更新日: 2024.02.29 年収
「文系理系の違い」によって「生涯年収」にはどれだけの差がつく? 息子にはなるべく将来稼げる学部に進ませたいです……。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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生涯年収では4000万円ほど理系出身者が高所得
同志社大学社会学部教授・浦坂純子氏らが、大卒以上の学歴を持つ就業者1600人(男性約8割、理系出身者約4割)を対象に実施した調査によると、文系出身者の平均年収は583万円、理系出身者は681万円と明らかにされています。この数字を勤続年数40年と仮定して生涯年収に変換してみると、文系出身者の場合は2億3320万円、理系出身者の場合は2億7240万円です。
平均年収ではおおよそ100万円、生涯年収ではおおよそ4000万円ほど、理系出身者が文系出身者を上回っています。もちろんこの数字はあくまでも目安のひとつにしかすぎませんが、一般的には文系出身者より理系出身者のほうが収入面で優位な傾向にあるようです。
理系と文系でなぜ差が生まれる?
理系出身者と文系出身者で、なぜ4000万円もの生涯年収の差が生まれるのでしょうか。理系出身者が高所得なのには、次のような要因が挙げられます。
・専門性が高いため
エンジニア職や研究開発職に代表されるように、理系の職種には高度な専門知識・スキルを求められるものが多く見られます。そのような知識・スキルを持つ人材は限られており、人材としての市場価値がおのずと高くなることが、高収入を得やすい要因のひとつです。
・IT人材の需要が高まっている
理系との関わりが深いIT分野が、目覚ましい成長を遂げていることも大きな要因です。新しい技術を使った製品やサービスが次々と登場していることからも分かるとおり、幅広い業界と企業でIT化が進められています。このような背景から、IT分野の知識に精通した理系出身者の需要が高まっています。
特に高所得を期待できる学部はどこ?
就活サイトや転職サービスを運営するdodaが、ビジネスパーソン5000人を対象に実施した調査によると、20代・30代で特に高所得を期待できるのは「医・歯・薬学」の学部です。20代・30代それぞれの出身学部別平均年収ランキングは以下の通りです。
1位 医・歯・薬学:406万円
2位 情報:396万円
3位 経済・経営・商:389万円
4位 理・工:387万円
5位 法・政治:383万円
1位 医・歯・薬学:506万円
2位 理・工:495万円
3位 経済・経営・商:480万円
4位 法・政治:476万円
5位 情報:471万円
理系では「医・歯・薬学」「理・工」などの専門性の高い学部の平均年収が高い傾向にあります。一方の文系でも、「経済・経営・商」「法・政治」のような専門知識が必要な学部の平均年収の高さが目立ちます。
生涯年収以外の要素も考慮しながら学部を選ぶことが大切
理系出身者と文系出身者では4000万円ほど差があるとお伝えしましたが、生涯年収はどの企業に入社するかによっても大きく異なります。総合商社やマスコミ業界のように文系出身者が多く活躍する業界も存在するため、必ずしも「文系より理系のほうがよい」というわけではないと理解しておきましょう。
生涯年収だけを気にして進学先を選ぶのではなく、将来どのような職に就きたいのか、どのような分野に興味があるのか、そういった広い視野を持って考えていきましょう。
出典
J-Stage 文系・理系どっちが得か―所得比較を中心に― 浦坂純子 同志社大学社会学部
doda あなたの出身学部は何位? 学部別の平均年収ランキング
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー