更新日: 2021.02.14 働き方

主婦の働き方、年収の壁。結局いくらに抑えればいいの?

主婦の働き方、年収の壁。結局いくらに抑えればいいの?
働き方改革が叫ばれている中、主婦が働き方を考えるに当たって、扶養から外れるかも判断基準になると思います。そこで、扶養から外れないためには年収をどのくらいにすればいいのかについて解説します。
伏見昌樹

執筆者:伏見昌樹(ふしみ まさき)

ファイナンシャル・プランナー

大学卒業後公認会計士試験や簿記検定試験にチャレンジし、公認会計士試験第二次試験短答式試験に合格や日本商工会議所主催簿記検定1級に合格する。その後、一般企業の経理や県税事務所に勤務する。なお、ファイナンシャル・プランナーとして、2級ファイナンシャル・プランニング技能士・AFP合格した後、伏見FP事務所を設立し代表に就き今日に至る。

扶養から外れないための年収とは?

主婦がパートなどで働く場合、年収によって夫の扶養から外れる場合があります。
 
夫の扶養から外れる年収について論ずるとき、「税制上の扶養」と「社会保険上の扶養」を混ぜてしまうことが多いようなので、ここでは両者を分けて説明することにします。
 

税制上の扶養について

「103万円の壁」や、最近では「150万円の壁」という言葉をよく耳にする方も多いと思います。これらの年収の壁は、「税制上の壁」の一種です。
では、税制上の壁を列挙して解説します。
 
(1)100万円の壁
これを超えると「住民税」が発生するラインです。なお、地方公共団体によってこのラインが異なることがあります。
 
(2)103万円の壁
これを超えると「所得税」が発生するラインです。
 
(3)150万円の壁
配偶者特別控除の満額(38万円)が受けられる上限のラインです。この年収を境に配偶者控除の適用がなくなり、配偶者特別控除の適用を受けることになります。なお、夫の年収により配偶者特別控除が減額されることもあります。
 
(4)201万円の壁
配偶者特別控除が受けられる上限のラインです。年収が201万円を超えると、配偶者控除と配偶者特別控除ともに受けられなくなります。つまり、税制上の扶養が受けられなくなるラインといえます。
 

社会保険上の扶養について

前述の年収の壁と同様に「社会保険上の扶養」にも年収の壁が存在します。以下で解説します。
 
(1)106万円の壁
自身の勤務先で社会保険加入の義務が発生するラインです。なお、雇い主に保険加入義務が発生するかどうかは、従業員数や勤務日数、勤務時間など、その他の条件も合わせて判断されます。
 
(2)130万円の壁
これを超えると社会保険の扶養から外れるというラインで、ご自身で国民健康保険料を支払うことになります。
 

夫の会社から支給される扶養手当について

前述した「税制上の扶養」と「社会保険上の扶養」は、法に基づいて定められた制度です。夫が会社員である場合は、「税制上の扶養」と「社会保険上の扶養」が妻の年収により夫の扶養になるかどうかの判断基準となります。
 
しかし、夫の勤務先の就業規則に基づいて、「家族手当」などの名称で家族扶養をしている場合もあります。妻の年収によってはこの扶養から外れる恐れがあるので、詳しくは夫の勤務先の各種手当の要件をチェックしてみましょう。
 

まとめ

以上のように、一口に「扶養から外れる」といっても、税制上の扶養、社会保険上の扶養、そして夫の勤務先で設けている扶養のいずれを指すかにもよるため、扶養から外れる年収はいくらかを簡単に回答することはできません。
 
また、特に社会保険上の扶養に関しては、130万円を超えると国民健康保険料を払うことになるため、第3号被保険者から第1号被保険者になることを意味します。これにより、主婦が自分自身で将来の年金に対して責任を持つことになります。
 
年収をいくらにするかは、現在働いている主婦の方や、これから働こうという方の家族の状況に応じて変わってきます。日ごろから家計の状況をチェックして、現在の家計にとってどのくらい働くのがいいのかを把握し、家族にとって望ましい働き方を考えるのがよいでしょう。
 
執筆者:伏見昌樹
ファイナンシャル・プランナー
 

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