祖父から入学祝いで「10万円」もらいました。現金なのでタンスにしまえば税金はかかりませんか?
配信日: 2023.04.23
例えば、預金通帳に入れず、タンス預金にすれば税金の問題はなくなるのか、申告しなかった場合にどうなるのかなど、分からないことも多いようです。
そこで、今回はお祝い金10万円を受け取った場合を例に、申告は必要か、タンス預金にすればバレないのかなどについて解説します。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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お金を受け取っても、すべてが課税されるわけではない
お金を受け取ると必ず贈与税がかかるイメージがあるかもしれませんが、実際には課税されるもの、非課税になるものがあります。
・非課税になるもの
お金を受け取ったときに贈与税がかからないのは「家族などからうけとった生活費・教育費」、「個人から受け取るお祝い金や贈り物などで、社会通念上相当であるもの」です。社会通念上相当であるものという判断に混乱しがちですが、これは一般的な金額あるいは物品であれば非課税対象になります。
・贈与税を支払わなければならない金額とは
贈与税は「贈与額ー基礎控除110万円」に対して算出します。受け取った入学祝い金が10万円だった場合は、基礎控除額に達していないため、贈与税はかかりません。簡単にいえば、基礎控除額110万円を超える金銭や物品を受け取ったときに贈与税が発生します。
祖父母以外からもお祝い金を受け取っており、その総額が110万円を超える場合は贈与税がかかるので注意が必要です。
タンス預金は「バレます」
お祝い金が10万円の場合は非課税なので問題ありません。しかし、もし課税対象になる金額だった場合で「タンス預金しておけば税務署にバレることもないだろう」と考えているのであれば、それは改めたほうがよいかもしれません。
・税務署はお祝い金を贈った側の口座を調査できる
税務署は正しく税金を徴収するために、必要に応じて口座の調査を行います。特に、金額が100万円以上の場合は、急に高額なお金が口座に入金されたことで、調査の際にも目に入りやすいです。
・タンス預金がバレた場合の罰則
申告が必要であるにもかかわらず申告していなかった場合には、納めるべき贈与税に加え、加算税や延滞税といった追徴課税が発生する可能性があります。
加算税は必要な申告をしなかった場合に、本来納付しなければならない税金にプラスされる罰則金です。延滞税は期限内に税金を納付しなかったことで発生する利息金になります。そもそも申告をしていない場合は、両方が請求されると考えてよいでしょう。
悪質と判断された場合は裁判になり、刑事罰が科せられる場合もあります。適切に納税しなかったことが脱税行為となり、「10年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金」、悪質度合いによっては両方が科せられるので注意しましょう。ただ、受け取っていた金額が1000万円以上の場合は、その金額に近い罰金の支払いになる場合もあります。
期限内に申告しなかった場合は「故意の申告書不提出による脱犯(5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金)」や「無申告犯(1年以下の懲役もしくは50万円以下の罰金)」となる可能性もあります。こうなってしまうと、受け取った金額のほとんどを納付することになり、犯罪歴も残ってしまいます。そうならないように、必要な場合は必ず正しく申告しましょう。
お祝い金10万円の場合は申告は不要
贈与税は110万円の控除があるので、受け取った金額が110万円を超えなければ申告不要です。もし、110万円を超える金額を受け取っているにもかかわらず、申告せずにタンス預金にした場合でも、税務調査が入ったときに税務署にバレてしまいます。
必要な申告・納税をしていない場合、脱税になる可能性が高く、罰金の支払い、悪質な場合は刑事罰の対象になるので、やめておきましょう。
出典
国税庁 No.4405 贈与税がかからない場合
国税庁 No.4402 贈与税がかかる場合
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー