更新日: 2024.10.07 年収
栄養士として活躍している友人。「国家資格だけどあまり稼げない」というのですが、一般的にはどのくらいの年収なのでしょうか?
しかし今回のケースのように、国家資格取得者でも満足いく年収を稼げていないと感じる人もいるようです。
本記事では、栄養士の平均年収やキャリアパスをご紹介します。また栄養士と管理栄養士の違いについても解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
日々の生活における、お金にまつわる消費者の疑問や不安に対する解決策や知識、金融業界の最新トレンドを、解りやすく毎日配信しております。お金に関するコンシェルジェを目指し、快適で、より良い生活のアイディアを提供します。
栄養士の国家資格は2種類ある
栄養士は国家資格であり、おもに「管理栄養士」と「栄養士」の2種類に区分されます。管理栄養士は厚生労働大臣から、栄養士は都道府県知事から免許を得ます。両者のおもな役割は以下の通りです。
・管理栄養士
病気や高齢ゆえに食事に関してケアが必要な人や健康な人を対象に、専門的な知識と技術を用いて一人ひとりに合わせた栄養指導や栄養管理を行います。
・栄養士
基本的に健康な人を対象に栄養指導や給食管理などを行います。
栄養士は、厚生労働大臣が指定した栄養士養成施設を卒業して都道府県知事に申請することで免許を取得できます。管理栄養士は、管理栄養士養成施設で学習したのちに国家試験に合格する必要があります。栄養士が管理栄養士を目指す場合は、必要な年数栄養士として働いたあとに国家試験に合格することで免許取得が可能です。
栄養士の年収は平均390万1700円
厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、栄養士の年収は全国平均で390万1700円です。
国税庁長官官房企画課の「民間給与実態統計調査」によると、令和5年分の平均給与は459万5000円でした。栄養士の年収と比較すると、約69万円もの開きがあります。
今回のケースでは、栄養士の国家資格を持っている友人が「あまり稼げない」と発言していますが、もし上記の年収に近い額しか稼いでいないのであれば、一理あるといえるかもしれません。
ただし男女比を検討すると、多少異なる結論が出ます。一般的に管理栄養士・栄養士の男女比は、女性が多いといわれます。
仮に、女性労働者の平均給与と比較するとどうなるか見てみましょう。前述の「民間給与実態統計調査」によると、令和5年分における女性の平均給与は315万8000円です。この額と比較すると、栄養士の平均給与390万1700円は平均を上回っているといえます。
栄養士の半数近くが給料の安さを不満に思っている
株式会社エス・エム・エスが全国の管理栄養士・栄養士を対象に行ったアンケートによると、管理栄養士・栄養士の約7割が仕事にやりがいを感じているものの、勤務先の満足度について「満足」と回答した人は44.1%にとどまりました。
満足していない理由として最も多く挙げられていた項目は「給料が安い」で47.7%です。また2番目(タイ)に多い回答として「昇給が見込めない」が27.7%を占めています。
なお同調査によれば、管理栄養士・栄養士の約1割が副業を行っており、その理由として最も多かった項目は「収入を増やしたい」でした。国家資格とはいえ、実際の賃金の状況は必ずしも恵まれているわけではないようです。
栄養士として年収アップを目指すには、管理栄養士の資格を取得したり、公認スポーツ栄養士になったりなど、関連資格を取得する方法があります。また転職してより条件のよい勤務先を探すこともできるでしょう。
栄養士の平均年収は約390万円
栄養士の平均年収はおおむね390万円ほどです。勤務先の条件や経験・資格の有無などにより個々の状況は変わりますが、日本の平均給与と比較すると低めです。
しかし女性の平均給与と比較すると平均を超えているため、一概に収入の低い仕事とはいいきれません。今回参照したアンケート調査でも収入を増やしたいという声が多く、年収アップを目指すには関連資格などの取得も必要になるでしょう。
出典
政府統計の総合窓口(e-Stat) 厚生労働省 令和5年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種 表番号1 職種(小分類)別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)
国税庁長官官房企画課 令和5年分 民間給与実態統計調査 ―調査結果報告― II 1年を通じて勤務した給与所得者 2 平均給与 (第8表)平均給与(15ページ)
株式会社エス・エム・エス【管理栄養士・栄養士2,129人に聞いた働き方の実態調査】7割が仕事にやりがいを感じ、3人に2人が残業10時間未満、有給8割以上消化も4割。三大不満は「給料が安い・人手不足・昇給が見込めない」で将来性に不安~6割が偏った知識を持つ相談に困った経験あり、3割がアレルギー対応にて業務時間が増えたと回答~
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー