更新日: 2024.06.18 年収
人事院が発表した”公務員のボーナス”引き上げ。給与の何ヶ月分が支給されている?
しかし、実際にボーナスを平均いくら受け取っているのか、給与の何ヶ月分なのかといったことは、あまり知られていません。
そこでこの記事では、国家公務員と一般企業のボーナスの額を比較します。2024年のボーナスから、国家公務員は何ヶ月分のボーナスが支給されるのかもあわせて確認しましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
民間企業と国家公務員のボーナスの平均額
まずは、引き上げ前の民間企業と国家公務員に支給されたボーナスの平均額を比較してみましょう。2023年は冬のボーナスから引き上げされているため、引き上げ前の2022年の夏・冬のボーナス、その合計を表したものが表1になります。
表1
2022年夏 | 2022年冬 | 合計 | |
---|---|---|---|
民間企業 (事業所規模5人以上) |
38万9331円 | 39万2975円 | 78万2306円 |
国家公務員 | 58万4800円 | 65万2100円 | 123万6900円 |
※参考サイトを基に筆者作成
国家公務員の給与やボーナスは、民間企業の給与やボーナスとの均衡を図るために見直しが行われ、民間企業とほぼ同等になるように調整されているのです。
しかし表1のように、実際の支給額には大きな差が見られます。
公務員のボーナスが高いカラクリ
公務員のボーナスが民間企業と差が出てしまうのには、理由があります。それは、公務員のボーナス割合を決定する際に参考にしている民間企業がポイントです。
公務員のボーナスを決定する際参考にしているのは、人事院の行っている「職種別民間給与実態調査」です。職種別民間給与実態調査の調査対象企業は「企業規模50人以上」かつ「事業所規模50人以上」の企業となっています。
しかし、国内の事業所規模は、この中に入らない小規模事業者が圧倒的に大多数を占めています。
企業規模が大きいほどボーナスは高額になっていくため、公務員のボーナスは、一般企業の中でも「高額なボーナスをもらっている企業」を目安に決められていることが分かります。
2024年6月以降公務員のボーナスはどうなる?
公務員のボーナスは、夏・冬ともに「期末手当」「勤勉手当」の合計が支払われます。2024年から、それぞれの割合は夏・冬それぞれ期末手当が1.225ヶ月分、勤勉手当が1.025ヶ月分に配分されます。
例えば月給40万円の方は、4.5ヶ月分になると年間180万円です。ただし、引き上げの割合は職員によって異なります。
なお、地方公務員のボーナスは、それぞれの自治体が民間の支給割合との均衡を考慮し決定しています。例えば2023年の一般職員のうち、一般行政職の賞与は、東京都では4.55ヶ月分で181万4400円、大阪府では4.40ヶ月で165万6500円でした。
2024年から国家公務員が1年に受け取るボーナスは給与4.5ヶ月分
2024年に国家公務員が年間受け取るボーナスは、給与の4.5ヶ月分です。これは、民間企業とほぼ同等になるように人事院が調整した額となります。
しかし、国家公務員の給与やボーナスを比較している企業の多くは大企業であり、小規模企業は比較対象となっていません。そのため、実際の支給額は、民間企業と国家公務員との間には大きな開きがあります。
大企業の給与やボーナスが今後さらにアップするようであれば、国家公務員のボーナスが引き上げられる可能性も十分考えられるでしょう。
出典
厚生労働省 毎月勤労統計調査 令和4年9月分結果速報等
厚生労働省 毎月勤労統計調査 令和5年2月分結果速報等
内閣官房内閣人事局 令和4年6月期の期末・勤勉手当を国家公務員に支給
内閣官房内閣人事局 令和4年12月期の期末・勤勉手当を国家公務員に支給
総務省 給与・定員等の調査結果等 <給与等の比較> 4)期末・勤勉手当の支給状況 都道府県
人事院 別紙第4職員の給与の改定に関する勧告
人事院 別紙第3職員の給与に関する報告
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー