更新日: 2024.09.29 年収
「本業だけで年収500万円」と「本業400万円+副業100万円」の収入では、手取りはどれくらい違いますか?
一方で、資格の取得や高収入の会社への転職によって、本業の収入を増やそうと考える人もいます。実際に、本業で収入を増やす場合と副業をする場合では、どちらが得なのか気になるところです。
今回は「本業だけで年収500万円の人」と「本業年収400万円+副業年収100万円の人」では、どちらの手取り額が多いのかを、詳しく解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
「本業で年収500万円の人」と「本業400万円+副業100万円の人」の手取り額
「本業で年収500万円の人」と、「本業年収400万円+副業年収100万円の人」の手取り額を、それぞれ計算してみましょう。
税金の額は人によって異なるため、今回は「40歳以下かつ扶養家族がいない人で、副業の経費はなし、確定申告は青色申告で行う」場合を想定して計算します。表1が、計算の結果です。なお、実際の数字は概算であり、勤務先や年齢、居住地によって異なります。
表1
※筆者作成
計算の結果、「本業のみ年収500万円の人」の手取り額は386万500円、「本業400万円+副業100万円の人」の手取り額は407万8500円となりました。「本業400万円+副業100万円の人」の方が、22万円程度手取り額が多くなります。
「本業のみ」と「本業+副業」は手取り額が異なる理由
「本業のみ」と「本業+副業」で手取り額が異なるのは、控除額と税金に違いがあるためです。それぞれどのように違うのか、1つずつ解説します。
控除額の違い
給与からは、給与所得控除・社会保険料控除・基礎控除などが控除され、人によっては扶養控除や配偶者控除などもあります。
この中で、給与所得控除と社会保険料控除は、会社からもらう給与にのみ適用されます。ただし、副業で開業届けを出し、青色申告で確定申告をする場合は、条件を満たせば青色申告特別控除が適用され、課税額を大幅に減らすことが可能です。
なお、副業収入は雑所得もしくは事業所得となります。副業で経費が発生した場合、収入から経費を引いた額が雑所得(事業所得)です。
また、雇用契約がない副業の場合は社会保険料が適用されませんが、給与として収入を得た場合は、社会保険料などに変動があるため注意が必要です。
税金の違い
「本業のみ」と「本業+副業」では、控除額に差が出るため、税金の額も異なります。税金は、控除額を引いた「課税所得」によって決まります。
所得税は、課税所得額が多くなるに従って段階的に高くなる「累進課税制度」を取っており、今回は「195万円から329万9000円まで」に含まれるため、税率は10%で、控除額が9万7500円でした。
今回のように本業収入のみで500万円の場合は、「231万円×10%-9万7500円=13万3500円」、本業収入500万円+副業収入100万円の場合は「202万円×10%-9万7500円=10万4500円」です。なお、収入によっては、税率が最大で45%まで上がります。
住民税は、居住地によって異なりますが、基本は課税所得×10%+ 4000円です。(2024年から均等割の場合は森林環境税1000円が上乗せされる)
本業で年収500万円よりも本業400万円+副業100万円の方が、手取りが多くなる可能性が高い
本業で年収500万円の場合、手取り額はおよそ386万円になる可能性もあります。本業400万円+副業100万円の場合は、およそ407万円の手取りとなる可能性があるため、副業をした方が最終的な手取り額が多くなります。
ただし、税額は居住地や勤務先、家族構成などによっても異なります。また、副業で経費がかかった場合は、その分手取り額も減るはずです。人によって控除額や税額は異なるため、気になる場合は、一度シミュレーションしてみるとよいでしょう。
出典
国税庁 No.1410 給与所得控除
国税庁 所得税の仕組み所得税額の計算超過累進税率
国税庁 No.2260 所得税の税率 計算方法・計算式
国税庁 No.1199 基礎控除
国税庁 No.2072 青色申告特別控除
厚生労働省 社会保険適用拡大特設サイト 事業主のみなさま 社会保険かんたんシミュレーター
総務省 個人住民税 均等割と所得割
総務省 森林環境税及び森林環境譲与税
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー