更新日: 2020.08.17 家計の見直し
コロナの影響で収入減。固定費の見直しのポイントって?
家計を見直すときにまずチェックしたいのが「固定費」です。見直し方やコツを解説します。
執筆者:馬場愛梨(ばばえり)
ばばえりFP事務所 代表
自身が過去に「貧困女子」状態でつらい思いをしたことから、お金について猛勉強。銀行・保険・不動産などお金にまつわる業界での勤務を経て、独立。
過去の自分のような、お金や仕事で悩みを抱えつつ毎日がんばる人の良き相談相手となれるよう日々邁進中。むずかしいと思われて避けられがち、でも大切なお金の話を、ゆるくほぐしてお伝えする仕事をしています。平成元年生まれの大阪人。
家計を見直すなら「固定費」を要チェック!
「固定費」とは、一定の金額を継続して支払う費目のことです。家計の中では、例えば次のようなものがあてはまります。
・住居費
・保険料
・スマホ代
・インターネット利用料
・光熱費の基本料金
・定期購読している雑誌や新聞
・動画や音楽など各種サブスクリプションサービスの利用料
毎月ほぼ固定の金額が自動的に支払われるため、あまり「消費している」という印象がないかもしれません。
しかし、これらの項目は、うまくいけば普段の生活をほぼ変えずに大きな節約効果を生む可能性を秘めています。しかも1回見直しておけばその効果が長く続きます。食費や交際費などの節約を考えるだけでなく、ぜひ「わが家の固定費」もチェックしてみましょう。
固定費を見直す手順
固定費には先述のとおりさまざまな種類がありますが、基本的な見直し方は同じです。おおまかな流れは次のとおりです。
1.現状把握
まずは今の状況がどうなっているのか確認するところからスタートです。固定費は、家計簿をつけていないご家庭でも通帳やクレジットカードの明細を見ればわかるかと思いますので、取り組みやすいですよ。
どの項目にいくら引かれているのかわかったら、それぞれ内訳も確認しましょう。料金明細や契約プラン、保険内容などがわかるものを用意します。
2.不要なオプションなど無駄がないかチェックする
現状が把握できたら、次は分析です。お金を払っているのに「何の意味があるのかよくわからない特約」「無料期間を過ぎたら解約しようと思っていたのにそのままになっていたオプション」などはないでしょうか。
よくわからないものは契約している会社に問い合わせて確認、明らかに不要なものは解約しましょう。
3.よりよい方法がないか検討する
2だけで終わってもよいのですが、せっかくなのでもう少し踏み込んで考えてみましょう。今の利用状況に対して、今契約しているプランがはたして最善なのか、ということです。
もしかしたら、同じ会社の別のプランのほうが合っているかもしれませんし、調べれば何らかの割引条件にあてはまって安くなるかもしれません。また、同業他社に乗り換えたほうがお得なこともあります。
いろいろな可能性を検討してみましょう。
固定費を見直すポイント
特に高額になりがちな固定費について、見直すポイントを見ていきましょう。
■住居費
持ち家の方は、ローンの借り換えや繰り上げ返済ができないか検討したいところです。賃貸の方は家賃交渉する手もありますが難易度が高いので、もしどうしても住居費を下げたいなら賃料の安い住居への引っ越しや実家に戻ることを検討するのもひとつです。
一般的には住居費は手取りの30%に抑えたほうがよいといわれています。ただ、収入が低い方などの場合それではやりくりが難しいですし、住居費は一度決めると後から変更しにくいので、できれば25%以下など低く抑えておくほうがベターです。
■スマホ代
「どうしてもこの機種がいい!」などのこだわりがなければ、機種変更で格安スマホを選ぶのはいかがでしょうか。格安と呼ばれるものでも、今はかなり高機能な種類もあります。
また、大手キャリアで契約中の方は、格安SIMに乗り換えることで同じ使い勝手でも価格を抑えられたり、インターネットのプロバイダー等とスマホを同じ会社に統一することでセット割引が適用されてお得になったりすることがあります。
■保険
保険の見直しは、お金の知識が必要なため難しく思われがちです。基本的には、「何かあったときに必要な金額」から「貯金など自力で用意できる金額」と「公的な制度で受け取ることができる金額」を差し引いたものが、あなたが「保険を使って用意すべき金額」です。
保険金がどんなときにいくら出るかは保険料に直結しますので、過不足がない契約かどうか、確認しましょう。
コロナ禍の今だからこそ、固定費を下げておこう
固定費の見直しは効果が高いものの、通帳や料金明細や古い契約書をひっぱり出してきたり、いろいろなことを調べたり、比較検討したり、時間と手間がかかるので敬遠されがちです。
しかし、家にいる時間が長く取りやすい今は、まとめて家計を見直すチャンスかもしれません。一度腰を据えて取り組んでみてはいかがでしょうか。日頃から固定費を低く抑えておけば、変化に対応しやすくなりますよ。
執筆者:馬場愛梨
ばばえりFP事務所 代表