【FP監修】そもそもライフプランとは? FPはどうやってプランを考えている?

配信日: 2020.09.05

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【FP監修】そもそもライフプランとは? FPはどうやってプランを考えている?
みなさんは、ライフプランと聞いてどのようなものを思い浮かべますか。「ライフ」だから「ワーク(仕事)」のことは考えなくてよいのでしょうか? あるいは、何歳までのプランが必要なのでしょうか? ライフプランをなぜ立てるのか、どう立てていくのかについて、ファイナンシャルプランナーが解説します。
伊藤秀雄

執筆者:伊藤秀雄(いとう ひでお)

CFP(R)認定者、ファイナンシャルプランナー技能士1級、第1種証券外務員、終活アドバイザー協会会員、相続アドバイザー。

大手電機メーカーで人事労務の仕事に長く従事。社員のキャリアの節目やライフイベントに数多く立ち合う中で、お金の問題に向き合わなくては解決につながらないと痛感。FP資格取得後は仕事に生かすとともに、地元でのセミナー登壇や日本FP協会主催の個別相談会、ワークショップなどに参画し活動を広げている。

ライフプランは、結局何を「プラン」するのか

人はいくつもの夢や希望を抱き、さまざまな決断を下しながら生きていきます。その都度、何らかの「プラン」を頭に描いているはずですが、実は漠然とした“絵”にすぎなかったり、場当たり的な目標だったりすることも多いのではないでしょうか。
 
ライフプランは、夢や希望を具体化するための、人生の羅針盤のようなものです。仕事も生活も含めた今後の生き方の可視化と、その実現に必要なお金の確保までがライフプランの対象になります。

ライフプランはなぜ必要なのか

「~だといいな」で終わらせず夢を実現するには、期限やゴールを設定し、足りないものを準備することが必要です。仕事を進めるのと同じですね。言語化する、文字にするというのは大きな一歩です。
 
ファイナンシャルプランナー(FP)は、主にお金のことでご相談に来られる方に対して、その理由・背景や生活目標など、現状と将来への希望や不安を理解したうえ、ご提案するよう心掛けています。
 
今後の全体像が見えないと、個別最適の解決だけでは本来のゴールや、優先度が高かったプランにたどり着けなくなるおそれがあります。そのため、お金の悩みであったとしても、ライフプランから考えていくことが大事なのです。

どのような考え方で準備するのか

まず、自分が今後どんな生き方をしたいのか、長期的な視野で立ち止まって考えてみます。これからの夢や目標、暮らし方などです。家族がいれば、家族の夢も聞いたほうがいいですね。大事なのは、自分は自分という自立した姿勢です。価値観が違う他人の人生や夢をコピーしないことです。いつ、どうなっていたいのか、を書き出してみましょう。
 
以下の表は、ライフプラン作成の書式例です。「ライフイベント」欄に自分と家族の夢や目標を埋め込んでいきます。最初は20年後くらいまでの範囲でも結構です。

ライフイベントには、進学、就職、結婚の有無、住宅の取得(あるいは海外移住?)、リタイアの時期、老後の暮らしなど、人生の節目の出来事の記入が必須です。夢や希望だけでなく、現実問題として忘れてはいけないイベントを織り込みます。
 
予測できるイベントはこちらから迎えに行きましょう。また、各イベントに必要なお金も書き込んでみます。金額は、金融機関や公的機関がウェブや冊子で情報提供しているので、あまり深く考えずいったん調べた金額を入れてみてください。

ライフプランをどう使うか

できあがったライフプランを支える土台の1つがお金です。まず現在位置を確認するため、家庭の収支を確認します。ここで赤字になっていたり、過剰な出費があったりすれば家計改善が必要です。生命保険料も過不足ないか見直し対象です。収支が黒字であるほど貯蓄に回す余裕があると考えてください。
 
次に、預貯金や投資の資産額と、ローン・奨学金返済などの負債額を比較します。これをバランスシートといいます。そして、これらの情報をすべて反映したキャッシュフロー表を作成することで、プランの途中で家計が破綻しないよう、お金とライフプランのバランスを図ります。
 
以下の図は20年後までを範囲としたキャッシュフロー表の書式例です。

図2には、ライフイベント・収支・貯蓄がすべて含まれており、最終的には、亡くなるまでに貯蓄残高がマイナスにならないよう、これらの項目のお金の出入りを調整します。このようにFPは相談者の意向や決断を引き出し、夢を形に見えるようにしていきます。これがライフプランを支えるファイナンシャル・プランニングです。

まとめ

人生100年時代では、学び直しや専門能力の複線化、兼職やセカンドキャリアの長期間化など、これまでのライフプランになかった世界が控えています。また、コロナ禍のあとには、新しいライフスタイルが待っているでしょう。ライフプランは一度立てて終わりではなく、イベントの節目や想定と違う事態を迎えた時などに見直し、常に最新のものを手元に置いてください。
 
(出典)NPO法人日本ファイナンシャル・プランナーズ協会ホームページ
 
執筆者:伊藤秀雄
CFP(R)認定者、ファイナンシャルプランナー技能士1級、第1種証券外務員、終活アドバイザー協会会員、相続アドバイザー。


 

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