更新日: 2019.01.08 葬儀
神道、キリスト教にも、仏教と同様、故人を追悼する儀式があります
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士
大阪府出身。同志社大学経済学部卒業後、5年間繊維メーカーに勤務。
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神道の「五十日祭」、「百日祭」が重要な節目
神道の「霊祭」は10日目ごとに行うように決められています。主要な霊祭は10日目の「十日祭」、50日目の「五十日祭」、100日目の「百日祭」、翌年から命日に合わせて行う「式年祭」です。
<十日祭>
十日祭は、仏式でいう初七日にあたります。ほとんど親族だけで祭儀が行われます。以前は亡くなった翌日の「翌日祭」も行われていましたが、近年は省略するか、遺族だけで神棚に手を合わせるだけで済ませることが多いようです。
<五十日祭>
五十日祭は、仏式でいう四十九日にあたり、これが終わると忌明けとなる重要な霊祭です。遺族、親族、友人が集まり盛大に行われます。神官を招き墓前で式を行い、可能であれば納骨も行います。その後、神事参加者による「直会」(なおらい)と呼ばれる宴席が設けられます。神社は聖域とされており、霊祭や会食の会場には利用できません。五十日祭の翌日、神棚に貼った白紙を外し忌明けとなります。「合祀祭」と呼ばれる、百日祭までに行う儀式を、同時に行うことも多いようです。
<百日祭>
百日祭は、死後100日目に行われる「墓前祭」とも呼ばれます。親族、友人が集まり、墓前で神官が祝詞を奏上し玉串を捧げます。神道の場合、線香は使用せず、榊を供えます。墓前で、二拝、二拍手、一拝をします。その後、直会を行うのは五十日祭と同じです。
<式年祭>
式年祭は、仏式でいう年期法要にあたります。神官を呼び祝詞をあげ、親族、友人が集まり、故人を偲びます。式年祭は1年目、2年目、3年目、5年目、10年目にあり、20年で区切りとするケースが増えています。本来は40年、50年まであります。
霊祭にかかる費用は、神官への「玉串料」が2万円~5万円程度。あとは直会の会食費、会場費、引き物代になります。
キリスト教は「ミサ」、「記念式」で追悼する
キリスト教の二つの宗派により、追悼の儀礼に多少の違いがあります。ほとんどが、司祭や牧師が主宰し教会で行われます。仏式や神式のように、関係者が一堂に集まり会食する宴席はありません。
<カトリックのミサ>
カトリックでは追悼の式を「ミサ」といい、亡くなった3日目、7日目、30日目に追悼の集まりがあります。3日目、7日目のミサは、地域によっては省略されていますが、30日目の追悼ミサはとても大切です。教会の聖堂に、故人の親族、友人が集まり、司祭の主宰により、儀式が進行します。それ以降は、年の命日に「命日祭」と呼ばれる追悼ミサがあります。さらに11月2日は、死者の日とされる「万霊節」です。この日は仏教でいう「彼岸」と同じで、教会で死者の霊に祈りを捧げる特別なミサになります。ミサの後は、墓地の清掃や簡単な茶話会が行われます。
<プロテスタントの記念式>
プロテスタントでは、追悼の式を「記念式」といい、死後1月後が「召天記念日」とされる大きな記念式です。文字通り、この日に死者が「天に召される」ことになります。教会に親族、信者が集まり、賛美歌を斉唱し、牧師による祈りと説教が行われます。1年目以降の命日にも「記念式」が行われます。自宅の場合は比較的簡素に行いますが、1年目、2年目、7年目には関係者が墓参し、教会で、賛美歌斉唱、牧師の祈り、聖書朗読、参列者の礼拝を行います。プロテスタントでは、毎年11月の第1日曜日が「永眠者記念礼拝」とされ、教会の聖堂で他の記念式と同様の形式で行われます。
ミサや記念式にかかる費用は、教会への「献金」として2万円から5万円ほど、また司祭や牧師に「「御礼」として1万円~2万円包みます。それに茶話会の飲食費が加わります。しかし、仏式や神式に比べると費用は少額で済むのが特徴です。