更新日: 2019.08.07 相続

<相続税対策>相続税が8割減の特例。「小規模宅地等の評価減」の活用

執筆者 : 黒木達也

<相続税対策>相続税が8割減の特例。「小規模宅地等の評価減」の活用
同居している家族が亡くなり、多額の相続税が課税されると、住んでいる土地と住宅を手放すことを余儀なくされる人も出てきます。
 
そうした事態を防ぐために、一定の条件を満たせば、住んでいる土地の評価が、大幅に減額される制度があります
 
 
黒木達也

執筆者:黒木達也(くろき たつや)

経済ジャーナリスト

大手新聞社出版局勤務を経て現職。

小規模宅地の評価減 受けるための条件

親と同居していた宅地・建物を親から相続するとき、宅地の評価が80%減(20%分の評価)に減額される特例です。減税の規模的にみても、非常に大きな額が減額される特例です。この「小規模宅地の評価減」という特例を活用すれば、多額の相続税を支払うことなく、現在の家に住み続けることが可能です。
 
相続税が80%減と優遇されるため、適用されるためには、いくつかの条件があります。その条件は、
 
① 相続人は、亡くなった人(被相続人)と同居もしくは生計を同じにしている
② 相続人は、自分で所有の宅地・住宅に居住していない
③ 相続人は、相続完了した後も継続して居住する、
④ 適用される宅地の面積は、330平方メートル(100坪)までの土地
 
となっており、その条件を満たせば、その宅地の評価額の20%分の相続税で済みます。
 

住居形態、宅地面積の条件も緩和

この特例が使えるための条件も緩和されてきました。同居という条件は、同一敷地内に建った玄関が別々の2世帯住宅でも、適用が受けられます。従来は、同一の建物で玄関が一つの場合のみに、適用されていました。
 
ただし、同一敷地内に別々に2棟建っている住宅では、生計を同じにしているという条件を満たしていないと、適用されません。
また最近では、高齢な親が自宅を離れ、老人ホームなどへ入居するケースも増えています。被相続人となる親が、老人ホームなどに入居していても、生計を一緒にしているという条件を満たせば、適用を受けることができます。
 

zuhyo_図表7

 
この特例が適用される、宅地の面積も330平方メートルまで(2015年1月から)に拡大されました。
 
それ以前は240平方メートルまででした。ただし適用面積以上の宅地の場合、超えた面積分については特例が受けられません。例えば400平方メートルの宅地を相続する場合、330平方メートルまでは80%の評価減を受け、残り70平方メートルは通常の税率が適用されます。
 
相続した居宅を、被相続人の死後、そこに継続して居住しない場合は、条件が変わります。評価減が50%に、適用面積も200平方メートルに、それぞれ縮小されます。条件は厳しくなりますが、適用は受けることができます。
 

事業用宅地も同様の評価減

同様なことは、事業用の資産も対象になります。小規模な事業所や店舗などの事業用宅地を相続する場合も、この趣旨の制度が適用されます。これは急に親などが亡くなり、その事業を子または親族が継承できないことを防ぎ、事業の円滑な継続できるように後押しするねらいがあります。
 
相続後も事業を継承する場合は、適用される事業所の土地面積が400平方メートルまでとなり、80%の評価減を得ることができます(継承しないと50%評価減、適用面積も200平方メートルに下がる)。またアパート、駐車場などの貸付地を相続した場合も、一定の優遇制度があります。
 
居住用であれ、事業用であれ、一定限度までの土地・建物を、子などの親族がそのまま継続して利用することを支援する制度になっています。
 

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