更新日: 2023.02.14 年収
給料が上がっても「引かれるもの」が多い! 確認は給与明細のどこを見ればいい?
この記事では、そのような可処分所得の定義と給与明細での確認の仕方について解説していきます。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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可処分所得とは?
総務省統計局のホームページには、全国約9000世帯を対象に毎月行われている「家計調査」におけるさまざまな用語が定義されています。
その中で「可処分所得」とは、「実収入から税金、社会保険料などの非消費支出を差し引いた額」で、いわゆる手取り収入のこととなっています。「実収入」とは世帯全員の現金収入の合計のことです。これは、税込みで考えたときの収入額になります。
また、「非消費支出」とは、定義にも書かれているように税金や社会保険料など、その世帯の判断に関わらず制度として決まっていく支出のことです。給与所得者の場合は支払者によって源泉徴収されます。
マクロ経済的な観点から見ると、可処分所得は1990年代前半以降に伸びが鈍化しています。1990年代前半までは実質ベースでの平均成長率が4%程度だったものが、2000年以降では0.3%まで落ち込んでいるのです。この原因としては、収入の減少や社会保険料の増加が指摘されています。
給与明細の構成と可処分所得
給与明細は次の3つの要素で構成されています。
・勤怠関係
出勤や欠勤した日数、残業した時間、また別枠として深夜残業や休日出勤の日数と時間などが明示されます。
・支給関係
まず基本給があり、資格、住宅、家族、通勤などの手当が付加されます。さらに別枠として、時間外手当や休日出勤手当などがあります。
・控除関係
源泉徴収される項目です。厚生年金などの年金系、健康、雇用、介護などの保険系、さらに所得税、住民税などの税金系が天引きされます。
可処分所得にあたるのは、勤怠関係の実績から支給関係を合計して総支給額が算出され、控除関係を差し引いたものになります。給与明細の項目としては「差引支給額」の項目にあたります。
可処分所得を増やすには
可処分所得を増やそうとするときに、注意しなければならないのは控除関係の項目です。年金や保険また税金等は収入額が上がると段階的に増えていきます。そのため、それらの増額を抑える方向で収入を増やす必要があるのです。
例えば、現在扶養に入っている専業主婦・主夫であるパートナーが働き始める場合には、その扶養を外れない金額にコントロールする必要があります。したがって、仕事を探すときには、ある程度収入を調整できるようなフレキシブルな勤務体系が選べるものが良いでしょう。
世帯収入と社会的負担の関係を理解することが可処分所得向上の基本
収入を上げれば可処分所得がそれに比例して増えるわけではありません。もし、効率的に可処分所得を上げようとすれば、控除される項目について正しく理解しておく必要があります。扶養に入っている人が働き始めるときには、特に負担金額の増加が大きい社会保険料がポイントになります。そのようなケースでは、世帯収入と社会的負担の関係を十分に研究しておくことをおすすめします。
出典
内閣府 第1節 家計の所得・資産面の変化
総務省統計局 家計調査 用語の解説
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部