更新日: 2024.09.30 年収
あなたの「年収」は平均以上?日本の年収事情とアップさせるための方法とは?
執筆者:丸山希()
日本の平均年収はいくら?
国税庁「令和4年分 民間給与実態統計調査」によると、日本で1年を通じて勤務した給与所得者1人当たりの平均年収は457万6000円です。ただし、これは正社員(正職員)・正職員以外(非正規雇用者等)も含んだ年収です。
なお、正社員が523万3000円、正社員以外が200万5000円となっており、正社員と正社員以外の差は約323万円です。また男女別では、男性が563万3000円、女性が313万7000円で、男女差は約249万円でした。
事業所規模で平均年収は変わるのか
また、同調査での事業所規模別の平均年収を見てみましょう。基本的に、規模が大きいほど平金年収は高くなる傾向にあります。ちなみに、事業所規模30~99人で423万4000円、同100~499人で445万7000円、同500~999人で480万3000円、同1000~4999人で520万8000円、同5000人以上で538万4000円となっています。
1000人以上を超える企業となると、正社員以外を含めても平均年収は500万円を超えることになります。
年齢で平均年収は変わるのか
続いて、年齢による平均年収の違いを見てみましょう。同調査の年齢階層別の平均年収は、次のとおりです。
20~24歳:(男)291万円(女)253万円(計)273万円
25~29歳:(男)420万円(女)349万円(計)389万円
30~34歳:(男)485万円(女)338万円(計)425万円
35~39歳:(男)549万円(女)333万円(計)462万円
40~44歳:(男)602万円(女)335万円(計)491万円
45~49歳:(男)643万円(女)346万円(計)521万円
50~54歳:(男)684万円(女)340万円(計)537万円
55~59歳:(男)702万円(女)329万円(計)546万円
60~64歳:(男)569万円(女)267万円(計)441万円
基本的には、年齢が上がっていくと平均年収も伸びていきますが、50歳代後半でピークを迎えると、60歳代からは年収が下がっていきます。男女別で見てみると、男性は50歳代後半がピークで年収は700万円に達しますが、女性には年齢に応じて上昇していくような傾向が見られません。
業種別で平均年収の差はあるか
平均年収は、業種別でも差があるでしょうか。同調査によると、業種別で最も平均年収が高いのは「電気・ガス・熱供給・水道業」の747万円、次いで「金融業、保険業」の656 万円でした。最も低いのは「宿泊業、飲食サービス業」の268万円となっており、最も平均年収が高い業種とは479万円の差があります。
もし転職などをする際、年収アップだけを図るのであれば、業種選びも重要なポイントになってくるでしょう。
年収がアップするポイント
最後に、年収がアップするポイントを解説します。
まずは正社員として働くことです。前述したように、正社員と正社員以外では約323万円の差があります。また、退職金や福利厚生などでも正社員が有利になることがあるので、特別な事情がないかぎり正社員で働くことです。なお、非正規社員などから正社員へ登用される制度があれば、積極的に挑戦しましょう。
次に、できれば同じ企業に長く勤めましょう。そのほうが、収入アップを狙える可能性があります。なぜならば、日本の企業はいまだに、実力よりも勤続年数に伴って給料が上がる傾向にあるからです。
しかし、自身にスキルがあるのであれば、知識や技能を生かせる会社に転職するのも、選択肢のひとつとして考えるとよいでしょう。
また、自身がやりたいことでなければ仕方ありませんが、年収が高い業種を選ぶことです。若いうちに平均年収が高い業種にキャリアチェンジすることは、年収アップのためだけでなく、自分の将来のためにもなるので、挑戦する価値があるかもしれません。
まとめ
日本の平均年収を、いろいろな角度から見てきました。思うように賃金が上がらない昨今、「自分がやりたい仕事は何であるか」を前提に、改めて年収アップについて考えることが大切かもしれません。
出典
国税庁長官官房企画課 令和4年分 民間給与実態統計調査
執筆者:水上克朗
ファイナンシャルプランナー、CFP(R)認定者、1級ファイナンシャルプランニング技能士、DC(確定拠出年金)プランナー