更新日: 2021.01.26 家計の見直し
今年こそ、続けられる家計簿を!ここだけ押さえておきたいツボとは
執筆者:宮﨑真紀子(みやざき まきこ)
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士
大阪府出身。同志社大学経済学部卒業後、5年間繊維メーカーに勤務。
その後、派遣社員として数社の金融機関を経てFPとして独立。
大きな心配事はもちろん、ちょっとした不安でも「お金」に関することは相談しづらい・・・。
そんな時気軽に相談できる存在でありたい~というポリシーのもと、
個別相談・セミナー講師・執筆活動を展開中。
新聞・テレビ等のメディアにもフィールドを広げている。
ライフプランに応じた家計のスリム化・健全化を通じて、夢を形にするお手伝いを目指しています。
家計簿、挫折の原因は?
年頭には多くの人が目標を掲げます。ダイエットや英会話の勉強など、何年がかりでも結果が出せていない~とリベンジを誓うケースも多いのではないでしょうか。家計簿も手ごわい目標の1つとされています。今回は家計簿づくりが初めて、あるいは「今年こそ」という方に向けて、「続けられる家計簿」についてお伝えしたいと思います。
家計簿が続かない原因のダントツ1位は、「毎日つけるのが面倒だから」です。歯磨きのように習慣にしましょう、と言うのは簡単ですが、新しい習慣が身に付くには時間がかかります。面倒な理由を掘り下げると、(1)費目分けで悩む、(2)収支が合わなくてイライラする。この2つが足を引っ張っている要因のようです。
仕分けは自分流でOK。ここだけ押さえるツボ
書店には多くの家計簿が並んでいます。費目分けの代表例は、食費・住居 備品費・光熱 水道費・被服費・日用雑貨・娯楽教養・医療費・教育費・交通費・交際費など、とても項目が多いです。
そこに本日の支出を当てはめていくのですが、
(1)お友達とのランチは交際費だけど、職場の同期とのランチは外食費? 交際費?
(2)交通系のパスモなどのカードは5000円チャージした時に交通費として計上するの? カードを使ってコンビニでジュースを買った時はどうするの?
などなど、悩まされることが多いようです。これらの疑問が気になりだすと、家計簿はとても面倒なことになってしまいます。
これらの解決策は、悩まなくて良いマイルールをつくることです。例えば、(1)平日のランチは食費に入れる、(2)コンビニで買うお弁当代をパスモで支払うことが多いので、チャージした時にまとめて食費に入れる、といった自分にとって簡単なルールを決めておくのです。
市販の家計簿を何冊か手に取ってみると分かりますが、とても詳細に記入するものと、比較的自由度があってザックリしたものがあります。
住居費や水道光熱費など自動引き落としで支払うものは回数も少ないですし、記入に困りません。日常的な支払いを、いかに家計簿に落とし込むか? どの程度の費目分けをするとよいのか? 既定の費目にこだわることなく、グループ分けしてしまうのも一案です。
1つ注意しておきたいツボは、クレジットカードの利用分は別にして整理しておくことです。筆者はレシートを保管して、内容にこだわらず「〇月10日払い」としてまとめています。こうしておけば、明細とチェックも簡単ですし、引き落とし時に残高不足になる心配もありません。また「クレジットカードを使い過ぎた!」という反省材料にもなります。
完璧家計簿の落とし穴
そもそも論になりますが、家計簿をつくる目的は何でしょう?
自分や家族の希望や必要な事・物をかなえるために貯蓄を増やしたい。そのためには、お金の流れの可視化や無駄遣いの洗い出しが必要です。
家計簿はこれらを把握するための手段として、とても優秀なツールなのです。家計簿づくりを頑張るあまり、手段が目的になっているケースがあります。そうなると家計簿はバッチリ完璧にできているのに、ゴールである貯金ができないままで終わってしまいます。
極論をいえば、家計簿はザックリでも構いません。例えば、日常的な支出の費目分けは、食費・日用品・被服費・交際費・その他くらいあれば十分です。金融広報中央委員会が作成している「家計夢ノート」の場合、食費とその他の2項目しかありません。内容は細かく記入するような仕様になっていますが、費目分けの負担を減らしている例といえます。
「お財布にあった1万円をいつの間にか使ってしまった」ということはありませんか。こういう使途不明金をなくすことにも、家計簿づくりは効果を発揮します。収支が合わない時は、使途不明金として「その他」に記入します。神経質になり過ぎないことも続ける秘訣です。
手作業でお金の管理をする意味
最近はスマホで簡単に家計管理ができるアプリもあります。空き時間を利用して確認できるので便利です。またはエクセルなどの表計算ソフトを使って管理している方も増えています。
キャッシュレス化が進み、金額の多少にかかわらず一瞬にして支払いは完了します。個人的には、じっくりお金と向き合うのであれば、手作業で家計簿に記帳するのが良いと思います。あえて簡単ではない方法で「今日買ったアレは無駄遣いじゃなかったかな?」などと振り返る時間を持つことが、明日以降のお金の使い方につながるのではないでしょうか。
執筆者:宮﨑真紀子
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士