更新日: 2023.03.16 年収

「年収500万円」の人が年金を「20万円」追納すると、年金額を増やして4万円節税も可能!?

「年収500万円」の人が年金を「20万円」追納すると、年金額を増やして4万円節税も可能!?
国民年金の保険料は、納付を免除や猶予が可能です。しかし、免除や納付猶予の期間がある場合は、公的年金額が満額納付の場合と比べ減額されてしまいます。そこで考えたいのが、年金の追納制度です。
 
本記事では、年金の追納制度について解説すると共に、年収500万円の人が追納した場合にいくら節税できるのかについても紹介していきます。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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年金の追納制度とは?

国民年金の保険料が免除や猶予された場合、保険料を後払いすることが可能です。これが保険料の追納制度になります。保険料の追納をすることで、免除や納付猶予で減らされてしまう年金額を増やすことができます。追納できるだけの金銭的な余裕があれば、利用することを考えたい制度です。
 

追納制度の注意点

追納制度の注意点としては4つが挙げられます。
 
まず、追納できる期間が決まっていることです。追納が認められた月以前の10年間の保険料についてしか追納することはできません。
 
また、保険料の免除や猶予が開始された翌年度から数えて3年度目以降からは、追納する際の保険料に加算額が上乗せされてしまいます。そのため、追納する時期が遅くなると、保険料を多く納付することになるので注意してください。
 
老齢基礎年金を受給できる人は追納できないことも注意点です。最後に、追納する場合は原則として古い期間からしなければいけません。
 

年金を追納すると、節税ができる

年金を追納した場合は、追納した保険料分を社会保険料控除として控除することが可能です。社会保険料控除として利用すると、所得を下げることにつながるので、所得税や住民税を節税できます。
 

所得税や住民税の算出方法

所得税や住民税は、1年間の所得を算出して導き出します。所得の計算式は、「年収-基礎控除-給与所得控除-社会保険料控除-その他の控除」です。
 
所得税は所得に応じた税率をかけたものに控除額を引いて算出します。また、住民税については所得割と均等割の2種類があり、所得割は一律で10%、均等割は一律で5000円となっている場合がほとんどです。所得に関係があるのは所得割の部分になります。
 

年収500万円の人が20万円の追納をした場合

年収500万円の人が追納せずに税金を納めた場合と20万円の追納をした場合を例に考えます。追納前の社会保険料控除やその他の控除については考えないこととします。
 

年収500万円の場合の所得税と住民税

年収500万円の場合の所得を計算すると、500万円-基礎控除48万円-給与所得控除144万円となり、308万です。
 
まず、所得税を計算すると308万円の税率と控除額は、それぞれ10%と9万7500円になります。308万円×10%-9万7500円で、21万500円です。
 
続いて住民税は、所得割が308万円×10%、均等割が5000円です。そのため、30万8000円+5000円で、31万3000円になります。
 
所得税21万500円と住民税31万3000円を合わせると、52万3500円です。
 

年収500万円の人が20万円の追納をした場合

年収500万円の人が20万円の追納をすると、308万円からさらに20万円を引くことができます。そのため、288万が課税対象の所得です。
 
この場合の所得税は、288万円×10%-9万7500円となり、19万500円になります。
 
そして住民税は、所得割が288万円×10%で28万8000円です。28万8000円に均等割の5000円を足すので、29万3000円となります。
 
所得税19万500円と住民税29万3000円の合計額は48万3500円です。追納しない場合を考えると、4万円も節税できることになります。
 

追納することも検討しましょう

事例のように年収500万円の人が20万円追納すると、4万円の節税になることがわかりました。
 
年金額を増額でき、節税にもなるので年金保険料の追納はメリットも大きいです。金銭的に余裕が生まれた場合は、追納することも検討しましょう。
 

出典

日本年金機構 国民年金保険料の追納制度
国税庁 No.1130 社会保険料控除
国税庁 No.2260 所得税の税率
総務省 個人住民税
国税庁 No.1410 給与所得控除
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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