更新日: 2020.08.26 その他家計

節約のカギは「ぜいたく」することにあり?

節約のカギは「ぜいたく」することにあり?
節約というと、必要なものにだけお金を使い、ムダを省くのが鉄則といわれます。ぜいたくなんてもってのほか。
 
しかし、むしろ自分なりの「ぜいたく」にお金を使うことが、節約を楽しく長続きさせるカギになるかもしれません。
波多間純子

執筆者:波多間純子(はだまじゅんこ)

㈱bloom代表。ファイナンシャル・プランナー(CFP(R)),キャリアコンサルタント

「お金しだい」の人生から「自分しだい」の人生への選択をサポート。家計相談28年、相談件数4,000件超。家計相談と合わせて、その方の才能や適職を診断し潜在能力を高める「咲かせようじぶん資産」をテーマに個人セッションとワークショップを開催。

衣食を欠いてもほしいものとは?

筆者のもとに、家計のやりくりに関して相談を受けたときに、意外なことに気づきました。実際の家計を見るまでは生活費の支払いでカツカツだろうと予想していたのですが、必要なお金を削ってでも趣味ややりたいことへのお金を確保していたのです。
好きなスポーツ番組を見るための有料チャンネル利用料だったり、手芸の材料だったり……。金額そのものは高額ではないにせよ、10円単位で切り詰める生活の中でそれらをねん出するのは大変なはずです。
 
生きるだけなら不要な支出も、「生き生きと」生きるためには欠かせない原動力となるのかもしれません。好きなことは、私たちの生きる力に直結しているのではないかと筆者は考えます。
 

コスパ重視の落とし穴

ぜいたくといっても豪華で高額な商品を買うことではありません。あくまで「自分だけの」ぜいたくです。しかし、この「自分だけ」というのは案外本人にさえ分からなくなっています。
日ごろは「ムダ使いをしてはいけない」という考えに縛られて、コスパ重視になりがちです。お金だけでなく、時間もなるべくかけずに目に見える効果を求めるあまり、心が欲するものが分からなくなりがちです。
 

自分なりのぜいたくを知る方法

自分なりのぜいたくが分からない方は「これまでに使ってよかったと思った支出」を書き出してみましょう。次にその支出がなぜ喜びをもたらしたのかその理由を考えてみましょう。そのとき「なぜ、その支出が自分にとって喜びなのか?」という質問を、これ以上答えが出ないというまで繰り返してみてください。
 
例えば、使ってよかった支出が「バイク」だったら、なぜそれが喜びなのかを繰り返すと、どこにでも行ける→自由に動ける…自由を欲しているという本質的な答えが見つかるはずです。
 
また、ぜいたくは一見収入に結びつかないことと同時に、創造的な活動だったりします。例えば、絵をかいたり、楽器を演奏したりということです。大事なのは思い切ってそれに一定の時間とお金をかけると決めて実行することです。必要な材料や道具をそろえましょう。創造力と生命力を回復するかもしれません。それが、仕事や生活に張りをもたらし、その結果収入アップや生活の満足度につながります。
 
「ぜいたく」と間違えやすいのは「気晴らし」です。気晴らしとは、仕事と仕事の短い合間に自分を満足させるような娯楽などです。例えば、スマホゲームやネットショッピングなどは、本当にほしいものから目をそらすために夢中になっていることがあります。むしろそのお金と時間をまとめてぜいたくに集中投下すると、生活の質が一気に上がることもあります。
 

必要な支出はケチりまくれ

ただし、ぜいたくするだけで終わったら家計の改善は望めません。そこで次のことをセットで行ってください。それは衣食住といった生活に必要な支出へのコストカットです。
 
生活費を下げることは生活レベルを下げることにはなりません。なぜなら、デフレが長く続いたためモノ全般は高品質かつ安価な商品がいくらでもあります。最低スペックでも十分機能します。新型コロナウイルスの影響で、自分の生活に不要なものも見えてきたのではないでしょうか。
さらに、節約を習慣化させるためのリストを載せましたので参考にしてください。引落口座の通帳を定期的にチェックすることで、節約習慣が身につくようになっています。

ぜいたくで心のエネルギーをチャージして節約習慣を行動に落とし込み、家計の不安を吹き飛ばしましょう。
 
執筆者:波多間純子
㈱bloom代表。ファイナンシャル・プランナー(CFP(R)),キャリアコンサルタント


 

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