更新日: 2019.10.03 その他相続

相続対策で生命保険が有効な3つの理由とは?

相続対策で生命保険が有効な3つの理由とは?
相続の問題はといえば、「相続税の問題」と「争族の問題」の2つがあるといわれます。相続対策を考える時にまず遺言書が浮かびますが、遺言書で対策するよりも、生命保険を活用したほうが時間もかからず、より気軽に対策ができるメリットがあります。その内容を見ていきましょう。
 
末次祐治

執筆者:末次祐治(すえつぐ ゆうじ)

FP事務所 くるみ企画 代表

確定拠出年金相談ねっと認定FP、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、AFP(日本FP協会)、企業年金管理士(確定拠出年金)
大学卒業後、旅行会社、外資系生命保険会社勤務を経て、ファイナンシャル・プランナーとして独立。
「老後資金の不安をゼロにする」特に中小零細企業の退職金を大企業、公務員並みの2000万以上にするというミッションのもとマネーセミナーや個別相談、中小企業に確定拠出年金の導入支援を行っている。金融商品は出口が大事。「一生のお付き合い」がモットー。

https://mbp-japan.com/fukuoka/fpsuetsugu/

1.生命保険金には非課税枠がある

生命保険を契約すると、被保険者(保険の対象の人)が死亡した際に受取人に保険金が支払われます。保険の契約者と被保険者が同一の場合、この生命保険金は「みなし相続財産」となり、相続税の課税対象になります。
 
しかし、生命保険金の本来の目的は「遺された家族が生活するための資金」です。よってこの生命保険金には、ある一定の条件を満たすことで非課税になる枠が設けられています。その非課税枠とは、500万円×法定相続人の数になります。
 
例えば、妻とお子さん2人の場合は
500万円×3人=1500万円
よって1500万円までは非課税枠となり、相続税の対象にはなりません。非課税となる金額は、配偶者とお子さんが合計で何人いるかによって変わります。
 
また、生命保険を活用するということは「保険料を支払う」という行為による、今ある財産を大なり小なり減らすという効果も期待ができます。その結果、相続税の課税対象となる財産を減らすことができるかもしれません。今ある現金(預金)を生命保険という金融商品に移すイメージです。
 

2.納税資金の準備にもなる

相続の対象になる資産には、預貯金や株式、投資信託などの有価証券や土地建物の不動産などがあります。資産の中で不動産の割合が多いと早急な現金化が難しいので、相続が発生した際に相続税の納税資金の用意するために、この生命保険の活用が有効です。
 
相続税は、相続の開始を知った日から10ヶ月という納付期限があります。
 
保険会社や諸事情によっても変わりますが、通常だと死亡保険金などの請求があった日から5営業日以内に支払うとされているので、相続税の納税資金確保の意味からも有効です(※保険金支払いに関する詳細は、保険会社、保険代理店におたずねいただくか、契約のしおり・約款でご確認ください)。
 

3.生命保険金は受取人固有の財産になる

生命保険で支払われる生命保険金は「受取人固有の財産」になります。誰が受け取るかを契約者が指定できます。まさに遺言書と同じで、保険契約者が誰に保険金を渡すかを決めることができるのです。
 
亡くなった方(被相続人)の財産を相続する場合、遺言書があればそれに基づいて相続されますが、遺言書がない場合は、法定相続人みんなで話し合って誰が何を相続するかを決める必要があります(遺産分割協議といいます)。
 
生命保険を活用すれば、受取人に確実に保険金を渡すことができます。前述のとおり、生命保険金は受取人固有の財産になるので、みんなで話し合って誰に相続するかなどを決める必要がないのです。
 
受取人指定は、1人ではなく複数指定することも可能です。その場合、保険契約の時に受取割合を指定します(受取人の変更、割合の変更は、契約後いつでも変更は可能)。
 
ただ注意が必要なのは、例えば、死亡保険金3000万円の契約で受取人を2名とし、配分を50%と指定した場合、それぞれの口座に1500万円は振り込まれません。
 
代表者の口座に3000万円が振り込まれますので、確実に特定の人に保険金を渡したい場合は、3000万円の保険契約ではなく、2契約1500万円ずつにして受取人を分け、受取額の割合を100%にするほうが結果的には安心かと思います(詳細は保険会社、保険代理店におたずねください)。
 
執筆者:末次祐治
FP事務所 くるみ企画 代表


 

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