更新日: 2024.06.07 年収
夫の年収は「500万円」です。子どもがひとり生まれるのですが、専業主婦になるのは経済的に厳しいでしょうか?
しかし、子どものいる家庭の一般的な年収や子供にかかる費用が分かれば、専業主婦になっても大丈夫か判断しやすくなるはずです。
そこで本記事では、年収500万円でも専業主婦は可能なのか、子どものいる世帯の平均所得や平均消費支出、教育費から詳しく解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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子どものいる世帯の平均所得金額は785万円
厚生労働省の「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」によると、日本の平均所得金額は545万7000円であり、子どものいる世帯は785万円となっています。年収500万円は所得にすると約375~425万円になるため、子どものいる世帯の平均所得金額よりも300~400万円以上足りないことが分かります。
このようなデータから考えると、年収500万円で専業主婦になることは、経済的に厳しい状況になる可能性があります。
2人以上世帯の平均消費支出は約31万円
総務省統計局の家計調査報告によると、2人以上の世帯のうち勤労者世帯の消費支出は31万円ほどでした。年収500万円は、手取りにするとボーナスなしなら月給31~35万円、ボーナスありなら月給23~26万円前後が目安となります。
そのため、ボーナスなしなら、うまく節約すれば専業主婦になれるかもしれません。ただし、これらのデータには子どもの有無は反映されていないため、注意が必要です。
また、年収500万円の場合、節約すれば衣食住を満たすことは可能ですが、子どもを小・中学校から私立へ進学させたり、旅行に頻繁に行ったりするなどのぜいたくは難しくなる可能性があります。そのため、どの程度の生活レベルを望むのかによっても、専業主婦になるかどうかの判断が異なります。
子ども1人にかかる教育費用は約813万円~2273万円
子ども1人にかかる教育費用を、以下の表1にまとめました。
表1
すべて公立の場合 | すべて私立の場合 | |
---|---|---|
幼稚園 | 約47万円 | 約92万円 |
小学校 | 約211万円 | 約1000万円 |
中学校 | 約162万円 | 約430万円 |
高校 | 約154万円 | 約316万円 |
大学 | 約239~255万円 ※入学金が「地域内」か「地域外」かによって異なる。 |
約435万円 |
合計金額 | 約813~829万円 | 約2273万円 |
※文部科学省「令和3年度子供の学習費用調査」、「2023年度学生納付金調査結果」「私立大学等の令和5年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」を元に筆者作成
子どもがすべて公立に進学した場合は約813~829万円で、すべて私立へ進学した場合より約1444~1460万円安くなります。進学先としてすべて公立を希望していたとしても、試験の結果によっては、私立へ進学せざるを得ない状況になる場合もあるため、子どもの教育費は余裕を持って準備しましょう。
コツコツ貯金をするのが苦手な方は、毎月自動で決まった金額を積み立ててくれる学資保険を利用するのもよいでしょう。また児童手当には手をつけず、すべて貯金しておけば200万円程度になるので、まとまったお金を準備できます。
節約しても子どもの教育費がどうしても足りそうにない場合は、子どもが小学校や中学校に上がるタイミングでアルバイトやパートを始めるのも一つの方法です。
ぜいたくをしなければ専業主婦も可能
年収500万円は、子どものいる世帯の平均所得金額の785万円と大きな差があり、専業主婦をする場合、節約が必要となる可能性があります。ただし、学資保険や児童手当なども活用すれば、専業主婦が不可能だとは言い切れません。
子どもの成長をある程度見届けてから働き始めることもできるので、家計やそれぞれの家庭の事情も考慮しながら判断しましょう。
出典
厚生労働省 2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況
文部科学省 令和3年度子供の学習費用調査
文部科学省 2023年度学生納付金調査結果
文部科学省 私立大学等の令和5年度入学者に係る学生納付金等調査結果について
総務省統計局 家計調査報告 ―月・四半期・年―
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー