宅
●公共事業等の補償対象となっていない住宅
●1年以上空き家であり、5年以内に市からの補助金交付を受けていない住宅
●昭和56年5月31日以前に建築された一戸建ての住宅

ほかにも細かい条件が数多くあるため、申請の際には必ず一度内容をチェックしてください。空き家解体補助金では対象となる工事費の3分の1が補助され、市内業者が施工した場合は上限30万円、市外業者は上限20万円となります。
 

建替建設費補助制度

「建替建設費補助制度」は大阪府大阪市の制度であり、未接道敷地などを解消するために隣接する土地を購入した方が戸建住宅に建て替えする場合に補助する制度です。昭和56年5月31日以前に建てられた建築物が対象であり、建替え後の条件は主に次のとおりです。

●戸建住宅であること
●50平方メートル以上の面積を有すること

そのほかにも細かい条件があるため、申請の際には必ず一度内容をチェックしてください。対象地区の場合は設計・解体等に要する費用の2分の1以内、重点対策地区の場合は3分の2以内の金額が補助されます。
 

在住している自治体に補助金があるか調べてみよう

空き家問題は今後増えると言われており、所有者もどのように自宅を活用しようか悩んでいます。空き家の解体には費用がかかるため、自治体の補助金や助成制度を積極的に活用しましょう。
 
住んでいる自治体によって利用できる制度は異なるため、興味がある方はぜひ一度確認してみてください。
 

出典

NPO法人空家・空地管理センター「増え続ける空き家~2つの空き家問題~」
曾於市「危険廃屋解体撤去補助金」
秩父「空き家解体補助金を助成します」
大阪市「建替建設費補助制度(戸建住宅への建替え)」
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

PR
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集