更新日: 2020.12.16 家計の見直し

共働き家庭が陥りやすい家計管理の失敗って?

共働き家庭が陥りやすい家計管理の失敗って?
共働き家庭は年々増えていて、今や専業主婦(夫)世帯の2倍近く存在します(※1)。夫婦2人が働くことで金銭的な余裕が生まれやすい一方、家計管理の仕方によっては「収入の割に貯まっていない」ということも……。
 
共働き家庭が陥りやすい家計管理のミスとその対策について解説します。
馬場愛梨

執筆者:馬場愛梨(ばばえり)

ばばえりFP事務所 代表

自身が過去に「貧困女子」状態でつらい思いをしたことから、お金について猛勉強。銀行・保険・不動産などお金にまつわる業界での勤務を経て、独立。

過去の自分のような、お金や仕事で悩みを抱えつつ毎日がんばる人の良き相談相手となれるよう日々邁進中。むずかしいと思われて避けられがち、でも大切なお金の話を、ゆるくほぐしてお伝えする仕事をしています。平成元年生まれの大阪人。

https://babaeri.com/

共働き家庭の家計管理でありがちな失敗

共働き家庭にありがちなのは次のような失敗です。
 
●収入が多く、日々の生活に困らないので油断する
収入が低く日々の暮らしがカツカツな状態なら、節約に励んだりお互いの収入や支出を考慮して策を練ったり、積極的に行動に移すかもしれません。しかし、共働きである程度世帯収入が高く、今の生活に金銭的な余裕がある方は、なかなか節約や家計管理に意識が向きにくいことがあります。
 
特に子どもがいない共働き家庭では、教育費の負担がなく自由に使えるお金が大きくなって油断しがちです。今は困っていなくても、いったん浪費癖がついてしまうと、万が一収入が下がってしまったときや「近いうちに家を買いたい」など大きなお金がかかる夢ができたときに生活水準を抑える等の対応がしにくくなります。
 
●夫が(妻が)貯めているだろうと思い込む
「相手が貯めてくれているだろう」となんとなく思っていて、いざ必要になったときにふたを開けてみたら、お互いに貯金を任せている状態になっていて、全然貯まっていなかったというケースもあります。
 
夫婦の家計管理は、どちらかが一手に担ってお小遣い制にして管理するパターンや、夫婦別財布でお互いの支出に干渉しないパターンなどさまざまで、どれが正解なのかは家庭によります。
 
ただ、どちらかというと、別財布より1つの財布、そしてなにより夫婦双方が家計全体を見渡せて、いつでも把握できる状態を作っている家庭は、お金の問題を抱えにくい傾向にあります。
 

共働き家庭がうまく家計をコントロールするコツ

共働き家庭がしっかりと支出をコントロールし、希望の貯金額を達成するためには、例えば次のような手段が有効です。
 
●お金の家族会議
夫婦で、もしくは家族で、お金に関する家族会議を開いてみる方法です。最初は、家計の現状をお互いが把握できるよう、収入、支出、借入、資産などお金にまつわる情報をシェアすることから始めましょう。
 
そこから、今後どんな暮らしをしたいと思っているのか、その実現のためにはいつまでにいくらくらいのお金が必要なのか、現時点での達成度はどれくらいなのかなど、目標と向いている方向が同じなのか確認していくとよいでしょう。
 
できれば「毎月月末の21時から」など、具体的に日時を決めて定期的に開催するのがおすすめです。そこで、今月の支出は予算と比べてどうだったか、何がよかったのか、どうすれば改善できそうかなどを話し合って、次月はどうするか目標を立てて、一緒にその達成に向けて頑張っていければ理想的ですね。
 
●最低限「人生の3大費用(※2)」について考えをすり合わせておく
ただ、そうはいっても家庭によっては「日々何にお金を使ったか管理されるなんてわずらわしい」「自分で稼いだお金はある程度自分で自由に使いたい」と考える方もいるでしょう。
 
その都度、細かい出費を共有するのは嫌だという方は、人生の中でも特に大きなお金がかかる「教育資金・住居資金・老後資金」についてだけでも、ざっくりとした方向性や現状の達成具合を夫婦ですり合わせておくようにしましょう。
 

共働きの家計は強い!

共働きは稼ぎが2人分あります。もしどちらかの収入が減っても、もう一方の収入でカバーできれば家計が立ち行かなくなるリスクを抑えられます。所得税負担は、1人で1000万円稼ぐより2人で500万円稼いだ方が基本的に負担は軽くなります(※3)。
 
共働きの家計は、本来お金に困りにくい素地があります。それを生かしながら、うまく家計をコントロールして理想の暮らしをかなえていきましょう。
 
(※1)男女共同参画局「男女共同参画白書(概要版) 平成30年版」
(※2)知るぽると「Ⅰ.人生のデザインとお金」
(※3)国税庁「No.2260 所得税の税率」
 
執筆者:馬場愛梨
ばばえりFP事務所 代表
 

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