更新日: 2021.02.11 貯金
目指そう貯金体質! あなたの残念度はどのレベル?
そんな目標を掲げている方、毎年挫折しているので……と、すでに諦めている方、貯金なんて初めから興味ないという方、あなたはどのタイプですか?
貯金体質に向けて、自分の残念レベルを診断してみませんか。
執筆者:宮﨑真紀子(みやざき まきこ)
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士
大阪府出身。同志社大学経済学部卒業後、5年間繊維メーカーに勤務。
その後、派遣社員として数社の金融機関を経てFPとして独立。
大きな心配事はもちろん、ちょっとした不安でも「お金」に関することは相談しづらい・・・。
そんな時気軽に相談できる存在でありたい~というポリシーのもと、
個別相談・セミナー講師・執筆活動を展開中。
新聞・テレビ等のメディアにもフィールドを広げている。
ライフプランに応じた家計のスリム化・健全化を通じて、夢を形にするお手伝いを目指しています。
みんなの貯金額はいくら?
「貯蓄ゼロ世帯」をキーワードに検索してみると、“50代の約3割がゼロ”“単身世帯の約4割が貯蓄ゼロ”という見出しが並び、貯蓄ゼロ世帯の多さに驚きます。
これを見て「そうでしょう。そもそも貯金できるほどの余裕はないしね」「みんなと一緒なら大丈夫」と安堵している人もいるでしょうが、ご承知のとおり安心している場合じゃありません。
ゼロの人がいるとはいえ、世間の皆がどのくらい貯金しているのかも気になります。金融広報中央委員会(事務局・日本銀行情報サービス局内)「家計の金融行動に関する世論調査(2019年)」によると、平均値は単身世帯で1059万円、2人以上世帯で1139万円です。
皆さんもご存じのとおり、平均値は少数のお金持ちの金融資産保有額に引っ張られて数値が高くなる傾向にあります。そこで中央値はと言うと、単身世帯で300万円、2人以上世帯で419万円です。
一般的な数字を捉えるには、こちらが近いかもしれません。この調査が行われたのは2019年6月21日~7月3日ですが、いずれの数字も前回値より減少しているとの付記があります。
自己診断して貯金体質を目指す
「貯金できていません」「貯金ができるようになりたいです」とひと口に言っても、その程度は人それぞれです。「貯金」は気になっているけれど、現実を知るのが怖いという声も聞きます。自分の残念度はどのレベルなのかを自己診断してみませんか。
その上で、お金との付き合い方が改善できれば、貯金体質になる道も開けます。ダイエットと同じで、結果を急ぐあまり無理をすると三日坊主になってしまいます。「徐々に体質改善」が良い結果につながります。
<残念度レベル3>
「何とかなるさ」でお金に関して無頓着なタイプです。お財布の中身や銀行口座の残高も把握できていませんので、今使ってOKの金額が不明です。
これでは「ちょっと使い過ぎたかも」となった時に残高不足になる可能性が高く、カードの支払いをリボ払いに変更する、あるいはキャッシングサービスを利用することでしのぐことになってしまいます。常習化すると負のスパイラルに陥り、これは借金地獄となりますので早急に対処が必要です。
前出の金融広報中央委員会調査によると、借入の目的について2人以上の世帯では「住宅(土地を含む)の取得または増改築などの資金」が67.1%と最も高くなっているのに対し、単身世帯では「日常の生活資金」が43.7%を占めています。3つまでの複数回答ですが、侮れない数字だと思います。
対処法
1ヶ月のお金の流れを把握することから始めましょう。使えるお金をハッキリさせることが重要です。以前のように現金のみで生活していれば、使える金額を銀行口座から引き出して、お財布で管理することで可視化することができました。
今はキャッシュレス化が進みましたので、いくら使ったのかが把握しづらくなっています。“○○ペイはオートチャージ設定にしない”“カード払いした時は、その都度、引き落とし金額を銀行口座に確保する”など、自分に合った使いすぎの予防策が必要です。
面倒ですが、ここは頑張りどころです。どうしても無理そうなら、一度キャッシュレスを止めてみるのも特効薬として一案だと思います。このレベルの目標は「借入なしで生活する」です。
<残念度レベル2>
収支はマイナスではないが、貯金はできていないタイプです。銀行口座の残高内でキャッシュカードを利用し、残業代が少ない時にはランチを節約するなど無駄遣いもしていないはずなのに、なぜか貯金はできないのです。「収入は増えたはずなのに貯められない」という人は大抵がこのタイプだと思います。
対処法
「使える金額は把握できているものの、そのすべてを使ってしまう」となれば、先取り貯金の出番です。残ったお金を貯金するのではなく、お給料日に“まず貯金する”方法です。
使えるお金-先取り貯金=新使えるお金 として、「使えるお金」を「新使えるお金」に脳内の情報を書き換えることです。これまでどおりに「新使えるお金」は全部使ってしまっても、貯金は実行できます。全部使ってしまったという罪悪感もありません。
先に貯金をしたら、お給料日前に足りなくなるのでは? と思うかもしれませんが、帳尻を合わせる習慣が身についていますので、意外とできるものです。次回のお給料日に、例えば2万円から試してみませんか。このレベルの目標は「自分のお金をコントロールできるようになる」です。
<残念度レベル1>
貯金はある程度できているのに、これで大丈夫なの? と不安を感じているタイプです。心配な理由は、自分のライフプランに沿った目的別の予算づくりができていないからです。
毎月定額の貯金を実行し残高が積み上がっていても「もっと貯めておかないと」と、なおいっそうの節約に励んでいる人も多いのではないでしょうか。
対処法
よく言われることですが、貯金は目的を実現するためにお金を準備するための手段です。貯金上手な人ほど貯金を殖やすことが楽しくなってしまい、目的を見失うことがあります。自分のライフプランに沿った資金計画を考えることは大切です。
ライフイベントに掛かる費用を書き出すことから始めると、予算が把握できるだけでなくイベントの内容がイメージしやすくなります。「老後が不安だから」と貯金ばかりに目を向けていると、今のイベントを楽しむことができません。このレベルの目標は「長いスパンでお金の管理をする」です。
貯金するには我慢が必要なので、「貯金=つらいこと」と思っている人が多いように感じます。「欲しいものは買うけれど、無駄なものは買わない」これだけでも貯金は増やせるはずです。お金の流れに興味を持って、貯金体質を目指してみませんか。
(参考)
金融広報中央委員会(事務局 日本銀行情報サービス局内)「家計の金融行動に関する世論調査(2019年)」
単身者世帯
二人以上世帯
執筆者:宮﨑真紀子
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士