更新日: 2024.10.03 年収
大学教授は稼げる職業の「ベスト5」に入るって本当ですか? 「研究成果」などで年収にバラつきが出るイメージがあります。
本記事では、大学教授の年収や職種ランキングでの位置付けについて解説します。また大学教授を目指すためにはどのようなことが必要かも紹介するため、参考にしてみてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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職種別ランキングはどうなっている?
大学教授は、日本の職業のなかでも高年収であるイメージを持っている方も少なくないでしょう。実際に統計でみてみると、大学教授は職種別年収ランキングの上位に入っているのでしょうか。
厚生労働省の「令和元年賃金構造基本統計調査」によると、令和元年時点での所定内給与額上位5職種は次の通りです。
1位:航空機操縦士
2位:医師
3位:大学教授
4位:大学准教授
5位:弁護士
またこの調査によれば、大学教授の給与は平均約62万円、年間賞与の平均は約261万円であるため、平均年収は約1000万円であることが分かります。なお、国税庁の調べによると給与所得者全体の平均年収は436万円であるため、大学教授は平均の倍以上の給与があるといえます。
大学教授はみんな高収入なのか
大学教授は、数ある職種のなかでも高収入の仕事です。しかし、先ほどの給与額はあくまで平均値であり、大学教授のなかでも給与の幅は広くばらつきがあります。
厚生労働省の「令和元年賃金構造基本統計調査」にある「給料月額別 職名別 本務教員数」によれば、大学教授の給与は国立大学と私立大学とで差があることが分かりました。
国立大学の教授が、平均給与(月額)53万6000円に対して、私立大学の教授の平均給与(月額)は、57万300円です。この数字でみると、大きな差がないように感じるかもしれません。
しかしこれをさらに細かくみていくと、どちらの教授も最も多いのは月給50万円以上55万円未満ですが、国立大学は次いで月給45万円以上50万円未満が多いのに対し、私立大学の教授は、月給55万円以上60万円未満や月給60万円以上65万円未満が続いています。
これらの傾向から、同じ大学教授のなかでも、国立大学より私立大学の教授のほうが高所得である可能性もあります。
大学や学部によっても変わるのか
大学教授の仕事は、主に3つあります。1つめは学生へ講義をしたり、ゼミで論文指導をしたりすることです。2つめは、研究です。自身の専門分野の研究を進め、論文を書くことも大学教授の大切な仕事といえるでしょう。さらに3つめとして、経営陣に加わっている場合には、学校運営に携わることもあります。
その他入試に関わる場合は、テスト問題の作成や採点、面接などを行う場合もあるでしょう。これらの仕事内容により、給与に変動があるのです。特に医学部や歯学部などは本給以外に手当がつくこともあり、他の学部の教授よりも給与は高くなる傾向があります。
また、大学の所在地、規模、知名度や年齢、勤続年数などによっても年収に差が出るでしょう。
大学教授を目指すには
高収入の仕事であれば、大学教授を目指したいと考える方も少なくないでしょう。しかし、大学教授への道は狭き門でもあります。大学教授は、小中高の教諭のように教員免許を取得する必要はありません。ただし、実績や成果が求められる世界であるため、厳しい道のりなのです。
一般的に大学教授を目指すためには、大学院へ進学し博士号の取得や論文の発表などで専門知識やスキルを身につける必要があります。さらに学会や学術誌で、研究の成果を発表し、実績を積み重ね評価を得なければいけません。
実績が認められ大学内での審査を通過するごとに、研究員から助手、助教、講師、准教授へとステップアップし、最終的に教授へと昇格します。
厳しい道のりであるうえ、助手の平均年収は300万円弱、助教は約350万円です。また、大学教授になれるのは40代以上の人が多く、40〜50代半ばで就任するのが一般的です。
大学教授は専門分野を突き詰めた結果、得られた評価で就ける職業といえるでしょう。大学教授を目指すためには、まず自分の興味や関心の持てる分野を見つけてみてはいかがでしょうか。
出典
政府統計の総合窓口 賃金構造基本統計調査令和元年以前 職種DB第1表 統計表・グラフ表示
国税庁 令和元年分 民間給与実態統計調査
政府統計の総合窓口 学校教員統計調査 令和元年度 第2部 大学等の部 教員個人調査 大学 224 給料月額別 職名別 本務教員数 ファイル 統計データを探す
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