更新日: 2020.06.05 葬儀

都内で葬儀をあげるといくらかかる? お布施の相場を解説

執筆者 : 村川賢

都内で葬儀をあげるといくらかかる? お布施の相場を解説
2月末に同居していた97歳の父が他界し、筆者は施主(喪主)として3月初めに葬儀を執り行いました。筆者は都内に住んでいますが、近親者だけで葬儀(通夜、告別式、初七日)を行い、ご住職へのお布施を含めて総額200万円ほどかかりました。
 
父は生前に互助会に入っており、互助会の葬儀式場を使い、会員割引なども適用されている価格です。現在高齢の親御さんがいらっしゃるなど、葬儀について関心のある読者も多いと思いますので、一般的にかかる葬儀費用やお布施の相場などを紹介します。
 
村川賢

執筆者:村川賢(むらかわ まさる)

一級ファイナンシャル・プラニング技能士、CFP、相続診断士、証券外務員(2種)

早稲田大学大学院を卒業して精密機器メーカーに勤務。50歳を過ぎて勤務先のセカンドライフ研修を受講。これをきっかけにお金の知識が身についてない自分に気付き、在職中にファイナンシャルプランナーの資格を取得。30年間勤務した会社を早期退職してFPとして独立。「お金の知識が重要であることを多くの人に伝え、お金で損をしない少しでも得する知識を広めよう」という使命感から、実務家のファイナンシャルプランナーとして活動中。現在は年間数十件を越す大手企業の労働組合員向けセミナー、およびライフプランを中心とした個別相談で多くのクライアントに貢献している。

葬儀費用

葬儀費用は、一般的に(1)葬儀セット、(2)式場代、飲食代、車両代、(3)供花、供物、心づけ、の3つに大きく分けられます。
 
(1)葬儀セット(葬儀一式)
葬儀セットとは、祭壇や飾りつけの花、棺やドライアイス、骨壺や火葬料などで、葬儀に必要な基本構成を意味します。これにはグレードがあり、直葬や火葬式などと呼ばれている通夜と告別式を行わない簡易形式では10万円から30万円くらいとなることが多いようです。
 
一般的には、通夜と告別式を執り行うのが習わしで、家族葬や親族葬、一般葬などと呼ばれていて、祭壇の規模などにより5段階から7段階くらいに分けられています。それぞれの段階によって価格が大きく違い、50万円から500万円くらいの幅があります。全国平均では、葬儀セットとして117.1万円、総額では178.2万円ほどになるようです(※1)。
 
筆者の場合は、親族葬で105万円の葬儀セットを選びましたが、会費の積立金や会員割引などを適用して65万円ほどになりました。
 
(2)式場代や車両代、飲食代(実費)
葬儀セットに含まれていないもので、実費と呼ばれているものがあります。
 
これには、式場代(10万円から30万円)、車両代(霊柩車やマイクロバスで5万円から30万円)、飲食代(通夜1000円から3000円/人、告別式5000円から2万円/人)、香典返し(式場での即返し3000円から5000円/人)などがあります。
 
筆者の場合は、近親者20人と通夜のみ弔問者約10人で、消費税も含めて総額77万円ほどになりました。比較的質素にしたつもりですが葬儀セットを上回る金額になってしまいました。民間の葬儀式場などを使って葬儀を行う場合では50万円から100万円ほどかかるようです。
 
(3)供花、供物、心づけ
その他には、祭壇の両脇に飾る供花、供物があります。供花は、喪主は両側に一対で飾り、その他は希望者のみ名前の札を入れて飾ることが多いです。一つが5000円から1万円くらいですが、あとで希望者に実費を請求できます。
 
また、食事で給仕する人や運転手などに総額1万5000円くらいの心づけが必要です。
 

お布施の相場は?

お布施とは、読経などへの謝礼としてご住職に渡すお金をいいますが、本来の意味としてはご本尊に捧げるものなので、決まった金額というものがなく、地域や宗派によっても違います。
 
都内の場合では、通夜と告別式、一緒に行う初七日まですべて含めて20万円から50万円が相場のようです。迷ったらご住職に直接聞くのでも良いと思います。
 
また、戒名といって仏門に入ったことを示す名前をご住職につけてもらいます。位牌にはこの戒名が書かれます。筆者の父は生前に戒名をもらっていたので代金はかからなかったのですが、一般的には10万円から100万円くらいかかり、その金額によって名前(戒名には位を示す文字が入る)も変わってきます。戒名の代金はお布施として読経料と一緒にご住職に渡します。
 
お布施のほかに渡すものとしては、お車代(5000円から1万円)や食事(精進落とし)を召し上がらないで帰る場合の御膳料(5000円から1万円)があります。
 

【PR】相続する土地・マンションがあなたの生活を助けるかも?

おわりに

人の死はいつか訪れます。もしものときに備えて、遺言書やエンディングノートなどの相続の備えも大切ですが、葬儀にかかるお金の準備も必要です。とくに高齢者を親御さんに持つ読者に、今回の記事が参考になれば幸いです。
 
執筆者:村川賢
一級ファイナンシャル・プラニング技能士、CFP、相続診断士、証券外務員(2種)


 

ライターさん募集