最終更新日: 2019.01.10 公開日: 2018.08.17
相続

え?遺骨って誰に引き継ぐの?

最近、死刑囚の死刑が執行され、遺体は火葬されました。この遺骨をめぐって誰に引き渡すのか話題になっています。
 
遺骨に限らず、お墓などを誰が引き継ぐのか疑問に思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
 
通常は問題にならないかもしれませんが、親族ではないけれども被相続人と緊密な生活関係にあった人から遺骨の引き渡しを求められる場合もあります。
 
また、前婚の子どもと後婚の子どものどちらが父の先祖代々のお墓などを引き継ぐのか判断に迷う場合もあると思います。遺骨やお墓などは誰が引き継ぐのか解説します。
 
新美昌也

Text:

Text:新美昌也(にいみ まさや)

ファイナンシャル・プランナー。

ライフプラン・キャッシュフロー分析に基づいた家計相談を得意とする。法人営業をしていた経験から経営者からの相談が多い。教育資金、住宅購入、年金、資産運用、保険、離婚のお金などをテーマとしたセミナーや個別相談も多数実施している。教育資金をテーマにした講演は延べ800校以上の高校で実施。
また、保険や介護のお金に詳しいファイナンシャル・プランナーとしてテレビや新聞、雑誌の取材にも多数協力している。共著に「これで安心!入院・介護のお金」(技術評論社)がある。
http://fp-trc.com/

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新美昌也

執筆者:

Text:新美昌也(にいみ まさや)

ファイナンシャル・プランナー。

ライフプラン・キャッシュフロー分析に基づいた家計相談を得意とする。法人営業をしていた経験から経営者からの相談が多い。教育資金、住宅購入、年金、資産運用、保険、離婚のお金などをテーマとしたセミナーや個別相談も多数実施している。教育資金をテーマにした講演は延べ800校以上の高校で実施。
また、保険や介護のお金に詳しいファイナンシャル・プランナーとしてテレビや新聞、雑誌の取材にも多数協力している。共著に「これで安心!入院・介護のお金」(技術評論社)がある。
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祭祀(さいし)財産の承継者については民法に規定があります

系譜、祭具及び墳墓などの祭祀財産は、一般の相続財産のルールとは異なるルールで承継されます。したがって、相続人が祭祀財産を承継するとは限りません。祭祀財産は祭祀の主宰者が承継します。
 
(参考)
民法896条
相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。ただし、被相続人の一身に専属したものは、この限りでない。
 
民法897条
1項 系譜、祭具及び墳墓の所有権は、前条の規定にかかわらず、慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者が承継する。ただし、被相続人の指定に従って祖先の祭祀を主宰すべき者があるときは、その者が承継する。
2項 前項本文の場合において慣習が明らかでないときは、同項の権利を承継すべき者は、家庭裁判所が定める。
 

祭祀財産って何?

系譜、祭具及び墳墓などが祭祀財産です。系譜は家系図など祖先以来の系統を示すものです。祭具は位牌(いはい)、仏壇、仏具、神棚など祭祀・礼拝の用に供するものです。
 
墳墓は墓石、墓碑のほか墓地の所有権や使用権も含まれます。なお、遺骨は祭祀財産ではありません。
 

祭祀主宰者ってどうやって決めるの?

祭祀財産を承継できる人の資格には制限がなく誰でもなれます。被相続人の指定した人がいれば、その人が祭祀主宰者になります。指定の方法には特別の制限はなく、口頭でも黙示でも認められます。
 
ただし、紛争を避けるためには書面など明示の指定をしておくことが大切です。指定がない場合は、その地方の慣習で決めます。指定もなく、慣習も明らかでないときは、最終的に家庭裁判所が調停や審判で決めます。
 
なお、祭祀財産の承継は、特別の事情がある場合には、2人以上の人に分割承継させることも認められています。
 

遺骨の承継者は?

遺骨は祭祀財産ではありません。しかし、裁判所は、遺骨についても祭祀財産に準じて扱うのが相当であるとしています。裁判所の判断基準を以下に紹介します。
 
「被相続人の遺骨については、生前の被相続人に属していた財産ではないから、相続財産を構成するものではなく、民法897条1項本文に規定する祭祀財産にも直接には該当しない。
 
しかしながら、遺骨についての権利は、通常の所有権とは異なり、埋葬や供養のために支配・管理する権利しか行使できない特殊なものであること、既に墳墓に埋葬された祖先の遺骨については、祭祀財産として扱われていること、被相続人の遺骨についても、本件の関係者の意識としては、祭祀財産と同様に祭祀の対象として扱っていることなどからすると、被相続人の遺骨について、その性質上、祭祀財産に準じて扱うのが相当である。
 
したがって、被相続人の指定又は慣習がない場合には、家庭裁判所は、被相続人の遺骨についても、民法897条2項を準用して、被相続人の祭祀を主宰すべき者、すなわち遺骨の取得者を指定することができるものというべきである。」
 
Text:新美 昌也(にいみ まさや)
ファイナンシャル・プランナー。



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